小寄道

日々生あるもの、魂が孕むものにまなざしをそそぐ。凡愚なれど、ここに一服の憩をとどけんかなと想う。

「真理」を、誰が必要としているか

2018年12月27日 | エッセイ・コラム
  100分で名著「スピノザ・エチカ」も第4回、「真理」が最終のテーマだ。哲学としては、もっとも困難な主題である。 しかし、思っていたよりも分かりやすく、『エチカ』で扱われていることのエッセンスを、これまで端的に紹介してきたと言ってよい。哲学的な概念説明を、現代人の考え方にも違和感なく還元できるような番組づくり、それはベタとはいえNHK流の好ましい方法論だといえようか。 たぶん、伊 . . . 本文を読む

懐かしき写真にかこまれて

2018年12月25日 | 音楽
▲510円という破格の入場料、コーヒー・紅茶が飲み放題。銀ブラにはもってこいっす!  ▲ソファの後ろにある大きな写真、ニール・ヤングと愛犬。個別の撮影は不可だが、全体を撮るのはOKという。 半世紀前もの、懐かしき音楽。それはロックミュージック、古くてもつねに新しい。14,5歳の私たちは、誰彼となくそれらの楽曲に戦慄し、戸惑い、魂を揺さぶられた。こんなの音楽ではない、騒音だと怒 . . . 本文を読む

年末恒例の写真展から

2018年12月23日 | 日記
  わが家の年末恒例となった「報道写真展」に行った。その前に、銀座三愛ビルのリコー・イメージングで行われている「ロック写真展」を観たので、一日に二つも写真展へ行ったことになる。私的には「ロック写真展」の方が印象が強く、日を改めて書くことにする。 「報道写真展」は日本橋三越で毎年開催され、無料ということで来訪する人々も多い。今年は、スーツ姿のビジネスマンがやけに多いなと思ったら、彼らは . . . 本文を読む

「自由」に生きるとは何か

2018年12月21日 | エッセイ・コラム
 「自由」に生きるとは何か、なんてこと考えたこともなかった。 人間が生まれること、それは「自由」に生きることなんだ、と直感的に思える人はすごい。親に食べさせてもらい、ただ甘えることしかできない子供にとって、「自由」という概念は分からない、今となってみれば・・。七、八歳のころの記憶だが、人間は不自由であり、思い通りにはならないことを、子供ながらに痛感したことがある。  両親が離婚して、 . . . 本文を読む

黄落の果てに

2018年12月18日 | 日記
枝映えて 寂寥の空 いてふ立つ (※1)   散歩にいけば必ず見に行く。可笑しな表現だが、信頼している大銀杏。要するに、大好きな樹木だ。私にとってのメルクマールであり、留めおく記憶の定点観測の地でもある。 ほんの2,3週間前まで、あざやかな黄葉で目を愉しませてくれていた。今はもう、すっかり落葉して枝ばかりになってしまった。よくよく見れば、葉脈のようにきめ細かく枝が張って . . . 本文を読む

私たちの、新たな恥辱

2018年12月15日 | 社会・経済
  沖縄の辺野古沿岸に土砂投入がはじまった。戦後からはじまった米国への従属、いや隷属がここに極まり、日本の悲劇の象徴として沖縄の人々だけでなく、私たちの心に深い傷となって残されるだろう。日本国憲法よりも日米地位協定が優位にある、その誤謬により、私たちの基本的人権は73年間いまだに、蔑ろにされているという現実を突きつけられた。侵略的な戦争を放棄すると謳いながら、米国の戦略的軍事基地を肩代 . . . 本文を読む

雑念、迷妄をととのえるべく

2018年12月13日 | 日記
  何事にも好奇心旺盛でありたい。小生のモットーでもあるが、余りにも興趣感ずるもの多く、なんともはや迷妄の途へ・・。ブログなぞ書こうと思っても、その悪癖はとどまらない。記事のネタを仕込むと、こう書くべきか、あの切り口で展開するかなどで迷い、結局のところ書けず仕舞い。 『ルーベンス展』のこと、映画『ボヘミアン・ラプソディ』とTVドラマ『ミスター・ロボット』、読了した本では『人間という仕 . . . 本文を読む

『エチカ』ふたたび

2018年12月08日 | エッセイ・コラム
  酔いしれることを求める人は、忘却という以外の希望をあきらめてしまっている。そういう人の場合、真っ先になすべきことは、幸福は望ましいものだ、ということを納得することである。不幸な人たちは、不眠症の人たちと同様に、いつもそのことを自慢している。   (B.ラッセル『幸福論』より) 前回の記事は、10点満点でいうと、1点である。そんな程度の低い恥かしき記事を載せ、削除しないのは、不本意 . . . 本文を読む

「内」と「外」との・・

2018年12月06日 | 日記
▲芸大の「音楽堂」がリニューアルされた。確か第2.4の日曜日、学生による無料演奏があるはずです。     SNSとかメディア、時にTVのコマーシャル。{外}からの、あなたの{内}への入力だ。 これらは全て、他者による言表。すなわち「現象・表象」に、にべもなく従っている・・。のように観うけられる、君たち若者。 ほんとに、「共感」してるの? 入力という「刺激」に。自分 . . . 本文を読む

ルノーと日野

2018年12月01日 | エッセイ・コラム
  ルノーとニッサンの確執にかんする記事が目立つ。真相なぞ我々には無縁だが、ルノーに関していえば、筆頭株主がなぜフランス政府なのかという理由がわかった。ドゴール将軍が大きく関わっていたのである。ご存じの方は読み飛ばしていただきたい。 ルノーは1898年に設立された自動車メーカーで、シトロエン、プジョーと並んでフランスを代表する会社。第1次世界大戦では、ルノー製のタクシーが兵士を運び、 . . . 本文を読む