時里二郎が去年上梓した『名井島』は、高見順賞と読売文学賞詩歌俳句賞をこのほど同時受賞。そのせいか、「時里(ときさと)」というあまり聞いたことのない名前は、俄かに脚光を浴びているだろうし、その詩集の高評価の書評も、二・三ほど目にとまった。
とまれ、小生はひねくれもの、時里二郎の詩集そのものを未読ゆえ、最新作『名井島』ではなく、前作あるいは前々作から読んでみようと企んでいた。
但し、前作の『石目』 . . . 本文を読む
先日、児童虐待死の記事を書き、今後の動きを注視せねばなるまいと思っていた。にもかかわらず恥かしいことだが、今国会において「親による体罰禁止」が、児童福祉法と児童虐待防止法の改正に盛り込まれ、重要法案に指定されていたことを今朝の新聞のコラム記事で確認した次第である。近頃、世の中の動きというものが、澄明さをもって見えてこない。愚生は社会から疎まれている、などと、へんな猜疑心がもたげてい . . . 本文を読む
日を跨いで、新規投稿だから昨夜のことだが、酒を呑んでの帰り途。いい気持ちで夜空を見上げたら満月だった。
ふだん見る月とは違い、視力の劣った老人でも感慨を新たにする、やや大きく輝やく、月の眩しさとその輪郭。
それにしても、どういう因果というか、かくも鮮やかに立派に見えるのか・・。
家に帰ってそのことを報告すると、昨夜(現時点からは二日前)のニュースでは、それは「スーパームーン」と言い、今日は一 . . . 本文を読む
偶然に、畏敬する安富先生の公開講義を観ることができた。
孔子と老子の「道」についての話で、ウィトゲンシュタインの語りえるもの・語りえないものとの境界について、二千四百年前の孔子と老子も考えていた。ただ、その境界の微妙な差異が二人の思想のおおきな隔たりなのだが、老子は語りえないものを語ろうとしているから面白いと、安冨先生は述べている。もちろん彼女(?)流の解釈ではあるが、そこに主張したいことの根本 . . . 本文を読む
昨日のバレンタインの日、明け方近くまで本を読んでいた。昼前頃に階下に降り、リビングのテーブルにチョコの箱らしきものが置いてあった。お礼を言ったのだが、遅く起きたのでやや不機嫌だ。一度起きてまた寝てしまったからと、言い訳をする始末。こんな日があっても、どうなるものでもない。なんくるないさー、って言ってみたい。
午後は先日の検査報告を聞きに病院に行ったり、リハビリもうけたが時間をくった。その後で、最 . . . 本文を読む
親が自分の子供を虐待した挙句に死に至らしめる。なんと陰惨な事件なのか。昨年、東京目黒で5歳の女児が父親(血縁関係はない)の度重なる虐待、その後の放置で衰弱死した。今年になってから、現在もマスメディアを賑わしている事件が起きた。千葉県野田市で、父親の虐待により小学生の女児が死亡した事件がそれだ。(現在は、傷害の容疑者として逮捕・拘留)。その後、母親も逮捕されたが、全容の解明はかなり先になるだろう。
. . . 本文を読む
二十四節気のひとつ、「啓蟄」はだいたい雛祭りが終わったころにやって来る。陰暦の暦ゆえ、今年は何日か調べたところ、3月6日とのことだ。
ご承知だろうが、冬の間、土の下に籠っている虫等が這い出ることを「啓蟄(けいちつ)」という。家に閉じこもる「蟄居」の「蟄」と、「穴を開く」の意の「啓」の字をあてて、「啓蟄」とは意味深い漢字といえよう。春の陽気がいよいよ本格化して、冬籠りしていた獣たちも動きはじめると . . . 本文を読む
桜と梅、薔薇と百合、菊や菫、そして胡蝶蘭など、色、美しさで知られる鉄板の花がある。男といえどもそれらの花を見れば、イメージと名前を一致させられるだろう。かつての私はそれにプラスして、向日葵と蒲公英(たんぽぽ)を知っている程度であった。恥かしい限りだ。
それがブログなぞ書くようになって、花の美しさ、その力や奥深さに気づき、自分の知らない花に関心をもったから不思議。ブログの記事の内容にそったビジュア . . . 本文を読む
春がすぐそこに来ている。そんな気持ちにさせるのは花の力だ。花の命だ。
この時季になると、毎年池袋サンシャインの展示場で、花の生産者たちと関係者の展覧会が催される。3,4年ぶりに妻のお供で行ってきた。この時期にこれだけ見事に咲いた花々を見ることができるのは僥倖である。
出遅れたせいで頒布の整理券を貰えず、展覧会に供出された花を求めることはできなかった。多彩かつ上質の花々が手頃な価格で買えるとあっ . . . 本文を読む
リハビリから帰る途中、石材店があったところに見慣れない看板が掲げてあった。『木菟』なる漢字が彫られた趣向ある一枚板で、どうやら古本屋さんらしい。営業は木曜日から日曜日とあり、その日は休みであったが、ちょっと覗くと奥行きがあり本がずらりと並んでいた。このわくわく感は本好きでないと分からない。
というわけで昨日、行ってきたのだが、期待以上の品揃えであった。学術書・専門書はないものの、人文社会、歴 . . . 本文を読む