富山県の高校で必修科目だった世界史の授業をせずに、しなかったにもかかわらず、履修していたように装っていたというニュースがありました。
生徒の間で、受験に必要ない科目は勉強しないで、必要な科目だけを集中的に学びたいという声があったからという話です。
まあ、僕も高校生のときにはそんなことを考えていましたが、当時は国立大学に行くとなったら5教科5科目、一つ上の先輩までは5教科7科目の受験が必要でしたから、「必要ない科目」というのは芸術系、体育系の科目でした。
受験に必要な科目が減って、学生の負担が減り、学生獲得にもメリットが出てきているのかもしれませんが、入学してきた学生は大変なことになっています。
徳島大学の工学部は、大学の授業に必要なレベルの数学、化学、物理学、生物学などの科目が高校時代に未履修であった学生に対して、特別の補習を行っています。本当に必要な学生は取りに来ないというぼやきも聞かれるのですが、先生方のご苦労には頭が下がります。
でも、こういった本来大学がやることではない部分を大学がしなければならなくなった場合、これまで振り向けていたその時間、労力というものが確実に削られてしまうのですよ。
これは大学のみではなく、日本という国の研究レベルの低下を招きかねません。
いや、僕が留学生を相手にして、それぞれの国の地理的な知識が必要な職場にいるということとか、日本語教育の歴史を研究していて、東アジアと日本との歴史的なかかわりに関心があるということもあるのでしょうが、ちょっと最近の大学生の基礎的な関心の持ち方、知識に疑問を持っています。
日本の学生に対する授業は、今年は姫路獨協大学の大学院での集中講義だけでしたから、本質のところは分からないかもしれませんが、ちょっとね。
韓国(北朝鮮を含めて)が日本の植民地だったということすら「そうでしたっけ」という学生に出会うと、ショックですよ、やっぱり。
話がそれましたが、関心があろうと無かろうと、丸暗記でも良いから覚えておかなければならないこともあると思うのですよ。
関心を持たせるために卑近な事例から始めるのは構わないと思うのですが、負担をかけないようにと、卑近な事例で終わるのはいただけません。
もうすぐ子どもたちは小学校へ通い始めます。
もらってきた教科書を見てショックを受けるようなことがなければいいんだけどなあ。
あ、また話がそれました。
歴史教科諸問題を初めとして、アジア各国から、日本の歴史認識について糾弾されることはまだ続いています。
ここは一つ、世界史、日本史だけじゃなく、「東アジア地域史」という科目を新設して、必修科目で受験からも外せなくするというのはどうでしょう?
外国語だって、確かに英語の重要度は分かりますが、中国語や朝鮮語といった隣国の言葉を少しでも扱ってはどうでしょうか。
国によって、一つの歴史的事実の解釈は異なるというのは仕方がないと思いますが、なんかね、これから世界に向けて活躍しようという世代が世界に関して何も知らないというのは、非常に大きな問題だと思うのですよ。
これから50分授業を70回分補習しなければならないという冒頭の高校ですが、仕方がありません。頑張ってください。履修させなかった高校に責任があるのは勿論ですが、高校側にそうさせるほど「勉強したくない」といった学生側も少なからぬ責任があると思いますし。
生徒の間で、受験に必要ない科目は勉強しないで、必要な科目だけを集中的に学びたいという声があったからという話です。
まあ、僕も高校生のときにはそんなことを考えていましたが、当時は国立大学に行くとなったら5教科5科目、一つ上の先輩までは5教科7科目の受験が必要でしたから、「必要ない科目」というのは芸術系、体育系の科目でした。
受験に必要な科目が減って、学生の負担が減り、学生獲得にもメリットが出てきているのかもしれませんが、入学してきた学生は大変なことになっています。
徳島大学の工学部は、大学の授業に必要なレベルの数学、化学、物理学、生物学などの科目が高校時代に未履修であった学生に対して、特別の補習を行っています。本当に必要な学生は取りに来ないというぼやきも聞かれるのですが、先生方のご苦労には頭が下がります。
でも、こういった本来大学がやることではない部分を大学がしなければならなくなった場合、これまで振り向けていたその時間、労力というものが確実に削られてしまうのですよ。
これは大学のみではなく、日本という国の研究レベルの低下を招きかねません。
いや、僕が留学生を相手にして、それぞれの国の地理的な知識が必要な職場にいるということとか、日本語教育の歴史を研究していて、東アジアと日本との歴史的なかかわりに関心があるということもあるのでしょうが、ちょっと最近の大学生の基礎的な関心の持ち方、知識に疑問を持っています。
日本の学生に対する授業は、今年は姫路獨協大学の大学院での集中講義だけでしたから、本質のところは分からないかもしれませんが、ちょっとね。
韓国(北朝鮮を含めて)が日本の植民地だったということすら「そうでしたっけ」という学生に出会うと、ショックですよ、やっぱり。
話がそれましたが、関心があろうと無かろうと、丸暗記でも良いから覚えておかなければならないこともあると思うのですよ。
関心を持たせるために卑近な事例から始めるのは構わないと思うのですが、負担をかけないようにと、卑近な事例で終わるのはいただけません。
もうすぐ子どもたちは小学校へ通い始めます。
もらってきた教科書を見てショックを受けるようなことがなければいいんだけどなあ。
あ、また話がそれました。
歴史教科諸問題を初めとして、アジア各国から、日本の歴史認識について糾弾されることはまだ続いています。
ここは一つ、世界史、日本史だけじゃなく、「東アジア地域史」という科目を新設して、必修科目で受験からも外せなくするというのはどうでしょう?
外国語だって、確かに英語の重要度は分かりますが、中国語や朝鮮語といった隣国の言葉を少しでも扱ってはどうでしょうか。
国によって、一つの歴史的事実の解釈は異なるというのは仕方がないと思いますが、なんかね、これから世界に向けて活躍しようという世代が世界に関して何も知らないというのは、非常に大きな問題だと思うのですよ。
これから50分授業を70回分補習しなければならないという冒頭の高校ですが、仕方がありません。頑張ってください。履修させなかった高校に責任があるのは勿論ですが、高校側にそうさせるほど「勉強したくない」といった学生側も少なからぬ責任があると思いますし。