標高の高いわが家でも日中の日盛りはたいへんなものである、今年は異常に暑い
じっとして居ても汗が噴出してくる
こんな調子なら、日中ならば少し寒いぐらい大丈夫だろうと表で行水しようと思いついた
幸いにも、林道から少し入ったところにある我が家であるし、杉林に囲まれて見えにくい
誰も尋ねてくるひとも居ないよなあ
えい!とばかりに素っ裸になり表の蛇口からホースを引っ張って頭から浴びた
山の中から引いた冷たい引き水だから、最初は飛び上がった、身を切るようなものだったが
そのうち慣れてきた
シャンプー、ボデイソープで汗を流してさっぱりした気分になって、これもいいよなあ
これに味をしめて、夕方4時前にもう一回あびたが、そんなに寒いとは感じなかった
猛暑の日はこれに限る、思いがけず行水に子供のころに帰った心地であった
一息ついてさっぱりした気分で、もうそろそろ暑さも和らぐ時間だろうと庭に出て
さあて面白い花でも咲いてないかなときょろきょろしていたところに単車に跨って
格好良い若者がやってきた、迷い込んできたのかなと訝しく見ていると
下りてきた若者は、大阪からきた知り合いの若い衆でK君であった、突然の来訪に
久しぶりの再会に話が弾み、薄暗くなるころに宿屋に帰って行った
暦の上では明日は立秋であるが、まだまだ暑い日が続いている
しかし、この頃になると秋の足音聞いたとふと思うことがあるよね
早朝などにふと庭に出てみると、吹く風はひんやりと気持ちが良い
草木の佇まいにも盛夏のころの勢いは和らぎ、秋の気配を感じるよなあ
行水の音軽やかに児にかへり
向日葵にデフォルメさせて旅気まま
燃ゆる日に供華となりけり夾竹桃
(原爆投下後、焦土と化した広島にいち早く咲いた夾竹桃に市民は復興の希望を感じたという)