秘密裏にすすめられたヒロムと仁の捜索はヒロムに付いては名古屋というキーポイントがあるので比較的にやりやすいはずだった。仁ついては、その手がかりが見つからなかった。マサミの元のアパートを訪ねても、転居先を聞き出すことはできなかった。まして、新しい「ベース」ができていることなど想像できなった。
そんな時、ヒトミが「ベース」が青山墓地の裏手に移動した頃の六人組の住所を書いたダイアリィーを見つけた。その住所を頼りに一人づつ検証していく以外にたどり着く方法はないだろうということになった。ヒトミはツカサに指示を出した。当時は親族のフリをすれば、住民票くらい簡単に取れた。が、転居後に転居先を聞きだすことは難しかった。
そこで、武闘派のひとりが、かつて、友人が当て逃げをされたときのことを思い出し、ツカサに進言した。その無謀な作戦は以下のように進められた。
ヒデオが住んでいたアパートの住人をひとり、金で誘惑し、当て逃げ事件をでっち上げた。ヒデオが借りていた駐車場で友人が当て逃げにあい、その時ととまっていたのが、ヒデオの車だったと区役所で説明して、転居先を教えてくれるように頼み込んだ。一時間にわたる交渉の末、区役所の職員は疲れ果てた。
「閲覧だけですよ。書類にするとわたしが困りますから・・・。」
といって台帳を開いた。
「あっ、メモはだめですよ。」
その時、付き添った武闘派とアパートの住人が番地と住所を分けて覚え、区役所の外でメモを取った。
その結果、ヒロムよりむしろ仁のほうが先に見つけ出すことに成功した。後に、金で誘惑されたアパートの住人が「死の部屋」に押し込まれ、脳を洗われ、「流魂」に入信したのは言うまでもない。
その夜、ヒトミはツカサと二人だけで、新居を出た。車は、武闘派の部下が用意した。武闘派以外の常連に気付かれないように、武闘派女子部の空手の達人がヒトミの身代わりとなって、寝室のベッドにもぐりこみ、ヒトミが女子の衣装を着て、ツカサの後に続いた。車は、ホンダのライフだった。
「はは、おもちゃみたいね。」
「すみません。」
「そうじゃないわ。面白いってことよ。」
その頃はナビなどなかった。前日に、ツカサは地図を頭に叩き込んだ。振動、音、窓から吹き込む風、ヒトミは興奮した。
そんな時、ヒトミが「ベース」が青山墓地の裏手に移動した頃の六人組の住所を書いたダイアリィーを見つけた。その住所を頼りに一人づつ検証していく以外にたどり着く方法はないだろうということになった。ヒトミはツカサに指示を出した。当時は親族のフリをすれば、住民票くらい簡単に取れた。が、転居後に転居先を聞きだすことは難しかった。
そこで、武闘派のひとりが、かつて、友人が当て逃げをされたときのことを思い出し、ツカサに進言した。その無謀な作戦は以下のように進められた。
ヒデオが住んでいたアパートの住人をひとり、金で誘惑し、当て逃げ事件をでっち上げた。ヒデオが借りていた駐車場で友人が当て逃げにあい、その時ととまっていたのが、ヒデオの車だったと区役所で説明して、転居先を教えてくれるように頼み込んだ。一時間にわたる交渉の末、区役所の職員は疲れ果てた。
「閲覧だけですよ。書類にするとわたしが困りますから・・・。」
といって台帳を開いた。
「あっ、メモはだめですよ。」
その時、付き添った武闘派とアパートの住人が番地と住所を分けて覚え、区役所の外でメモを取った。
その結果、ヒロムよりむしろ仁のほうが先に見つけ出すことに成功した。後に、金で誘惑されたアパートの住人が「死の部屋」に押し込まれ、脳を洗われ、「流魂」に入信したのは言うまでもない。
その夜、ヒトミはツカサと二人だけで、新居を出た。車は、武闘派の部下が用意した。武闘派以外の常連に気付かれないように、武闘派女子部の空手の達人がヒトミの身代わりとなって、寝室のベッドにもぐりこみ、ヒトミが女子の衣装を着て、ツカサの後に続いた。車は、ホンダのライフだった。
「はは、おもちゃみたいね。」
「すみません。」
「そうじゃないわ。面白いってことよ。」
その頃はナビなどなかった。前日に、ツカサは地図を頭に叩き込んだ。振動、音、窓から吹き込む風、ヒトミは興奮した。