その川で生き物を探したのには理由あった。
水田の間の用水路に沿った道を行くと、交差点に一台の車が停まっていた。
側に玉網を持った男性がいて、用水路で何か獲ろうとしていた。
「何か獲れるんですか?」と聞くと、笑顔で「メダカ、メダカ!」と教えてくれた。
「へえー、こんなところにメダカがいるのか」と思ったが、じゃまするのは悪いので、
用水路をのぞきながら進み、小魚の群れをみつけたのである。
日を改めてその用水路にメダカを見にいった。
用水路の水は増え、明らかに流れているのが分かる。

小魚の群れのいた橋に行ってみたが、ザリガニが一匹いるだけだった。
水面を見ながら、水路に沿って進む。相変わらずアメンボは多くいる。
ある小さな橋のところで、アメンボとは違う動きをする集団がいた。
近づいてみると、どうやらメダカのようだった。
以前、男性がいたところより手前の橋だった。
私が近づくと、10匹ほど群れが、慌てて橋の下へ隠れた。
なかなか出てこないので、橋の反対側へ行ったら、こちら側に来ていた。

じっとして見ていると、集団では出てこないが、個々には上がってくる。
小さくてなかなかピントがあわないが、なんとか写真が撮れた。
子供の頃みたメダカとは感じがちがうが、目が上の方にあるのでメダカのようである。
すぐ側の水田でコンバインが稲刈りをしていたが、メダカは驚く様子はなかった。
その音を聞きながら、じっとメダカの泳ぎに見入ってしまった。