小寄道

日々生あるもの、魂が孕むものにまなざしをそそぐ。凡愚なれど、ここに一服の憩をとどけんかなと想う。

人の声は音楽

2018年09月30日 | 日記
  青春時代つまり10代の、少年から大人になる時期は、精神分析学的には「モラトリアム(猶予期間)」な状態であると認知されている。少年から青年そして大人に移行するうえでの身体的変化、あるいは生殖ホルモンの新たな分泌など諸処の肉体的変化が見られる状態である。 男でいえば「声変わり」がもっとも特長的な発現であり、その少年のときの透き通るような高音は「カウンターテナー」と言われ、合唱における . . . 本文を読む

戦場体験者との出会い

2018年09月17日 | 日記
浅草公会堂で3日間連続開催「戦場体験者と出会える茶話会」に行ってきた(その内の1日だけだが)。 主催は戦場体験放映保存の会で、何年か前に日比谷公会堂で開催されて以来のことになる。そのときは体験者だけでなく、『シベリア抑留』や『遺骨』の著書がある栗原俊夫氏らのジャーナリストや評論家たちの講演が主体。壇上のひとの話をきく、そんな会であった。   今回はお茶を飲みながら、膝をつきあわ . . . 本文を読む

『神と金と革命がつくった世界史』を読む前に

2018年09月14日 | 本と雑誌
畏敬する竹下節子さんの新著を手にする。ほぼ半年前だったか、著書の題名を知った。人類にとって3つの普遍的なテーマを絡めて考察し、かつ世界史的なストリームで連環する構造、その課題に、人間はいかに取り組むべきなのか・・。止揚するもの、超越していくもの、或いは組込まれるものとは何か。 これら思想の動き・エッセンスを竹下さんならではのキリスト教・比較文化史観から概括するものだと予想していた。 その枠 . . . 本文を読む

可愛いだけじゃない、JKの底力

2018年09月12日 | エッセイ・コラム
週1回の斉藤美奈子さんの『本音のコラム』(東京新聞・朝刊)は愉しみになった。単なる辛口な現代批評でなく、見過ごせない問題の端緒、あるいは見えない根っこのところを、明快に抉りだしてくれる。時には彼女なりの鋭い感性で、私の知らない世間の動きを示し、社会の片隅にいる老人の眼を見開かさせてくれる。 まず、いわゆるフェニミズムの視点から、男社会のほころび・駄目なところをあぶり出す。ビシッと遠慮なく、男の痛 . . . 本文を読む

『赤めだか』を読む

2018年09月08日 | 本と雑誌
 その前に、ばっきゃろー、コンチキショーと心のなかで思いの丈を吐き出し、どーしてぇ日本はこんなに自然災害が多いんだ、と呪詛を書きつつ半ば諦め、お天道様によろしくお頼みしますと、ただひたすら祈り願うのみ。こうするしきゃない俺たち日本人は立つ瀬がない。 それにしても、あっちこっちで台風やら地震が悪さして、大勢のひとが迷惑を被りました。その惨状をニュースでしか知らないアタシが、あーだこーだと . . . 本文を読む

軍隊の管理はだれに任せるか

2018年09月05日 | 国際・政治
  防衛省は先日、男性自衛官に限っていた海上自衛隊の潜水艦の乗組員に女性自衛官の起用を検討すると発表した。 潜水艦の隻数も増えることから、優秀な人材を男女差なく確保したいとのことだ。必要な訓練を経て、数年後の配置を目指すとともに、女性用の部屋やトイレを確保した上で教育・訓練をする予定らしい。 2,3週間前にも、航空自衛隊では初の女性戦闘機パイロットが誕生したニュースがあった。いずれ . . . 本文を読む

ドビュッシーを語る日本人のドイツ語が美しい

2018年09月01日 | 音楽
  クラシック音楽は、まだまだ私の内奥に浸ってこない。触れる機会が圧倒的に少ないし、自分としても「勉強しよう」という枷をつくっている気がする。 最近では、トリオ・ニテティスのバロック音楽を偶に聴いている。 若いときは遠い親戚のつながりで武満徹を熱心に聴いた。高校時代に小遣いを注ぎこんだポール・ヴァレリーつながりでドビュッシー、友人のすすめでブラームス、マーラーに一時期だが、のめり込 . . . 本文を読む