一週間プラス1日の帰宅となった。予定のことなのに、何かの猶予期間が与えられた変な気分である。留守中に妻が、私の居住エリアを隅々まで綺麗にしてくれた。苦手な整理整頓をやってくれたはいいが、キッチンや身の回りのもの、下着や服の位置の大幅な変換が行われていた。この際、妻の言い分を素直に受け入れ、何がどこに収納されているのか、早く頭にインプットしておこう。
自宅に戻って感じた大きな変化は、汚い話で恐縮だ . . . 本文を読む
2回目の抗がん剤投与から、本格的な副作用が波のように襲ってきた。まず食欲がなくなる。鼻血が朝と夜に出る。意識して唾を飲み込むと感じる強い喉の痛み。それに伴う咳。下痢、脱毛、もうよそう。
これらの副作用は、何よりも免疫力の低下が起因している。その原因は、血液の中の多様な物質の変化、反応に現れる。そして、ほぼ毎日、朝に採血して解析される様々なデータを見るために、医師は入院を命じた . . . 本文を読む
看護士さんが起床時間を知らせてくれる。今日は特別に気持ちのいい朝ですよ、ラウンジに行かれたらいかがですか、と。屈託のない男性看護士の声に背中を押された。
車椅子に乗った女性と、男女が間隔をあけて体を動かしていた。誰かのスマホからラジオ体操が聴こえてくる。一緒にいかが、気持ちいいですよと声をかけてくれた。
屈伸したり、アキレス腱を伸ばしたり、手を伸ばして深呼吸をする。体は重く、動きもぎこちない。 . . . 本文を読む
その一。かつて仕事を共にした仲間からラインメールがきた。昔、彼は突然、英国本国に語学留学したことがある。終わるとバス旅で、ヨーロッパから中東へ回った。イランでのエピソードは強烈で今も忘れない。
ブログを読んだ彼は、こう書いてくれた。英国ではくしゃみ、咳すると誰彼となく、 Bress youの声をかけてくれるそうだ。いい話である。最後、入院中はあまり難しい本は読まないようにと、体を気づかってくれた . . . 本文を読む
悩みのタネだったしゃっくりが思わぬことに、僥倖である、突然なくなった。抗がん剤を点滴するときには、副作用を軽減する薬も使用する。当然、その効果が現れたのかもしれない。
深夜、お隣に寝ている患者さんに迷惑にならぬよう、少々しゃっくりをガマンをしていた。体は正直だ、小生の気遣いをはね除け、甲高いしゃっくりが鉄砲玉のように出てしまった。自分でも驚く音が静けさを裂いた。
音が引いたその時、隣から息 . . . 本文を読む
抗がん剤による化学療法は、「毒をもって毒を制す」だと思う。もちろん、独断と偏見である。それ以上は書かない。
不思議なことに抗がん剤を投与してから、入院まえからの悩みだった「めまい」が消えた。目覚めのとき、排尿のときに頭や目がぐるぐる廻る。気持ち悪くて、転倒しそうになること度々。
それが消えた。元気復活、勇気凛凛である。深夜にブログの追加記事や仏語でリコメを書いたりした。
しかし、当日の昼ころ . . . 本文を読む