前回の記事でトマス・マシーセンのシノプティコン(synopticon)の概要にふれた。「多数者が少数者を見物する」という古代の「見世物」という概念(※)が、テレビなどの映像メディアを観て、パーソナルに楽しむという文化に成熟した。
それが今や、ITや人工知能などのハイテク化と、光ケーブル通信に匹敵する情報量=5Gであるワイヤレス・メディアの全盛を迎えようとしている。
スマホというメディアは、もは . . . 本文を読む
パノプティコンについては以前このブログでふれた。自分から言うのは気恥ずかしいが、意外にも息の長い人気記事となっている。
何故なのか不思議に思っていたところ、或る高校生がコメントをくれて、教科書に「パノプティコン」が出ているからだと知らされた。→「実在するパノプティコンと監視社会」
その後、自分であれこれ調べてみた。多くの高校で「見守り君」という監視カメラが設置されるようになったらしく . . . 本文を読む
いつでも行けるところに行かないのは変わってほしくないからだいつでも見られる空を見ないのは雲に流れてほしいからだ
水玉模様のワンピースを着た少女が歩いている真っ直ぐに歩かないのはじぐざくに歩くのが面白いからだあんまり暑いから面白くないだからゆらゆら歩きたいのかなあ
炎天のしたのなじみふかいところに坐る懐かしさは優しさ 厳しくもあるここだけは風が通る葉っぱの匂いがする数えきれな . . . 本文を読む
先日、映画『プラド美術館』を観にいった。有楽町のヒューマン・トラスト・シネマ。夕方に1回限りの吹替え版(今井翼がナレーション)を選ぶ。
2,3か月前に予告編を偶然ネットで観た。映画のナビゲーターが、以前にブログで書いた「リスボンを離れて」の英俳優ジェレミー・アイアンズ。反射的にジョン・ファウルズとD.クローネンバーグを想起させる。自然体の演技で惹きつける渋い俳優だ。
今回は大いに迷った末に、ア . . . 本文を読む
東京新聞の4回に亘って連載された『死の鉄道 英捕虜100歳の遺言』が、今日8月15日に終わった。
第2次世界大戦中の1943年、タイとミャンマーにまたがる泰緬鉄道は、旧日本軍が4年かかると言われた難工事を1年あまりで完成させた鉄道だ。捕虜となったイギリス軍兵士や現地の人々を、酷使させたからこそ実現できた。過酷な工事で、多くの人々が犠牲になった(戦後補償の話しはきいたことがない)。そのことを題材に . . . 本文を読む
前回、スウェーデンにおける「失敗を認める文化」という記事を書いた。その後YouTubeを観たら、「あなたにおすすめ」の動画リストに、吉澤智也さんという方のチャンネルがあった。ストックホルム在住の方でエンジニア、地元の自動車企業に勤務なさっている。日本から転職して、家族4人で移住。奥様も日本人であるから、日本の一流企業を辞めて、スウェーデン企業に移ったということで、レアケースといえるのか(奥様は地元 . . . 本文を読む
ヨーロッパでは、新型コロナウィルスの猛威はイタリアからスペインへ、そして各国へと瞬く間にひろがった。そのとき、スウェーデン一国だけが、「集団免疫」を目標として独自の戦略モデルを採択した、と伝えられた。国際メディアは驚きをもって報道したが、それは無謀な試みだと批判する声も多かったと記憶している。イギリスも当初、同じく集団免疫作戦をとったが、数日を経て変更し、他国と同様のロックダウン戦略に変更した。時 . . . 本文を読む
冬の時期、風邪が流行る時期になると、外出して帰宅したときはうがいをする。いつもとは限らないが、ずぼらな私でさえ心がけている。喉がいがらっぽい時は、磯仁(わけあって変名)を使う。子どもの頃からの習慣で、いかにも薬っぽい匂いと味は記憶に定着している。
さて、その磯仁が大阪知事の発言によって脚光をあびた。新型コロナ対策としてきわめて有効であると記者会見を行ったそうな。で、瞬く間に商品が店頭からなくなり . . . 本文を読む
昨日(8/3)rakitarou氏が「コロナファシズムの行方」の第2回目の記事をアップされていた。前回の記事が6月23日に公開されたので、関連記事は約40日ぶりの執筆になる。
内容としては、第1回目と基本変わらず「新型コロナ感染症に対して既定路線のみを世の中に強いる政治はファッショであると言いましたが、現行その方策は継続されているように見えます」とあるように、主張する骨子は変わらないという。むし . . . 本文を読む
漸く長い梅雨が明け、本格的な暑さがやってくる。これまで晴れ間を見ることがほとんどなく、気が滅入るほどの長梅雨が終わるなら、それは嬉しい。むしろ、大暑は待ち遠しかった。暦通りの四季の移り変わりは、農耕民でなくとも日本人ならば悦ばしく感じる。うるさい? 蝉しぐれは心から待ち望んでいた。
そんななか、例のあれは連日の記録更新となり、児玉先生が警鐘した通りに、震撼する経緯を辿るような気がする。最悪になら . . . 本文を読む