小寄道

日々生あるもの、魂が孕むものにまなざしをそそぐ。凡愚なれど、ここに一服の憩をとどけんかなと想う。

宗教二世たちの実存と苦悩

2022年07月31日 | エッセイ・コラム
中島岳志は東京工業大学のリベラルアーツ研究教育院教授であるが、「リベラル保守」という立場をはじめて公に示した政治・歴史学者、評論家でもある。研究対象は多岐にわたり、著書も多い。当初は北大で研究していたかと思うが、インドのナショナリズム研究からチャンドラボースやガンディー、なかでも東京裁判におけるパール判事の戦争批判、旧日本軍擁護や平和論の考察は、独創的な仕事だといえる。 また、中島の日本の保守思 . . . 本文を読む

政治と宗教の共犯関係

2022年07月24日 | エッセイ・コラム
故安倍晋三氏の「国葬」が閣議決定された。賛否分断しているようだが、この国ではいったん閣議決定されてしまうと、99.%実行されることになる。国費が充当されるのだから、国会で審議されるべき案件であるが、そういう手続きなしに「国葬」が行われるという前例を作った(それが狙い? 追記:当の安倍元首相が前例を作っていましたわ)。案件がどんなものであれ、政府閣議で全員一致となれば、それが定例、持ち回り、臨時の場 . . . 本文を読む

夏目漱石が『門』に遺した元勲の死とは

2022年07月16日 | 国際・政治
購読している新聞の『大波小波』という文化コラム欄に、「漱石の『門』と狙撃事件」と題して、故安倍晋三氏を追悼した小文が掲載されていた。追悼といっても、初代総理大臣の伊藤博文など凶弾で斃れた政治家と比較して、今回の狙撃事件は単に犯人の個人的な怨恨によるもので、「容疑者の思想的背景や社会的思いつめは皆無なのであろう」と見立てているが・・。 つづいて寸又峡ライフル事件の金嬉老を引き合いにし、厖大な法廷陳 . . . 本文を読む

狙撃した山上某と「統一教会」の相関?

2022年07月13日 | うんちく・小ネタ
前回記事の続き。竹下節子氏からジャーナリストの田中龍作氏のブログ記事の存在を示唆された。あらかた統一教会と安倍元首相及び祖父岸信介との深いつながりに特化した内容だ。とりわけ、当教会が自ら限定したマスコミ向けに記者会見を主催したが、その報道は教団の説明を鵜呑みにしたお座なりの内容と姿勢だった。これに対して、統一教会と係争中(?)の弁護士たちが、それは茶番だと抗議し、法的アジェンダを公開で訴えた。 . . . 本文を読む

安倍元首相が斃れたことの意味

2022年07月11日 | 国際・政治
元総理大臣安倍晋三氏が、素性の知れぬ男の凶行によって斃れた。手製の銃からの2発目の凶弾、その6個のうちの1,2個が喉元に命中し、さらに心臓部付近に達したらしい。 選挙応援の演説中のことで、政治テロとの疑いが濃厚であったが、どうやら個人的かつ家庭内の事情がからんだ犯行とのこと。さらに男は韓国のキリスト教系・新興宗教団体「統一教会」そのものに深い怨恨があり、その支援を受けていたらしい安部元首相にも同 . . . 本文を読む

冷える日本のポピュリズム

2022年07月07日 | 国際・政治
民間テレビのニュースショー&バラエティーを見なくなって久しい。ある評論家の指摘によれば、参院選を目前にして選挙ネタは、どの番組でも軽くスルーされているそうだ。関心度が低いので、視聴率を稼げないということか・・。 大勢は決まっていて、投票行動はある程度の確度をもって予測されている。今回の参院選が終われば、向こう3年間は国政選挙はない。岸田政権は何だかんだ言われても、余程のことがない限り墜落はなく、 . . . 本文を読む