小寄道

日々生あるもの、魂が孕むものにまなざしをそそぐ。凡愚なれど、ここに一服の憩をとどけんかなと想う。

庭園美術館の英国キューガーデン展&庭散策

2021年11月27日 | エッセイ・コラム
先日、白金の自然教育園ではハイキング仲間と散策し、まずまずの紅葉狩りを楽しんだ。園内の敷地内というか隣りには、アールデコ様式の建築で知られる庭園美術館がある。日本の洋風建築は、どこかしら和風をとりいれるのが常。しかし、庭園美術館はかつて旧朝香宮の邸宅であり、フランス人アンリ・ラパンがてがけた純粋な西洋建築で名高い。室内装飾はとりわけルネ・ラリックのシャンデリア、ブランショのガラスレリーフなどが設え . . . 本文を読む

白金の自然教育園を歩く

2021年11月22日 | 日記
目黒の白金にある自然教育園にハイキング仲間たちと行ってきた。総勢15人ほどの大人数になったので、各人は自由散策となった。この讃岐高松藩の下屋敷があった自然教育園には何度か訪れたことがあり、鬱蒼とした森を感じさせる点では、都内の一、二位を争うはず。 リーフレットを読むと国立科学博物館付属となっていて、さすが国の管理、補助金のおかげなのか、植物好きにはたまらない貴重で珍しい品種が多い。そして、かつて . . . 本文を読む

遠くて近き、狭山の空

2021年11月17日 | エッセイ・コラム
今回も山猫軒さんたちの山歩きグループの会に便乗し、所沢市の狭山湖あたりの自然のもとに足を向ける。と、その前に、前回の低山ハイキングのことをちょっと触れておく・・。 実は、先月にも神奈川県の丹沢山系に連なる弘法山ほかのハイキングに参加した。その日は天気は下り気味との予報はあったが、最寄りの駅に着くや雲行きがあやしくなった。遂に、登山口のあたりで雨が降ってきた。全員、レインスーツ等に着替える。 低 . . . 本文を読む

宇沢弘文がフリードマンを語ったこと

2021年11月13日 | エッセイ・コラム
「アメリカ人は「因果推論」がお好き?」という拙ブログの記事の末尾に、「宇沢弘文は生涯にわたってミルトン・フリードマンの名を口にしたことがなかった」という一文を寄せた。その理由として、晩年近くに「ビデオニュース」というネット配信番組に宇沢弘文がゲストとして登場した時、彼の口調は何かをグッと堪えながら重々しい口調で話していた。その仙人のような顔がやや苦痛に見えたことが、鮮明に残っている。 シカゴ大学 . . . 本文を読む

極私的アメリカの点描その②

2021年11月09日 | エッセイ・コラム
前記事の続き。 『ヒルビリーエレジー』の著者J.D.(ジェームズ・デイヴィッド)ヴァンスは、1984年生まれ現在37歳。両親がはやく離婚し、祖父母に養育される。実母の麻薬依存症に悩み、白人の低所得層に多いスコッツ・アイリッシュのなかでも、極めて特異な家庭環境に育つ。 「鳶が鷹をうむ」という諺があるが、「都会の残飯を啄む鴉が、刻苦勉励により大鷹になる」ぐらいの立身出世の人物。州立大学から名門イエ . . . 本文を読む

極私的アメリカの点描 その①

2021年11月05日 | エッセイ・コラム
この歳になっても分からないことは多い。本を読んでも、専門家の話をきいても得心がえられない。いや、分かったところでどうなるものでもない。その一つとして、現代におけるアメリカの白人が、なぜ銃を所有することにこだわるのか、というものがある。 それが彼らのレジェンドであり、アイデンティティの一部であるという説明は、分かるようで判然としない。問題が深刻なのに、ソリューションは簡単なはずなのに(法規制すれば . . . 本文を読む