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発見!花粉症抑制「アラジン1」とは何か?アレルギー5つのタイプ

2010年06月08日 | 健康
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 花粉症とアレルギー
 毎年春先はスギの花粉症に悩まされる。暖かくなってからはヒノキの花粉もある。最近はサクラの花粉症もあるのだそうだ。花粉症はアレルギーの一種である。6月に入る頃には毎年外せたマスクも、今年はなかなか外せない。年々花粉症がひどくなっているのだろうか?それとも他にアレルギーがあるのかもしれない。

 アレルギーは、花粉や食べ物などに含まれる特定の物質「抗原」が体内に侵入し、肥満細胞が反応、炎症を起こすヒスタミンなどの化学物質が過剰に放出されて起きる。これらの化学物質の働きを抑える薬はあるが、完全に抑えるのは難しいのが現状だ。

 衛生仮説
 最近、NHKのドキュメンタリー番組「病の起源 (NHKスペシャル) 第6集アレルギー~2億年目の免疫異変~」が2008年11月23日(日) 午後9時~9時49分にNHK総合テレビで放送された。この番組では、環境が清潔すぎると、アレルギー疾患が増えるという「衛生仮説」を紹介していた。

 近年、ドイツを中心とする医科学チームの研究により乳幼児期におけるエンドトキシンの曝露量が、以後の花粉症やぜんそくの発症に密接に関係していることが明らかにされた。これは、乳幼児期の環境が清潔すぎると、アレルギー疾患の罹患率が高くなるという衛生仮説を裏付ける重要な報告である。

 エンドトキシンとは、日本語で内毒素という。グラム陰性菌の細胞壁の成分であり積極的には分泌されない毒素を指す。私たちはある細菌の細胞壁の毒素で発病することがある。従ってエンドトキシンを吸入することで、発熱、補体の活性化、白血球の活性化)、抗体産生促進など免疫機能がはたらく。

 幼い頃からウシ・ウマなど家畜と生活する家では、こうした家畜の糞などに含まれる雑菌のエンドトキシンのはたらきで免疫機能が活性化すると、花粉に対する免疫がはたらかなくなるという。これが「衛生仮説」である。

 アレルギー抑制分子「アラジン1」
 筑波大学の渋谷彰教授(免疫学)らは、ぜんそくやアトピー性皮膚炎、花粉症などアレルギー症状を抑える分子を発見した。この分子の働きを強めることができれば、さまざまなアレルギーに共通する薬の開発につながる可能性がある。6月6日付の米科学誌ネイチャー・イムノロジー電子版に発表した。

 アレルギーは、花粉や食べ物などに含まれる特定の物質「抗原」が体内に侵入し、肥満細胞が反応、炎症を起こすヒスタミンなどの化学物質が過剰に放出されて起きる。

 そこで、研究チームは化学物質を出させない方法を探った。その結果、肥満細胞の表面にある特定の分子を刺激すると、化学物質の量が、刺激なしに比べて半分程度に減ることを突き止めた。また、この分子を持たないマウスを作ると、通常のマウスより激しいアレルギー反応が起きた。

 この分子は花粉など抗原の種類に関係なく、アレルギー反応を抑えることも分かり、研究チームは「アラジン1」と命名。人にもアラジン1が存在することを確認した。

 日本では国民の3割が何らかのアレルギーを持つと言われる。渋谷教授は「アラジン1の働きを高めることによって、アレルギーを効果的に抑制できる」と話す。(毎日新聞 2010年6月7日)

 アレルギーに 5つのタイプ
 花粉症患者としては、ぜひ花粉症を撲滅してほしいものだ。「アラジン1」という物質に期待したい。ところで、過剰な免疫反応であるアレルギーには5つのタイプに分けられる。どんなものがあるのだろうか?

 アレルギーは、その発生機序により大きく I から V 型に分類される。これをクームス分類という。

 I型アレルギー
 IgEというタイプの免疫グロブリンが肥満細胞(マスト細胞)や好塩基球という白血球に結合し、そこに抗原が結合するとこれらの細胞がヒスタミン、セロトニンなどの生理活性物質を放出する。

 これにより、血管拡張や血管透過性亢進などが起こり、浮腫、掻痒などの症状があらわれる。この反応は抗原が体内に入るとすぐに生じ、即時型過敏と呼ばれ、アレルギー性鼻炎、気管支喘息、蕁麻疹等の症状を伴う。

 また、反応が激しく、全身性のものをアナフィラキシーと呼び、さらに急速な血圧低下によりショック状態を呈したものをアナフィラキシーショックという。また、この種のアレルギー症状は、10分前後で現れてくる。

 代表的な疾患としては、蕁麻疹、PIE症候群、食物アレルギー、花粉症、アレルギー性鼻炎、気管支喘息、アトピー性皮膚炎、アナフィラキシーショックがあげられる。

 II型アレルギー
 IgGというタイプの免疫グロブリンが、抗原を有する自己の細胞に結合し、それを認識した白血球が細胞を破壊する反応である。

 代表的にはB型肝炎やC型肝炎などのウイルス性肝炎が挙げられる。ウイルスを体内から除去しようとする結果、肝細胞が破壊されるため症状を来している。ペニシリンアレルギーも、II型アレルギーの一種である。この種のアレルギーの有無は、クームス試験などの検査によって調べる。

 代表的な疾患としては自己免疫性溶血性貧血(AIHA)、不適合輸血、特発性血小板減少性紫斑病(ITP)、悪性貧血、リウマチ熱、グッドパスチャー症候群、重症筋無力症、橋本病、円形脱毛症があげられる。

 III型アレルギー
 免疫反応により、抗原・抗体・補体などが互いに結合した免疫複合体が形成される。この免疫複合体が血流に乗って流れた先で、周囲の組織を傷害する反応である。

 免疫複合体の傷害する部位が限局的な部位にとどまる反応をアルサス型反応といい、全身にわたるものを血清病と呼ぶ。過敏性肺臓炎はアルサス型反応の、全身性エリテマトーデスや溶血性連鎖球菌感染後糸球体腎炎は血清病の代表例である。 この種のアレルギーは、2~8時間で、発赤や浮腫となって現れる。

 代表的な疾患としては血清病、全身性エリテマトーデス(ループス腎炎)、急性糸球体腎炎、関節リウマチ、過敏性肺臓炎、リウマチ性肺炎、多発性動脈炎、アレルギー性血管炎、シェーグレン症候群があげられる。

 IV型アレルギー
 抗原と特異的に反応する感作T細胞によって起こる。抗原と反応した感作T細胞から、マクロファージを活性化する因子などの様々な生理活性物質が遊離し、周囲の組織傷害を起こす。薬物アレルギー、金属アレルギーなどがある。

 他のアレルギー反応がすべて液性免疫であるのに対し、IV型アレルギーだけは細胞性免疫がかかわり、リンパ球の集簇(しゅうそう、むらがってあつまること)・増殖・活性化などに時間が掛かるため、遅延型過敏症と呼ばれる。ツベルクリン反応、接触性皮膚炎などがある。 この種のアレルギーの皮内反応は、24~48時間後、発赤、硬結となって現れる。

 代表的な疾患としては接触性皮膚炎(いわゆる「ウルシかぶれ」は「アレルギー性接触皮膚炎」の一種である。)ツベルクリン反応、移植免疫、腫瘍免疫、シェーグレン症候群、感染アレルギー、薬剤性肺炎、ギラン・バレー症候群があげられる。

 近年、免疫学の進歩により細胞性免疫によるIV型アレルギーも責任免疫細胞によって細分類されることがある。しかし細分類してもマネジメントは変化しない。

IVa型:Th1細胞とマクロファージによる反応でありツベルクリン反応、接触性皮膚炎がこれに含まれる。
IVb型:Th2細胞と好酸球による反応であり気管支喘息、アレルギー性鼻炎、蛋白誘発性腸炎が含まれる。
IVc型:CD8+T細胞による反応であり接触性皮膚炎が含まれる。
IVd型:T細胞と好中球による反応でありベーチェット病などが含まれる。

 V型アレルギー
 受容体に対する自己抗体が産生され、その自己抗体がリガンドと同様に受容体を刺激することで、細胞から物質が分泌され続けるために起こるアレルギー。基本的な機序はII型アレルギーと同じであり、刺激性という点だけが異なる。代表的疾患はバセドウ病。(Wikipedia)

 

参考HP Wikipedia「アレルギー」「花粉症」「エンドトキシン」

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