ウロコのつぶやき

昭和生まれの深海魚が海の底からお送りします。

夏の終わりに

2013-10-14 17:30:00 | 大人の修学旅行
殺人的な猛暑も9月に入ってからは大分マシになりまして。
しつこく残暑が続いているとは言え、そろそろ金木犀の花が咲く等、確実に季節は秋へ移っている訳ですよ。

そんな時、個人的に行きたくなるのが奈良です。
京都・大阪・神戸にはない素朴な空気感が奈良にはあると私は勝手に思っています。
そしてまた、夏を見送り、秋を迎えるのはそういう場所だとこれまた勝手に思い込んでる訳ですよ。

あと、彼岸花。
神戸には何故かプランターに彼岸花を植えているのを良く見かけるのですが、田舎育ちの私としては、



彼岸花はこういうシュチュエーションで見たい訳です。

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そういう訳で、先日のお彼岸の3連休、奈良に行って参りました。
道中の車窓から、田んぼのあぜ道に群生する彼岸花を満喫しつつ着いた所は室生口大野駅。

ここに夢雲という、古い農家を改装した素敵なギャラリーがありまして、
この時期、「朱夏」というこれまた素敵な作品展が開催されておりました。

ギャラリー夢雲(むうん)BLOG
http://www.39moon.com/blog/



初めて来た時、田舎のお婆ちゃん家に遊びに来たかと思いましたもんね。
お洒落なギャラリーはたくさんありますが(というか、基本的にあらゆるギャラリーはお洒落ですが)、こんなどっしり落ち着いた風情で迎えてくれるギャラリーはそうありません。
あらゆる意味ですばらしい。


朱夏~其の五~絵=東 學×言葉=村上美香 二人展
http://www.39moon.com/blog/2013/09/post-d990.html

墨絵をバックボーンに持つ画家・東學氏とコピーライター村上美香さんの二人展。

ちなみに私が最初に學さんを知ったのは鬼束ちひろのシングル「陽炎」のジャケットでした。



ジャケ買いしました。
その後、狙ったようなタイミングで原画を観る機会があり、以来密かにファンだったりします。

多分だけど、雨宮慶太とか天野喜孝好きな人は學さんの絵も絶対好きだと思います。
女性モチーフの絵が多いんですが、美しいわエロいわ怖いわ妖しいわで私のツボをぐいぐい押して下さいます。
技術の高さとセンスの良さはもちろんですが、それプラスおどろおどろしい暗黒風味のさじ加減が絶妙なのですよ…。



ギャラリーの雰囲気がまた作品と良く合っててですね。



何とも風情がある訳ですよ。



このお座敷に飾ってある大作は、機会があれば是非実物を見て欲しいと思います。
學先生渾身の大作で、非常に重いメッセージが込められた力作です。

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一方の村上美香さんはこのイベントで初めて知った方なのですが、現在大阪を拠点に活躍されているものの、ご出身は因島だとか。
因島と言えばしまなみ海道・尾道の沖に浮かぶ瀬戸内海の島。そして因島出身の村上さんはみんな村上水軍の末裔です(少なくとも私はそう聞いている)。
そんな訳で(どんな訳だ)。島育ちならではの海の記憶を元に綴られた言葉からは瀬戸内の潮風が吹いてくるようで、奈良の山間部のギャラリーの風情との相乗効果で懐かしさ乱れ打ちな感じに。

この日はイベントの最終日という事もあり、来客も関係者というかよく見知った人たちが多いような印象だったのですが、そんな所へひょこひょこ紛れ込んだ余所者のような私にも、學さんも村上さんもギャラリーのスタッフの方も、とても親切に接して頂き、大変感謝しております。

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こちらのギャラリーでは食事もできるのですが、この日はイベント中という事もあって特別メニュー(要予約)。



私普段、食べるものを写真に撮る事はあまりないんですが、これは流石にすぐ食べちゃうのが勿体なかった…。
もちろん味も美味しかったです。右下にあるのはいがぐりの形に作ったおにぎり♪

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お昼過ぎた頃からお客さんが増えて来たので早めに失礼して、奈良町の方に回って帰りました。





萩(多分)の花が見頃でしたよ。



猿沢池の夕陽。