ジャンクフードとファストフード
ジャンクフード(junk food)とは、エネルギー(カロリー)は高いが、他の栄養素であるビタミンやミネラルや食物繊維があまり含まれない食品のこと。似た言葉でファーストフードがある。
ファーストフード(英語 fast food) とは、短時間で作れる、あるいは、短時間で食べられる手軽な食品・食事のこと。ファーストフードと言う場合、家庭料理をイメージすることはあまりなく、ほとんどが外食産業を想定しており、高カロリー、高脂肪、栄養素の偏りがあり、手早く食べられるため過剰摂取の可能性が高い。そのため、「ジャンクフード」の一種とすることが多い。
ではジャンクフードやファーストフードにはどんなものがあるか?
そう、ジャンクフードとしては、ドーナツ、ポテトチップス・ポップコーンなどのスナック菓子全般に多い。 清涼飲料水には砂糖が重量の10%と大量に添加された飲み物も多く、こういった食品も典型的なジャンクフードである。
ファーストフードとしては、カップラーメンなどのインスタント食品をはじめ、ハンバーガー・ホットドッグ・フライドチキン・サンドイッチ・ピザなど多岐に渡る。
ジャンクフードはドラッグと同じ?
ジャンクフードや、甘い物好きな人には覚悟してらわなければならない。ついに恐れていたことが証明された。肉やケーキなど、高カロリー・高脂肪の食品は、ドラッグと同じように中毒性があるのだそうだ。
フロリダの研究所で分子治療学の准教授をしているPaul J. Kenny博士の研究によると、コカインや、ヘロインなどのドラッグをやるのと、ジャンクフードを食べ過ぎるのは、どちらも同じように快楽中枢を刺激し続け、そして最後には破壊してしまうのだそうだ。
Kenny博士のチームは、ラットを3つのグループに分け、40日間の実験をした。1つ目のグループには普通のラットのえさを、2つ目のグループには肉やケーキなど、人間の高カロリーな食事を1日1時間だけ、3つ目のグループには同じく高カロリーな人間の食事を、1日23時間与えた。
やめられない!止まらない!
3つ目のグループのラットが、すぐに肥満体になったのは言うまでもない。驚くべきは、ラットの脳までも変化したこと。与えられ続けたジャンクフードによって、肥満体になったラットの脳の快楽中枢はマヒしてしまい、「もっと、もっと」と今まで以上のジャンクフードを求めるようになった。正にドラッグ中毒と同じ状態。
さらに、食事の時にラットに電気ショックを与えると、1つ目と2つ目のグループのラットは恐怖で食事ができなくなったのでだが、3つ目のグループのラットには変化はなかった。Kenny博士によると、おそらく食事を消費することだけに意識が強くフォーカスされ、電気ショックとは切り離されているのだろうということ。
何ともゾッとする研究結果だ。私たちは、つい食べ過ぎてしまうのは意志が弱いからだとか、食べ過ぎも意志を強く持てば我慢できるとか、何となく思ってしまいがちだが、行き過ぎた「食べ過ぎ」状態は、無意識に脳のスイッチがONになっているようなものなのだ。自分の意識でコントロールできるものではない。しかも、一度壊れた快楽中枢は、並大抵のことでは元には戻らない。
怖くてもう二度とジャンクフードが食べられなくなりそう。もちろん、これはあくまでラットによる実験結果なので、人間もまったく同じだとは限らない。だが、ジャンクフードが脳に与える影響の強さというのは十分分かったと思う。
「つい手が出ちゃうんだよね」とジャンクフードを食べまくっている人は、この事実を肝に命じて、かなり本気で食生活を改善した方がよさそうだ。(2010.4.2 ライフハッカー)
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