秘境という名の山村から(東祖谷)

にちにちこれこうにち 秘境奥祖谷(東祖谷山)

奥祖谷春点描

2010年04月15日 | Weblog
透明な微かな風が揺れた、花びらが身じろいて幾つかは散り幾つかは
ゆらゆらと舞い降りた。

花びらに隠れていた薄緑の微かな葉っぱをはじめて目にする思いで
瞬いて見つめる。

われしらず想い出したその先に何があるのか、何時かは自分の足で
往ってみようと想いながら忘れて時間が過ぎ行きすっかり風景が変わって
いた。

途切れた記憶を求めて脳裏を手繰り寄せつつ、風景の出典を突き止めようと
もがいているわが身に野積みにされた血管を紐解いた。

迷路に迷い込んだ血液がしずかな脈音に導かれるかのように流れているのを
他人事であるか、記憶が途切れた今となってはどうでも良いことだ。


少しの欲でことは足りているわが身であれば、ただ、生まれて、生きて
散ってゆければ、これほど良いことはない、その先に何にも無かったところで
驚く事は無い、もともとそのようなものだから。


















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