その石碑を右に見て通り過ぎようとしたが、あれと思って足を止めた。
こちら側からは石碑の裏しか見えないが、その傍に木が生えている。
木はアカメガシワのようで、ちょうど花が咲いていた。
いつも通る度に見ている石碑だが、今まで特にこの木に気付かなかった。
その少し前に、富士見橋近くでアカメガシワを見ていたせいかも知れない。
アカメガシワは、石碑と基壇のすき間に根を下ろしていた。
横向きに枝があるが、これは上を覆っている大木の枝が落ちて挟まったようだ。
石碑の正面に廻ると、上部に「故周防守 松平寛隆 公舊塋碑」と浮彫されている。
碑文の最後の方に、「参議木戸孝充題額」とあるので、この題字は「木戸孝充」が書いたものだと分かる。
漢文で書かれているので読まれていないと思うが、川越の最後の藩主「松平周防守」に関する石碑である。
このままアカメガシワが成長すると、石碑に影響するかもしれない。
貴重な石碑だと思うので、アカメガシワには可哀そうだが、早めに処置したほうが良さそうだ。
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