小寄道

日々生あるもの、魂が孕むものにまなざしをそそぐ。凡愚なれど、ここに一服の憩をとどけんかなと想う。

父とチャコとボコの、詩集『三人』を読む

2019年05月31日 | 
  もう11年も前のことになる。金子光晴と妻の森美千代、そして長男乾(けん)の3人の手になる私家版詩集についてブログに書いた。「父とチャコとボコ~戦中未発表詩」という題名の、Eテレのドキュメンタリーを観てからの感想で、その記事の一部とはいえブログに引用するのは気恥ずかしい。ともあれ、以下のように書きはじめている。 金子光晴の私家版詩集が古書店で売りに出された。それは光晴自身が戦時中に . . . 本文を読む

私にとっての『名井島』①

2019年05月26日 | 
「森のことば、ことばの森」というブログに偶然にもアクセスし、詩人時里二郎の存在を知ることになったのは、ほぼ一年前だろうか・・(詩人としての作品を読むようになったのは、正確には昨年の暮れあたりで、情けないが陳謝して訂正します。ということは、この半年あまりで、愚生の読書環境およびスタンスが劇的な変化があったわけで、我ながら驚愕している)。 恥ずかしながらそれまで、現代詩そのものは、長田弘、昔は吉岡実 . . . 本文を読む

亡き岡本文弥師匠の句集を読む

2019年05月21日 | エッセイ・コラム
昔、台東区の谷中には岡本文弥という新内の名人が暮らしていた。新内とは、浄瑠璃における三味線を弾きながら話しを「語る」、いわば弾き語りの芸そのものである。古くは琵琶法師が平家物語を語り伝えたように、独特の節回しでストーリーを語る伝統芸能といえよう。歌舞伎でいうところの「常磐津」とおなじだ。(※追記) 新内はつまり人形浄瑠璃の「新内節」を大元としているのだが、その舞台から離れて、講談や落語専門の小屋 . . . 本文を読む

まずは断捨離だ!

2019年05月18日 | 日記
このところ断捨離に集中している。家人にいろいろ言われていることもあるが、人生の終末期を迎えるにあたって、極力余計なものや無駄なものを処分したい。気力・体力が失われてからでは、身辺にある過剰なモノを整理するのは、無理筋となるであろう。 痴呆の気がある小生にとって、呆けないうちにやるべきことは済ませたい。仮に、家人が先に、あの世に逝くことだってあり得る。たぶん、我が家はゴミ屋敷となり、近所のご迷惑に . . . 本文を読む

過去に目を閉ざすものたち

2019年05月08日 | エッセイ・コラム
東京新聞に連載している斉藤美奈子の『本音のコラム』。今週の(5月8日)タイトルは「ネトウヨ検定」で、現在公開中のドキュメンタリー映画「主戦場」にふれている。話題になっているのか知らないのだが、いわゆるネトウヨの世界観を知るための格好の映画らしい。 慰安婦問題の真実を追ったミキ・デザキ監督のドキュメンタリー『主戦場』予告(1分50秒)↓ ▲渋谷のイメージフォーラムで現在公開中。にわ . . . 本文を読む