橋の上には、若い女性たちの姿があった。

その先の氷川橋の上にも、多くの人がいて写真を撮っている。

橋の上流には、両岸に桜が並ぶ。
左手の岸にも人が多く、土手下で写真を撮る人もいた。
ここに下りるのは禁じられているはずなのだが。

その先でも、やはり土手下で写真を撮る人がいた。
一人がルールを破ると、すぐ真似をする人が出る。

その先で川はゆっくり右にカーブし、片側は菜の花になる。
ここにも自撮りをする人がいて、それをまた別の人が撮っている。
その人達が階段の上の鎖をまたいで出てくるまで、じっと待っていた。
そこへ上流から小舟がやって来た。
その両岸にも、写真を撮る人の姿があった。

小舟は少し下流で向きを変えた。
前は氷川橋を潜ってからUターンすることもあったので、かなり手前である。

また両岸の桜が始まる辺りで、土手の下に人がいた。
小さなノートを広げているので、スケッチでもしているのかと思った。
ところが、指を折ながら数えている。
どうやら、俳句でもひねっているらしい。
その時、別の小舟が上流からやって来て、その人の下を通り過ぎた。

2艘の小舟は、少し先で速度を落としてすれ違った。

上流の田谷堰の手前の石段の所で、小舟に乗り降りする。
その脇には土砂が溜まり、水路は狭くなっていた。
ここまで来る間、土手の柵に沿って多くの人と行き会った。

帰る時、蔵造りのある一番街を通ったが、人の数は以前に戻ったように感じた。
車に注意しながら、駅の方からくる人達とすれ違うのは、かなり気が重かった。