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第20回ノーベル化学賞 ヴァルター・ネルンスト「熱力学第三法則」

2010年02月01日 | ノーベル賞

 熱力学とは何か?
 熱力学(thermodynamics)とは、物理学の一分野で、熱現象を物質の巨視的性質から扱う学問。アボガドロ定数個程度の分子から成る物質の巨視的な性質を巨視的な物理量(エネルギー、温度、エントロピー、圧力、体積、物質量または分子数、化学ポテンシャルなど)を用いて記述する。

 1842年、熱をエネルギーの一形態と考えエネルギー保存の法則(つまり熱力学第一法則)をはじめて提唱したのはマイヤーであった。それ以前、熱は物質と考えられていた。そして、ほぼ同時期にジュールが行った実験などから、トムソンらと共同して熱力学第一法則は明らかにされた。

 熱は物質でないことがわかり、エネルギーの1つとして定義された。その熱エネルギーの性質を表したのが、熱力学第二法則である。一言でいうと「エントロピー増大の原理」といえる。熱エネルギーは外から仕事を加えない限り、熱いものから冷たいものへと移っていく。また、すべてのエネルギーは最終的には熱エネルギーになってしまう。

 熱エネルギーとは分子・原子が無秩序に運動するエネルギーのことである。無秩序であるが故に利用効率が悪い。だから熱も無秩序に広がっていく。このことを「エントロピー増大」という。

 こうして考えると分子・原子の運動は絶対零度、すなわち温度がない状態でストップする。これを熱力学第三法則という。絶対零度でエントロピーはゼロになる。しかし、現実的には、絶対零度には到達することができない。

 ヴァルター・ネルンストとは?
 このように、熱エネルギーというのは実に不思議なエネルギーである。熱エネルギー「0」の状態はこの世には初めから存在しないのだ。それだけでない、重力が存在する理由もまだわかっていない。多くの物理的な基本量自体が、あたりまえのようであたりまえでない不思議な存在なのだ。

 熱力学の第三法則を提唱したのがドイツの化学者ヴァルター・ネルンストである。ヴァルター・ネルンストはこの業績により、1920年ノーベル化学賞を受賞した。受賞理由は「熱化学の研究」である。
 
 ヴァルター・ヘルマン・ネルンスト(1864年~1941年)は、プロイセンのブリーゼン(Briesen, 現ポーランド・ヴォンブジェジノ (Wąbrzeźno))に生まれ、物理と数学をチューリッヒ、ベルリン、グラーツで学んだ。ライプツィヒで研究した後、ゲッティンゲンに「物理化学・電気化学協会」を設立。1924年ベルリンの物理化学研究所の所長になり、1933年までその職にあった

 彼の主な業績にネルンストの式(Nernst equation)がある。この式は、電気化学において、電池の電極の電位E を記述した式である。1889年に発表されたとされる。

 

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