ただただ、わずかに、洩れ来る無心のこもれびにしずかに目を閉じて佇んでいた
かすかに吹き抜ける秋風に木々の葉がささやき、ぽつりと落ちる雨粒が草木を恍惚とさせた
樹林のそこ、ここに咲き乱れるサラシマショウマにアサギマダラの蝶たちが乱舞して蜜を吸い
南の島へと長旅の準備をしている
ブナの樹林はわずかに秋色になりかけているが、暖かい日々が続いている今年は随分と遅れている
これからの気温の低下に期待して、例年道理につややかな、紅葉の姿を眺められるだろうか
キバナアキギリが、ハガクレツリフネソウが、遺伝子を次の世代につなげていくべき
けなげに、咲き誇っていた、里山の秋風景である