山歩きや自然のなかに入って風景を楽しむことは、僕にとっては普段の暮らしと同じで
特別に非日常的な事ではないわけで、(若いときは非日常的と思ったこともあるが)歳を重ねるごとに考えが変化して
普段の暮らしの線上にあること、お腹が空けばご飯をたべるような、そんな感じのことでしかない
そのような普段のことで、偶然にも感動的な風景、草木、山里のひとびとの暮らし、に感動、感銘、を感じて
ただ、そのようなことの積み重ねによって、普段の暮らしにメリハリがあり、気晴らしでしかない長い人生を生きて
楽しんでいけるだけでうれしいこと
旅という長い時間の流れのなかに、どうしようもなく、抗いようもなく、ただ流されるままに生きて、老いて
死んでゆくのがぼくの宿命なれば、暮らしのなかに感動的なことがらを時には楽しみたいだけのこと
かみしめて寒菊の咲く暮らしかな