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AWA@TELL まいにち

南山大学で、日本語教育に携わる人材の養成を行っています。ホームページも是非ご覧ください。

2019年「人権週間」記念集会でお話ししてきました

2019年12月10日 | 日本語教育
今回、ご縁をいただいて、「人権週間」記念集会でお話しする機会をいただきました。

テーマは、「外国にルーツを持つ人への教育支援」ということで、

中学夜間学級の岡崎先生と二人で登壇しました。お世話になりました。

岡崎先生が、愛知県・名古屋市の中学夜間学級の経緯、歴史、取り組みをお話しされました。僕の知っている生徒さんのインタビュー動画もあり、胸が暖かくなるご講演でした。

「英語の先生になりたいです」と語っていた生徒さん。中学夜間学級を卒業して、高校進学、そして大学進学。まだ先は長いのですが、夢があるということは素晴らしいこと。どうにかうまく支えられると良いんですが。

彼らにとって、進学していくということは、まだまだ大変なこと。あのインタビュー中の笑顔をいつまでも持っていて欲しいと思いつつ、目の前の一つ一つを片付けていくべきか、と思ったり。


私は、前の職場、愛知教育大学で取り組んでいた外国人児童生徒支援の取り組みについてご報告し、もう1年ちょっとで、日本語教育を学んだ小学校教員が送り出せる、という話や、愛教大では全学必修で、この課題について学んでいる、というお話をしました。関心も高く、質問もいただけました。愛教大から南山に移った理由は複数あり、あまり言いたくないこと、言えないことも当然ある(笑)のですけれども、理由の一つであった、「外国人との共生は学校の中だけで完結しない」ということも特に取り上げてお話ししました。学校教員が教育現場で対応するか、ということのコントロールよりも、普通の、一般の人たちの受け止め方をどうしていくかということ、外国人の周囲で暮らす人たちがどう対応するか、ということまで考えていく必要があるわけです。南山大学は総合大学であること、学園のモットーが「人間の尊厳のために」であること、こういったことから、「多文化共生社会を先導する地域の人」の養成に挑戦して行きたかったこともあります。

以前、どこかに書きましたが、避難所で外国人の方達は、日本語ができたとしても入りにくかったということ。子供の運動会の時のお弁当場所の確保も、同じような感じで、座っている人が「○○さん、こっちこっち!」と呼ぶだけで居場所が作れるわけですよね。それが、自然にできる人材の養成、ただそれだけのこと。外国語ができることなんて必要条件から言えばすごく下。普段からどう関わるか。

できることは、実はハードルが低い。

自分がマイノリティになる経験をして、普段、どれだけマジョリティとしての利益を得ているのか。それを知るのも大切なこと。

僕なんて、服を買うたびに、「店舗には在庫がなく、オンラインで」と言われる。お店で試着して買うことができないというマイノリティの悲劇をどれだけ味わっているか。

まあ、それはそれとして。


講演会の後、いろいろな方とお話しさせていただきました。

弁護士の方、宗教関係の方、解放同盟の方、企業の方、

みなさんから、

初めて聞く話だった。

という感想をお聞きし、

ああ、やっぱり学校の教員の意識を変える、というだけでは何も動かない、ということを改めて感じました。

地域の支え方が変われば、学校の先生方の仕事もやりやすいはず。

もっとあっちこっちでお話しする機会を作って、学生さんにも伝えて、まず知っていただくことから始めなければと強く思いました。



お世話になりました。ありがとうございました。

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