ウロコのつぶやき

昭和生まれの深海魚が海の底からお送りします。

反撃の狼煙は密かに上がる

2008-11-29 01:39:16 | 日記
2日前のことになってしまいますが、大ちゃんの手術は無事に終わったようですね。
大変なのはここからとは聞いていますが、まずは一つ大きな山を越えたことにほっとしています。
28日は新月でした。月はここから大きくなって行きます。実りの月のハーベストまではまだ遠いかも知れませんが、今はきっと種を蒔いて水をやる時。この大事な時を、大切に見守って行きたいです。

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こういう時、どうしても以前にミカが事故にあった時のことを思い出してしまうんですが、そう言えばあの時も、意識が戻ったミカが一番に「(クラッシュしたのは)自分のミスのせいじゃない」と言ったらしい、と聞いて「ああ、この人は大丈夫」と思ったのを思い出しました。彼のレースへの想いは消えていない。だったら絶対帰って来ると。

今回もやっぱり、あのブログの文面を見た時に、それまでの不安がふっ飛んで「大丈夫!」と確信できました。
あれはファンやマスコミに向けた言葉であると同時に、彼の自分自身へ向けての、これから長いリハビリを戦って行くための指針となる言葉なのだろうなと思いました。

どれぐらいで復帰できるか、どこまで復活できるかは自分の努力とリハビリ次第だということも自覚して、「この選択を正しいものにする」と誓っている。
起きた事を元へは戻せないのだから、前を向いて自分ができることをやるしかないことも、逆境の中だからこそ学べることがあることも、彼は既に知っている。
人間なのだから、いつもそうそう強い気持ちを保ち続けられる訳ではないとは思いますが、自分が目指しているものと、そのためにやるべきことをきちんと分かっているのなら、例え途中で迷うことがあっても、進むべき道に戻れます。

トリノオリンピックの時、何かの記事で長光先生が「何一つ、無駄なことはありませんでした」と仰っていたのが印象的でした。無駄にならなかったのではなく、無駄にしなかったのだろうなと思いました。
バンクーバーの時にも、きっと同じ言葉が聞けると信じています。

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それとその前に、連盟からの発表がありましたね。
来年も特別強化選手に指定して貰えることと、世界選手権の選考に残るということ。

トップアスリートが「手術」という手段を選択するのに、何よりも長期間第一線を離れることの怖さというのがあるのだろうなと思いました。常に結果を出し続けることが要求される厳しい世界ですから。
そんな状況で、帰って来た時のポジションを空けて待って貰えるというのは、選手にとってはとても心強く、励みになることと思います。
またミカの話に戻りますが、あの時、ロン・デニスが代わりのドライバーを探さずに、シートを空けて待っていてくれたことが私にはとても有り難かった。

世界選手権への選考の件で反発している人がいましたが、私としては、これは記事の書き方に問題があると感じました。以前にも書いたように、記事は「何が書いてあるのか」の前に、「どんな人がこれを書いたか」の見極めも必要です。M新聞のK記者、この名前は要注意です。私は前にも、この記者の記事にブチ切れてます(笑)。

M新聞の記事は、よく読むと日本語がおかしい。ネックになるのは「一転して」という言葉です。
これは普通状況が大きく(大抵は180度)変わるという意味に使われるはずですが、記事の内容をよく読むと、別に状況はそれほど変わっていない。大ちゃんの負傷を受けて、選考基準に追加事項を付け加えて融通が利くようにした、それだけのこと。
でもそこへ「一転して」という言葉が加わったがために、それまでの「今期は全試合欠場」から「一転して」ということで、まるで世界選手権への出場が既定路線であるかのような印象を与えています。わざわざ見出しにまで使う当たり、タチが悪いですね。

その後に出て来たスポーツ紙の記事を読めば、別に連盟も、枠欲しさに傷の癒えぬ大ちゃんを無理矢理試合に引っぱり出そうなんて事を考えているようには思えないんですけどね。「治ったらいつでも帰っておいで」と言ってくれているだけで。
個人的には、M新聞の記事は一旦無視して、その後に他の媒体から記事が出るのを待つことをおススメ致します…。

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好きな選手の逆境にショックを受けるのも心配するのも、それだけファンだからなんですよね。
最初から興味がなければ、何も感じない訳で。その代わり、その逆境を乗り越えた時の喜びや感動もない。
これだけ心惹かれること、好きにさせて貰えたことを、まずは有り難いと思います。
本当に、ミカ引退後、これだけ入れ込める人に出会えるとは思わなかった。
好きな選手が上手く行かないときの辛い気持ちと、上手く行った時の感動は一対のもので、どちらか片方だけということはないんだな、と今回改めて思いました。

ともあれ、これから長い戦いです。ファンにできる事は少ないですが、大輪の花が咲くその日まで、見守って行きたいと思います。
あなたの未来に光あれ。

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拍手コメントへのお返事

□11月18日22時頃
怪我の状況はどうあれ、一番大切なのは本人の気持ちだと思います。そしてその点について彼は、信じていられるし、信じさせてくれる。そういう人のファンになれた私たちは、ある意味とても幸せだと思います。

□11月18日23時頃
本当に、何もここまで試練を与えられなくてもと思いますが、これを超えればそれだけ大きいご褒美が貰えるはず、と私は勝手に思ってます。彼は「神様からのメッセージ」を受け取れる人なので、この経験も決して無駄にはしないはず…と思います。ファンに取っても待つ身の辛さを感じる日々ですが、これも無駄にしないように、更に魅力を増した彼を待ちたいですね。

□11月19日2時頃
フォローありがとうございます。でも私の自虐ネタは冗談なので放置されても大丈夫ですよ(笑)。
大ちゃんの言葉に、元気を貰いましたね。彼を見習って私たちも、焦らず前向きに待ちましょう!

□11月29時0時頃
私が何故「自分はフィギュアスケートのファンではない」と言い続けるのか、その辺のこともその内書くかも知れないし書かないかも知れません。一応、コダワリがあります(笑)。
大ちゃんが試合に出ないのなら、試合結果に一喜一憂するそのエネルギーを別の所へぶつけるのも一つの手かなと思います。
それに、点数で選手を好きになるというものでもないですしね。大ちゃんが史上最高点を出したのは嬉しかったし、その事で世間に認めて貰えたのも良いことだと思うけど、それだけ点を取る選手でなければ好きにならなかったのかというと決してそんな事はない。
自分が魅力的と思う人を、ずっと応援していきたいですね。

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次は違うネタを書くかも知れないし書かないかも知れません。
ネタはいっぱいあるけど書くヒマがない。

戦士の休息

2008-11-18 09:39:45 | 日記
大ちゃんの怪我、ようやく今後のことが発表されましたね。
やはり今期は彼の演技が見れない、というのは当然ショックではありますが、それ以上に、ようやくはっきりしたことが分かってすっきりした、という気持ちの方が強いです。
1年待てというなら待ちましょうとも。

今の私が余り悲観的な気分になっていないのは、彼の持っている「運命」の力を信じているからかも知れません。
あの連島の山の中に突然スケートリンクが出来て、田舎の普通の男の子がこんな所まで来てしまった。
彼をここまで連れて来た運命の神様のやることなのだから、きっとこれにも意味があると思うのです。

私が神戸に出て来る時、昔お世話になった方から頂いた言葉があります。
――神様は、必ずしも自分が思った通りの形で願いを聞いてくれる訳ではない。でもちゃんと、願った以上のものを与えてくれる。それに気付いてきちんと受け止めることができるかどうかが大切なのだと、そういう意味の言葉でした。

今この言葉を読み返して、それから世界選手権の後の大ちゃんのインタビューを読むと、彼は既に上記のようなことを悟ってるんじゃないかと、そんな気がします。
大丈夫。神様はちゃんと、必要なものを与えてくれる。そして彼はそれをきちんと受け取れる人だと、私はそう信じています。

思えば、今この時期だから、きっちり手術して、例え一年休むことになっても、オリンピックシーズンは「治った」状態で迎えられる。そういう意味では、運が良かったと言えるかも知れません。
バンクーバーまでに、きっちり治したい、そう思うからこその手術なのだと感じました。
戦うための手術だと。
彼のその気持ちが感じられるから、私も一緒にこの先戦って行けそうです(いや、何ができるという訳ではないですが…せめて気持ちだけでも)。

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ただ、私に取っては、「フィギュアスケートを見る目的=大ちゃんを見る事」だったので、しばらくスケートからは離れると思います。
勿論、これから始まる大ちゃんの新たな戦いには、エールを送り続ける所存ですが。
(実はちょっとこれから、前からやろうと思っていたことを行動に移したいと思ってます。今まで大ちゃんに楽しませて貰うばかりで、あんまり自分のやるべきことが出来ていなかったと思うので。自分のフィールドでもうちょっと頑張ろうかと)

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スポーツのジャンルが全然違うし、怪我の状態も全く違うけれど、私も以前にも似たような経験はあります。このブログでもちょっと触れましたが、私の一番好きなF1ドライバー、ミカ・ハッキネンが大事故に遭った時のこと。
あの時も、重苦しい気持ちの中必死で情報を探しながら(当時は専門誌だけが頼り)、同時に、すごく確信は持ってました。「彼は絶対、前より強くなって帰って来る」と。
今回も、同じ気持ちで待ち続けたいと思います。

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拍手コメントへのお返事。
前回の記事に頂いたたくさんの拍手は、皆さんの大ちゃんへの応援の気持ちだと思います。
信じて待ちましょう。私たちは、彼の強さを知っているはず。

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更に追記。
御本人のブログに更新が来てました。
この記事のタイトル大嘘ですね。本人全然、休んでなんかいないですね、ごめんなさい。
私今回のことがあって、初めて泣いたかも知れません。
悲しくてじゃなくて、感動で。
私が思うようなことは、私なんかが何も言わなくても、この人はちゃんと分かってる。
この人のファンでよかったと思いました。いつまでも応援してます。

君の笑顔を待ちながら

2008-11-09 00:22:20 | 日記
ここ数日、カウンターの回り方が激しいですね。
理由は多分、私が想像してる通りだと思います。

心配ですね、大ちゃんの怪我。
正直、何を書いたらいいのか、私も未だよく分からないです。
まだ正式な診断も発表されていないですし。

きっと本人が一番悔しいだろうし、不安だと思います。
そんな中で発せられたメッセージ。
本当に、言葉には人の本質が宿りますね。
ファンや周囲に気を遣ってすごく言葉を選んでいるのに、同時にとても素直な言葉。
あんな純度の高い文章、私には一生書けないですね。
何があっても、ずっとこの人を応援して行きたいと思える文章でした。

今の私に言えることと言えば、とにかく待ってるし、信じてる。それくらいなのです。
事実というのは厳然として事実で、それ自体には意味はない。
そこに意味を持たせて未来への糧にするかどうかは、受け取る人間の心がけ次第だと思います。
そして大ちゃんは、ちゃんとそこにメッセージを受け取れる人。
それは今までもそうだったし、今でもそうなのは、あのブログの文面を見れば伝わります。
だから今回のことも、きっと乗り越えてくれると信じてます。

それにきっと、今一番悔しい想いをしているのは大ちゃんだと思うから。
悔しい人というのは、絶対に諦めないし負けない。(過去に経験アリです)

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こんな時に限って仕事は溜まってるし、たまの休みには田舎から親が出て来るし…という訳で、今回のゲン担ぎ画像は、母のお供で行った京都のお寺で頂いて来た「三鈷の松葉」です。

通常の松葉は二本一組ですが、これは三本で一組になってる珍しいもので(この写真だとちょっと分かりにくいですが)、縁起が良いとされているそうです。
どうか、大きな怪我ではありませんように。一日でも早く、元気な笑顔で戻って来てくれますように。

…こんな時ですが、親と会って気持ちを聞いて貰ったら、少し気持ちが軽くなりました。
ありがとうお母さん。
という訳で、ちょっと早いけど京都の紅葉です。


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拍手コメントへのお返事

■11月1日1時頃
本当に、彼の肩肘を貼らない素直さ、率直さにはいつも驚かされます。
二つのフリー、断片的な映像しか見れませんが、二つとも本当に美しかった。
いずれどちらも見せて貰えると思っています。いつまでも、末永く見守って行きたいですね。

■11月6日12時頃
あのブログには、色んな意味で頭が下がる思いでした。
本当に、何故彼にばかりこんなに試練が続くのかと思ってしまいますが、それだけ彼の背負っている使命が大きいということなのかも知れません。
「神様は超えられないハードルは与えない」というのなら、この試練も、彼になら超えられる、そう神様に見込まれているからこそなのかも…と私も思いたいです。