長田弘という詩人の「短い人生」という詩の第1連は、こう書かれている(詩集『黙されたことば』より)。
幸福とは、何一つ私有しないことである。自分のものといえるものは何もない。部屋一つ、机一つ、自分のものではなかった。
これは長田が音楽家シューベルトの生涯を詩として表現したもの。「現在を聡明に楽しむ。それだけでいい。無にはじまって無に終わる。それが音楽だ。」ともあるように、音楽がもたらす至上の歓び . . . 本文を読む
「老いてからの家事」、これを最初のタイトルにしていた。だが、なんか辛気くさいし、いい歳をこいて何を言わんやだ。無論、家事は手ごわいし、奥が深い。料理、洗濯、掃除など、いずれもプロフェッショナルに任せてもいい大切な仕事=家事である。
実のところ、洗濯を自分でするようになり、洗剤だけでなく漂白剤、柔軟剤を併用することを知った。洗濯の総量によって、それぞれの使用量も変わる。毛玉がつきやすいもの、ソック . . . 本文を読む
この齢にして、自立するべき生活環境を変え、整えたい。個人的なこと故に、詳細な記述は差し控えたい。妻とも語りつくし、互いに前向きな方針を打ち立てた。
どこまで自分がやり切れるか、まったく想像できない。とりあえず、依存することなく、余生を生ききる考えである。周囲の方たちには、冷ややかにというか笑いを堪えながら、温かく見守っていただけたらと願っている。気分が落ちついてから、もう少し具体的に書くかもしれ . . . 本文を読む