国道16号線と平行して入間川街道が蛇行しながら走っている。この道を狭山の方へ向かって、関越自動車道の下をくぐり少し行ったところで、妙な感じを受けた。
街道に交差する形で、家と家の間が細長く空いている。
植木が雑然と生え、プランターも置いてあり、庭のような感じになっている。
その中を一本の細い道が通っている。人一人がやっと通れるような道である。
この道は、写真では写っていないが、手前にコンクリートの柵あり、その右側をすり抜けて、中に続いている。
その先には、二本の電柱が立ち、上部が横棒でつながれている。
更に先にも電柱があるようだ。
これは、一体なんだろう?
手前に白い立て札があり、「線路内立入禁止 西武鉄道」と書いてある。
「うん? 線路内? 西武鉄道?」
道路の反対側を見ると、同じように柵があり、その先も細長い空間が続いている。
確かに、線路のようなものが見える。
「ああ、これが安比奈線か」
井出彰さんの「里川を歩く」に書かれている、「安比奈線(あいなせん)」に違いなかった。
井出さんも赤間川を歩いていて、偶然この廃線に出会ったようだが、まさかこんな所にあるとは思わなかった。
井出さんはその後で、この線を入間川まで歩いてみたそうだが、私もそうして見たい衝動に駆られた。
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