少し暖かくなった、瀬戸風峠の歩きも気持ちがいいのである、ホトケノザ、菜の花などを見ながら
湯の町に下りた、一服しようと昔とは違い商店街に場所を構えた「うつぼ屋」で「ぼっちゃん団子」を一皿(216円)買った
足湯のところに行くと今日は満員御礼だ、仕方なく公園のベンチで、ぼっちゃん列車や池に映える白梅の花をめでながら食った
誰も知るまい、とすました顔で家に帰ったが何もなかった、当然である
漱石の小説「ぼっちゃん」の件に「おれの這入った団子屋は遊郭の入口にあって大変うまいという評判だから温泉の帰りがけに一寸食って見た。
今度は誰も知るまいと思って翌日すました顔をして学校に行って見ると、一時間目の教室へ這入ると団子二皿七銭と書いてある 実際おれは二皿食って七銭拂った」