初夏の暑さを肌で感じる4月の終り。わが街で開かれている一箱古本市を楽しみながら散歩した。
今年で12年目を迎え、なかなかの盛況ぶりで嬉しくもあるが、かつてのように2日間にわたる開催ではなかった。出店する人数も以前に較べて少なくなった気がする。出版不況、本を読まなくなった若者たち、そんなしょぼい話も聞こえてくるが、一箱古本市のような市民参加型ブックフェスは地方でも盛んに行われるよう . . . 本文を読む
前回の記事より続き
赤胴鈴之助という漫画のヒーローは、原作者の福山英一が「剣・禅・書の達人である山岡鉄舟」をモデルとして考えたのではないか。という所まで書いたが、実際の鉄舟がいかなる人物であるかはここで詳しくはふれない。
しかし、筆者がおもう基本情報は記しておく。
勝海舟の命をうけて、山岡鉄舟は西郷隆盛に会う。将軍慶喜の処遇について、山岡は幕府側として首肯できない官軍側(西郷隆盛)の要 . . . 本文を読む
ちょっとした仕事の、その延長で、子供時代に好きだった漫画「赤胴鈴之助」のことを思いだした。貸本漫画、「少年画報」という月刊雑誌、ラジオドラマ、映画のシリーズなど、当時の私たちを熱狂させた漫画のヒーロー、少年剣士のことである。小難しいことを書きたがる性質なので、たまには少年の心になって書いてみよう・・。
▲原作者は復刻版をふくめ、ほとんどが「武内つなよし」 . . . 本文を読む
朝日新聞で「パノプティコンの住人」という連載が始まったそうである。共謀罪や特定秘密保護法に象徴される、安倍政権による権力の集中化とその縛りの強化を批判する企画記事だという。それをまったくの的はずれで事実誤認の記事だと、東大話法の凄い使い手である池田信夫が酷評している(全文を読んでいないが推して知るべし⇒朝日新聞の笑える「パノプティコン」)。
彼は朝日新聞 . . . 本文を読む
アイデンティティとか文化といった高度に複雑な問題が、まるで漫画の世界に存在するかのように扱われ、容赦なく殴り合いを続けるポパイとプルートーのように、一方がつねに相手方よりも徳が高く優位にある、というようなかたちで描かれている。 E.W.サイード「戦争とプロパガンダ」より
▲自室のノートPCでブログを書く。ほぼ満開となったソメイヨシノ。残念ながら天気悪し。
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昨日は、仏陀の誕生日、花まつり。わが街の桜もほぼ満開となり、あいにくの曇り空でありながら、多くの人々で賑わっていた。
▲谷中霊園。2,3年前から酒盛りは禁止となったが至極当然のこと。
▲一本だけ真っ白の桜が妙に目立った。
▲谷中天王寺のいちばん大きな桜
▲境内の大仏と白い花桃
▲花まつりということで、会堂の別室に花御堂があり、 . . . 本文を読む
一つの品種の花に特別のものを感じる、或いは一生を通じて深い結びつきをもつ、そんな国民はいないのではないか。いうまでもなく、日本人と桜のことである。
桜の樹の下に集い、語り合い飲食を共にするという風習。たぶん生まれた時から花見をしてきたであろうし、毎年のわずかな間の開花を愉しみ、その美しさを愛でてきた私たち。「絆」という言葉はふさわしいか、いささか心許ない。が、しか . . . 本文を読む
先日、たばこと塩の博物館に行ってきたが、印象に残ったことが二つ、三つあった。忘れないうちに書いておくことにする。
まず、去年96歳で天寿を全うされた故林家永吉氏の寄贈品を偶然にも拝観できた。スペイン大使を務め、メキシコ文化の碩学でもあられた氏は、マヤの神話「ポポル・ヴフ」(※)を訳された。マヤの逸品に暫し見入り、故林家先生を偲ぶことができた。何かが導いてくれたと思いたい。
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