舞蛙堂本舗リターンズ!~スタジオMダンスアカデミーblog

ダンス(フラ・ベリーダンス他)と読書と旅行とカエル三昧の日々を綴る徒然日記。

のだめのだめ

2006-12-19 01:52:25 | 徒然話
今日もお気に入りのドラマ『のだめカンタービレ』を堪能しました
相変わらずヒロインののだめはぶっ飛んでるし、のだめの憧れの千秋先輩に懸想するはまた増えるし、つくづく私好みのドラマであります♪

しかし、前回終盤から今回の冒頭にかけて、非常に困ったことが.....。
ストーリーは、のだめがピアノコンクールに出場し、一位入賞を目指して頑張りまくる(もちろん動機に千秋先輩の影アリ)というものです。
そしてコンクールの最中に、のだめは何か過去のトラウマを思い出させる男と出くわしてしまい、激しく動揺して演奏がボロボロになるという設定です。

そういう設定なのです。なのですが。

の、のだめの演奏のどこがボロボロなのかサッパリわからーん!!!

のだめの指導教授が「何やこの演奏は~~!!(←関西弁)」と絶叫してるんですが、私にいわせりゃ「こんな速く弾けるのにどこがそんなにダメなの」ってなもんです。

ほんと、ごめんなさい。
私、マジで音楽の素養無いです。
哀しいねえ。音大出のバイオリニストを祖父に持ちながら、音楽に関してはまるっきりダメなんですよ。哀しすぎます。
何しろ、爪を傷めるのを厭うてウクレレも弾かないくらいですから(いちおう弾けますが)。

そんな自分の無知無教養を呪いつつも、真っ先に思い至ったのは「翻って、私のやってるダンスのことも分からない人は多いんじゃなかろうか」ということでした。

私がこんなにもピアノの上手い下手が分からないのは、ひとえに見る目がないせいです。
見る目というのは生まれつき持っているものではなく、経験によって養われるものなんですね。だから、生まれてこのかたカエルの歌の輪唱しかピアノで弾けない私に見る目がないのは、至極当然のことであります。

見る目というのは徒に経験だけ積めば養えるものではありません。それは、テレビを何時間も見ている人が、必ずしもマスメディアの言ってることのホントとウソを見分ける能力を持っているとは限らないのと同じです。

見る目を養うには良質の本物をなるたけ多く目にすることが必要不可欠ですが、あいにく、どんなに潜在的なセンスのある人であったとしても入門段階では絶対的にそこまでの「見る」経験は踏んでいません。

だから、私がこれからピアノを始めようと思ったら、まずは本物の演奏をひたすら聴いて耳を養わなくちゃならないし、ダンスを習い始めようと思う人もいい演技を観てまず見る目を養うことが大切です。

それなのに、かように大切な入門段階において、質の悪いものや間違ったものを見せられたらどうなるでしょう。
私がドラマで酷評されてたのだめちゃんの演奏を聴かされて「こういうものだ」といわれたら、ウッカリそれが正しい演奏だと思ってしまいます。
そこで「なんだかピアノって素敵じゃないな」と感じ取って放り出してしまうかもしれませんし、もしくはその正しさを信じたままどんどん間違った方向に技術を究めていって、ずいぶん経ってからようやく聴く耳を持った頃には時既に遅し、自分に付いてしまった絶望的な癖を直すことはかなわなくなっているかもしれません。

いずれにしても罪深いことです。

だから、私はまかり間違っても人様に質の悪い演技をお見せしてはいけないんだと、かように痛感いたしました。
目の肥えた観客に接したときに気合いを入れて演技しようと思うのが一般的な人情ですが、私にいわせれば、本当はその踊りの知識を持たないお客さまに見せるときこそ、確実なものをお見せすべきではないかと思うのです。
だいいち、わざわざ気合いを入れなくたって目の肥えた人ならひとめで実力が分かるのですから、ありのままをお見せして、分かっていただけばよろしいのです。

そのダンスに初めて接する人にとって、私の演技がそのダンス自体の第一印象になると考えると、責任は重大ですよね、やっぱり。

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