前回記事の続き。竹下節子氏からジャーナリストの田中龍作氏のブログ記事の存在を示唆された。あらかた統一教会と安倍元首相及び祖父岸信介との深いつながりに特化した内容だ。とりわけ、当教会が自ら限定したマスコミ向けに記者会見を主催したが、その報道は教団の説明を鵜呑みにしたお座なりの内容と姿勢だった。これに対して、統一教会と係争中(?)の弁護士たちが、それは茶番だと抗議し、法的アジェンダを公開で訴えた。
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新元号「令和」を提案された国文学者として時の人になった中西進先生が、なんとTBSの『情熱大陸』に出演された。新進気鋭の注目すべき人材はもちろん、陽の目を見ない分野でも、世界第一線で仕事する人間にフォーカスして、長期間にわたって密着するヒューマン・ドキュメンタリー。深夜帯にもかかわらず、知る人ぞ知る長寿番組である。
(テレビを観ない、それが知識人としての前提条件らしい。TV視聴は時間の無駄ではある . . . 本文を読む
ふだん何気なく見ている蕎麦屋の看板。江戸時代からのものであろうか、変体仮名で「きそば」と書かれていることは承知している。ただ、読めてしまうとその安心感というか、分かったものとして腹におさめてしまう。普通のひとなら、そこまでだ。私もそうだった。ここまで読んで、「ははーん」と呑みこめた方にとって、これから書くことは面白くもなんともないだろう。
↓ 蕎麦屋のトレードマーク? ネットにあった写 . . . 本文を読む
フリーメイスンといえば、秘密結社あるいは陰謀を企むユダヤ人組織などと、都市伝説の手垢にまみれた話が多い。中世ヨーロッパにおける石工職人たちのギルドを嚆矢とした秘密結社。と、世界史の教科書ではほんの一端が紹介されている。歴史書や小説、オカルトに近い類の読み物では、戦争やら革命のときに暗躍する秘密結社として、あるいは国家を揺るがす策略家・ユダヤ人がフリーメイスンの背後 . . . 本文を読む
最初に「熊谷守一と、漱石の草枕②」は、挫折したことをお断りしておかねばならない。深謝あるのみ。
熊谷守一が漱石の芸術論に多大なる影響をうけたことはわかるが、「草枕」という作品からの確かな影響、何らかの相関関係は認められなかった。あるとすれば、それは研究者の仕事であり、素人がちょっかいを出す筋合いではなかった。他人の褌で相撲をとろうとするから、こういう結末をうむのだと只 . . . 本文を読む
竹下節子さんのブログはこの一年ほど毎日更新されていて楽しみにしている。本業ともいうべき宗教論(カトリック)やバロック音楽はもとより、フランスの政治、芸術・生活のあれこれ、もちろん日本、日仏関係について、在仏ならではの独自の視点から、情報のキャッチアップも斬新かつ質の高い文章を書いている。その簡潔にして適確な纏めかたは、まさにブログの手本であり、著作の断片のように拝読 . . . 本文を読む
上の絵はユトレヒト(オランダ)の画家、ヤン・ファン・スコーレル(1495~1562)の油彩画「学生の肖像」(1531)である。先日行ったブリューゲル「バベルの塔」展において、ボスとブリューゲルの中間期にあたる画家たちの作品の一つとして展示されていた。
今回はこの「学生の肖像」から喚起された「教育」の根本のようなものについて書いてみたい。
12歳 . . . 本文を読む
この国では毎年3万人以上の自殺者がいて、その中の第1位が若い人たちだった。そんな悲しいニュースが先日あったが、それを受けての続報なり、政府の見解・対策の話は届いてこない。マスメディアはいったん事実を伝えれば無しの礫を決め込んだのか、括目すべきフォローアップ記事もなし。
クールジャパンだ、やれオリンピックだと浮かれている場合ではなく、わが日本の若 . . . 本文を読む
奈良県の元少年刑務所がホテルに生まれ変わるというニュースがあった。前身は、明治時代に建設された五大監獄のひとつで、山下啓次郎設計による名建築だとされている。この方の孫がジャズピアニスト山下洋輔。この話は長くなるので別の機会にする。
後年、山下洋輔の著書を読んで、祖父である山下啓次郎のことを知った。ただ、それだけでは記憶に残らない。字は違うのだが、山下ケイジローという名前は、我が餓 . . . 本文を読む
前回の記事より続き
赤胴鈴之助という漫画のヒーローは、原作者の福山英一が「剣・禅・書の達人である山岡鉄舟」をモデルとして考えたのではないか。という所まで書いたが、実際の鉄舟がいかなる人物であるかはここで詳しくはふれない。
しかし、筆者がおもう基本情報は記しておく。
勝海舟の命をうけて、山岡鉄舟は西郷隆盛に会う。将軍慶喜の処遇について、山岡は幕府側として首肯できない官軍側(西郷隆盛)の要 . . . 本文を読む
ちょっとした仕事の、その延長で、子供時代に好きだった漫画「赤胴鈴之助」のことを思いだした。貸本漫画、「少年画報」という月刊雑誌、ラジオドラマ、映画のシリーズなど、当時の私たちを熱狂させた漫画のヒーロー、少年剣士のことである。小難しいことを書きたがる性質なので、たまには少年の心になって書いてみよう・・。
▲原作者は復刻版をふくめ、ほとんどが「武内つなよし」 . . . 本文を読む
昨日の新聞に、人工知能のコンピュータが世界のプロ棋士を悉く打ち負かした「アルファ碁」の話題があった。何故そんなに強くなったのか。人工知能(AI)が加速度的に進化したことの背景には、低コストによるメモリの大容量化、CPU(演算処理能力)の高速度化の実現がある。つまりはビッグデータの処理能力が飛躍的に高まったからであろう。と私は単純に思っていたのだが、どうやらそんな生や . . . 本文を読む
シンギュラリティ(Singularity)
「特異点」という英語で、物理学で使用されている専門用語だったらしいが、あらゆる分野でシンギュラリティが注目されている。
生命、宇宙、物理などの先端科学が結合する。さらに、人工知能の進化が相まって一気に進化して「特異点」を迎えるという。それが「2045年問題」というシンギュラリティ。人類はいかに対処し、それを乗り越えてゆくか。経済学でも . . . 本文を読む
本の上部に糊付けされた布製の紐を「スピン」というのだが、本読みにとって欠くことのできないアイテム。使い勝手がよく、栞(しおり)のように紛失の心配がない。ひと昔なら単行本には必ず付いていたし、新書や文庫本にもあった(出版社は少なかったが)。
それが今はめっきり少なくなった。新書では絶滅し、文庫本は新潮社とウェッジ文庫だけになった。単行本にしてもちょっと値が張る上製本にはあるが、出版 . . . 本文を読む
孔子の言葉に「君子は小知できず、大受ができる。小人は大受できず、小知ができる。」というものがある。
安富歩の「ドラッカーと論語」によれば、「小知というのは、関連性と目的のないデータの収集のことであろう。それに対して大受というのは、データの中から関連性と目的とを見出して、その意味を受け取ることであろう。それは自らの認識の刷新を含んでいる」ということだ。この引用は、孔 . . . 本文を読む