30坪+20坪の菜園

BIG FARMの農事日誌です。

平標山ー上越の春の雪山を歩く(2日目のその2)

2010-05-03 | 登山

平標山 

頂上からは雄大なパノラマが広がる
春の雪山の魅力を存分に楽しめた一日だった




 

山行日 4月25日(日)
コース&タイム
共同通信・谷川保養所8:20=9:25平標登山口(元橋駐車場)9:40-平元新道-12:20山の家と平標山を結ぶ稜線に出る12:45-13:20平標山13:30-13:50山の家14:05-15:00平元新道-16:00平標登山口(元橋駐車場)16:10=17:20谷川保養所 
冬道ルート
平元新道から山頂をピストンする計画だったのだが、積雪期のいまは夏道とは別に冬道がある。冬道は尾根伝いに行き、山の家と平標山を結ぶ稜線に出る。


山頂だ。頂の雪は風で飛ばされていた。先行した仲間が待っていた。こんどは360度の大展望だ。この爽快な気分と風景。さあ楽しもう。しかし下山時間を考えれば山頂ですごせるのは10分間だという。こりゃ大変だ。何がたいへんかって、これだけの眺望を短時間ですますとは、なんとももったいない。あちこち移動してはたっぷりと春の雪山の展望を目に焼き付けた。山頂標識に張り付いているエビのしっぽが長かった。

あわただしかった。あっという間に10分は過ぎた。後ろ髪を引かれる思いというが、まさにその通りで、もっとゆっくりしたかったのだが、山に限らず未練が残ったほうがいいのかもしれない。





東を見ると、仙ノ倉山へ続く稜線。雪が解けるとここはお花畑になる。



西を見ると苗場山から北へ続く山並み。





下山開始だ。東へ続く稜線の先に武尊山が見える。





山の家に下る稜線は広く、緩やかだ。駆け足で下る。

 



山の家は建て替えられていた。ここから平元新道を下るのだが、道はすべて雪の下だ。どこを下ってもいいわけだが、踏み跡があるからそれを追う。

 



青空に葉を落としたダケカンバ。よく映える。



すべて雪の下だからコース取りはなかなかむずかしい。ところどころで急斜面にぶつかる。ストックに軽アイゼンという装備のメンバーはすってころりんだ。転倒してもケガをしないですんだからいいものを、やはり雪の春山では安全を期すなら10本爪のアイゼンとピッケルは必携だろう。軽装備のメンバーは身をもって感じたことだろう。私はたいがい単独行だから、常に転ばぬ先の杖と考えて、装備には慎重になる。



平元新道の入口にたどりつく。あとは駐車場まで1時間ほど歩く。



帰り道はフキノトウ摘みを楽しみにしていた。私はこのてんぷらが好きで、苦味が清酒に合う。ところが今年は雪解けが遅く、まわりを見渡しても少ない。あきらめかけていたところ、たまたま脇道に次々とフキノトウが芽を出していた。いいお土産になった。



ゴールの元橋駐車場。

心が晴れ晴れするような一日だった。心地よい日差しを浴びながら、春の雪山をたっぷりと楽しめた。雪山は危険といつも隣合わせだ。心身の緊張を持って歩きながら、春の装いを少し見せはじめた雪の山を見渡すと、緊張がいくぶん和らぎ、陶然となった。この気分がたまらない。

→次回は3日目の「白毛門」です。


 

 

                


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平標山ー上越の春の雪山を歩く(2日目のその1)

2010-05-02 | 登山

平標山 

 文句なしの快晴で、文句なしの展望が待っていた
白く輝く上信越の山々に見とれ、佐武流山をさがした



背後の山々を振り返りながらもう一息で稜線だ


 

山行日 2010年4月24日(土)~26日(月) 2泊3日
天気 晴れ
メンバー 登山仲間14人

平標山 4月25日(日)

コース&タイム
共同通信・谷川保養所8:20=9:25平標登山口(元橋駐車場)9:40-平元新道-12:20山の家と平標山を結ぶ稜線に出る12:45-13:20平標山13:30-13:50山の家14:05-15:00平元新道-16:00平標登山口(元橋駐車場)16:10=17:20谷川保養所 
冬道ルート
平元新道から山頂をピストンする計画だったのだが、積雪期のいまは夏道とは別に冬道がある。冬道は尾根伝いに行き、山の家と平標山を結ぶ稜線に出る。


平標山の頂からの展望には、なにひとつさえぎるものがない。春の雪山の雄大なパノラマが広がった。下山の関係で山頂での時間は10分間だった。目を凝らしてくまなく周囲の山々を眺めた。清々しいといったらない。濃密な10分間だった。

山行2日目のきょうは平標山を登る。
目覚めてすぐにカーテンを開けると、すばらしい青空が広がる。はっと気がついて宿を出た。宿の前から谷川連峰の「俎(まないたぐら)」が眺められる。青空に輝く白い峰。「こりゃあ、きょうは期待できるぞ」



元橋駐車場から出発。一般コースは松手山、山の家を巡るラウンドコースだが、きょうは平元新道から山頂をピストンする。



別荘地を抜けると雪道だ。天候不順で雪解けは遅れている。



平元新道から山の家を目指す。踏み跡があった。これを追う。なかなかの急な登りだ。

赤テープがあったので、なんの疑問もなくトレースをたどっていった。しかしこの赤テープも2カ所だけで、それ以後まったく赤テープが出てこない。どうも道を間違ったのではないかと、そう思いながらも、複数の踏み跡がずっと続いているので、その道を追う。灌木や笹をつかまって登るほどの急斜面が連続して出てきた。このあたりでメンバーもこの道でいいのかと不安になってきた。



そんな不安をはっきりと胸に抱くようになった時である。なんと上から2人が下りてきたのである。
「平標山へはこの道でいいのですか」
「これは冬道で、積雪期はこのコースを登る。山の家から少し登ったところの稜線に出る」
これを聞いて胸をなでおろした。タイミングよく出会えたもんだ。

それからすぐに赤テープが出てきた。尾根伝いに赤テープが頻繁に出てくるようになった。単独なら、赤テープが消えてからここまで来ているだろうか。トレースがあるとはいえ、不安になって引き返したと思う。

稜線が見えてきた。ひと頑張りだがさすが厳しい登りだ。苦しさも後ろをなんども振り返ることで和らぐ。この見事な景観を立ち止まっては見ない手はない。

やっと稜線に飛び出した。たしかに山の家から少し登った平標山への稜線に出た。絶景が待っていた。喘ぐ息を整えながらも立ちすくんだ。信州と越後の境となる山々がずらりとお出迎えだ。右から苗場、佐武流、岩菅、白砂とかつて歩いた懐かしの峰々。とっさに「佐武流はどこだ」と思った。この山はどこからも姿を見せない。だから同定はむずかしい。しかし私の前に広がる重畳たる峰峰々のなかに必ずや佐武流は存在する。佐武流はきっとこちらを見ているはずだ。そう思うことにした。思い出のある佐武流だけに、あれかな、こっちかなとピークを追う。うれしくて幸せな時間ですね。

とおく「浅間山」も見える。

仲間も次々と登ってきた。



急いで平標山を目指す。緩やかな稜線を登る。山頂近くになると風が出てきた。指が冷たい。手袋を重ね、上着をはおった。いよいよだ。



→「平標山」のその2へ続く。


 

                



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子持山ー上越の春山を歩く(1日目)

2010-05-01 | 登山

子持山 

 赤城、榛名、武尊の展望台となる一等三角点の山
岩場の連続だから気が抜けない



「名物」は獅子岩。その通りの風貌をして、周囲ににらむをきかしている


山行日 2010年4月24日(土)~26日(月) 2泊3日
天気 晴れ
メンバー 登山仲間14人
コース&タイム(子持山 4月24日)
我孫子駅6:40=7:12上野7:23=8:06高崎8:17=9:42渋川駅=10:20七号橋駐車10:30-11:45獅子岩(昼食)12:20-13:05柳木ケ峰-13:35子持山13:50-14:10柳木ケ峰-14:40大タルミ-15:30七号橋駐車場=15:50空恵寺16:10=17:10共同通信・谷川保養所  


←予告編から続く 

高崎駅を過ぎると、すぐに左手に榛名山が、右に赤城山が見えてくる。赤城山の稜線は長く、車窓からはいつまでも見えている。次は子持山が左手に現れてくるのだが、赤城ばかりに目が行っていると子持を見逃してしまう。高崎を過ぎると右に左にと山が続き、目があきることを知らない。

JRで渋川駅まで行き、そこでピックアップしてもらい3台の車で子持山へ向かう。これから3日間、谷川温泉にある保養所に泊まって山を歩く。まずはじめに子持山だ。天気予報では3日間とも晴れるというから心が弾んでいる。



子持神社から林道に入る。細い道がくねくねと続く。そろそろ登山口かと思うのだが、まだまだ先に道が延びている。やっと登山口となる7号橋の駐車場に着いた。すでに車が3、4台ある。意外に少ない。ここから歩きはじめる。ガイドブックによると歩行時間は3時間20分だ。初日の足慣らしにはちょうどいい。

この日のコースはこの駐車場からぐるっと回る。獅子岩から柳木ケ峰を経て子持山へ、帰りは柳木ケ峰から大タルミを経てここへ戻る。



杉の林の中を行く。しばらくは歩くのに集中する。尾根に出てやっと杉林から開放される。獅子岩に登るには分岐を左にとる。しだいに岩場になり、獅子岩に近づくほど急坂だ。足場が悪い。道は細く、左側は切れ落ちているから、緊張して慎重に登ることになる。年をとってバランスが悪くなった。バランス感覚が悪いのはいまに始まったことではないのだが、岩場では足を一歩前にすすめるにもバランスがいる。どうしても腰が引けてしまう。



にょきっと天に突き上げる獅子岩。ハシゴと鎖を使って登る。



天気予報の通り、天気が急速に回復してきた。午前中はまだ少し雲が残ったものの、しだいに眺望がきくようになった。獅子岩から子持山(左)を眺める。子持山へは右の尾根を登り柳木ケ峰を経て行く。青空が広がってきた。



さきほどからなんども武尊山の頂上を眺めている。どうしても雲に邪魔されてはっきりと見えないのが残念だ。



獅子岩で昼食をとり、子持山を目指す。分岐にいったん下るのだが、獅子岩からのこの下りもいやな道だ。転落しないように注意しながら下る。下ったら柳木ケ峰への尾根を登る。振り返ると獅子岩(左)がよく見える。なるほど「獅子」だ。遠くどこを見ているのだろう。



尾根を登って2つ目のピークが柳木ケ峰になる。1つ目のピークにサンシュユが咲いていた。この花を見ると必ずといっていいほど<♪庭のサンシュの木…>とくちずさむ。宮崎・椎葉村の稗搗(ひえつき)節の有名な冒頭のフレーズだ。今回もつい口に出た。「サンシュはこのサンシュユのことなの? 私はサンショウだと思っていた」。同行のメンバーから指摘された。この山行記を書いているいま調べたら、指摘の通り正しくは「山椒(サンショウ)」のことだという。わたしはサンシュユだとこれまでずっとそう思っていた。日向地方の方言で山椒(サンショウ)のことを、「サンショ」とか「サンシュ」と言うそうだ。これで一つ頭がよくなった。恥はかくべきもの?



ここが柳木ケ峰。帰りはここから大タルミを目指すことになる。

柳木ケ峰から山頂までは岩場の急登だ。右が切れているから気が抜けない。ロープが付いている一枚岩をすぎると子持山の山頂である。一等三角点にタッチする。山頂には「十二山神」の石碑と「子持山山頂」の看板が置いてあった。その山頂標識を手に持って記念写真。見ての通り参加メンバーの平均年齢は60歳をはるかに超えている。ジジババ仲間なのだが、皆さん驚くほど元気だ。



山頂をあとにして、柳木ケ峰まで戻り、「浅間」へ右のコースをとる。はじめは急な下りで、左手が切れている。左に獅子岩が見える。「大タルミ」で「浅間」への道と別れて、直角に左に曲がる。



だらだらと道が続き8号橋を渡るとまもなく登山口を左に見る。その隣にある子持神社奥の院へお参りし、7号橋駐車場に戻った。
ゆっくり歩いて、ちょうど5時間の行程だった。無理のないペースだったから、足への負担がない。あすが本番だから 初日にこれくらい歩いておいたほうがいい。

 


これから宿泊する谷川温泉に向かうのだが、せっかくだからとリーダーが近くのお寺に案内してくれた。「空恵寺」という。この寺は白井城の城主・長尾家の菩提寺である。

境内にある枝垂れ桜とソメイヨシノがちょうど満開だった。桜をまた拝めるなんて、実に素晴らしい。



これは山門。



山門にたたずみ眺める満開のソメイヨシノ。逆光のため、まばゆいほどに華やかで晴れやかな桜だ。



本堂の先の高みには長尾家のお墓が並ぶ。



→2日目は「平標山」です。


                 


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