※拍手コメントへのお返事(並びにFOI全体の感想)は前の記事に。
※あと、3月24日の記事への拍手コメントへのお返事をこっちの記事の下に書いてます。大変遅くなって申し訳ありません。
***
長くなったので前の続き。今年のフレンズの大ちゃんについて。
思えばバンクーバーの前、2009年のフレンズは、あの大怪我の後の初めての公の場での演技。
まだ無理のできない時期だった事もあり、どこか儚い空気感と柔らかい演技、そしてスケートが印象的でした。
4年後の今回は別物のようにエネルギッシュ。
田村岳斗氏&イリヤ・クーリック氏の長野イケメンコンビとの競演によるユーモレスクでは、3人ノリノリでコミカルな演技を披露。大ちゃんのオシャレな抜け感のある演技に改めてセンスの良さを感じたものですが。
オリンピックメドレーの「Eye」では、まるで獣のようにパワフルで思わず圧倒されました。エロ紳士どこ行った。
決して荒々しい訳ではないのですが、どこか人間ではない何かのような、野生的なパワーが凝縮されているような印象で。
痛いポエムで申し訳ないですが、神様の使いの神聖な獣が人の姿を借り出て来たらこんな感じなのかな、と思ってしまいます。
北海道合宿を取材した記者さんが、見出しに「精悍!」て書いちゃった理由がわかったような気がしました。
***
そして、新プログラム。「ヴァイオリンのためのソナチネ 嬰ハ短調」
私が見に行ったのは土曜日の昼。初披露から2回目ということもあり、滑り慣れた旧プログラムやショー用のコラボプログラムに比べると、まだ若干の堅さや緊張感は感じられました。
それでも終わるとあっという間で、まだまだ見ていたいのに、と思ってしまいます。
今の時期、特にジャンプが万全でないのは、特に心配の必要はないと思います。
競技用のプログラムなのだから、出来てすぐに完璧な方が逆に、「簡単な事しかやってない=点の出ないプログラム」なのかな?と思って不安になってしまうので。
得点のためのわざわざ難しい事をやる必要のないショープログラムや、滑り慣れているはずの旧プログラムで調子悪いと、ジャンプそのものの調子を気にしなければなりませんが。
私が見た回は4T両着氷、3Aがすっぽ抜けてたかな?もう一つのジャンプ(多分3ルッツ…違ってたらすいません)はすごく丁寧に降りていた印象でした。
そして演技を見ている内に、ふと降りてきた言葉が「静かな怒り」でした。
はい、ここで再び痛ポエム入りますよ(笑)。
…その場で発散するのでなく、深く胸の内に秘めた怒り。人を攻撃する形には向かわず、けれど断固として何者にも屈しない、揺るぎない強い想い。
この曲の背景については、大ちゃんがこの曲を発表した時点で色々な所から情報が出てきたので、もちろん私も知っています。
耳の聞こえない作曲家が、義手のヴァイオリニストの少女のために創った「戦いの曲」。
ハンディキャップは生涯に渡って付いてくる。それに向き合い、これからもずっと戦って行くという決意の曲、なのかなと、大ちゃんの演技を見て改めて感じました。
毎回不思議に思うのですが、予め曲だけ聞いていた時よりも、大ちゃんの演技と共に聞く方が、その曲の持つメッセージを明確に感じられるんですよね。
今回も、曲の背景を知識として知って、理屈で「きっとこうなんだな」と漠然と考えていた事が、大ちゃんの演技を見た瞬間に実感を伴って迫ってきた、という感じです。
深く内に秘めた戦う意志が、やがて大きなうねりを持って大地を揺るがし、山を動かす。
そんなイメージが浮かんで来ます。
このプログラムが、このシーズンにどう成長し、ソチの舞台でどんな演技を見せてくれるのか、とても楽しみです。
それにしても、宮本さん濃いな、色々と…。
宮本さんの大ちゃんにかける想いって、私たちファンが思うよりきっとずっと濃いんだな、と思いました。
お互いにリスペクトし合ってるのを改めて感じます。
***
そしてフィナーレ。
ノリノリの曲に合わせてノリノリで踊る大ちゃん。
カンペキなストリートのノリ。
ちょっと話は飛びますが、大ちゃんとも親しい森下雄一郎さんて、ストリート色の強いバスケ(元)選手ですよね。
私もちょっと色々あって実感したんですが、バスケットって単なる「スポーツ」の1分野じゃない。
多分バスケだけじゃないと思うけど、そこにはそのスポーツを育てた「文化」が付随してるんだなと。
バスケはアメリカの黒人によるストリートの文化が育てたスポーツなんですよね。
かのマイケル・ジョーダンがNBAに持ち込んだぶかぶかのユニフォームや、ダンスミュージックに合わせてボールを操るフリースタイルのパフォーマンスなど、ストリートの文化と切って切り離せない関係にある。
一方でフィギュアは完全に白人の文化ですよね。以前にも書いたけど、ヨーロッパの貴族の文化であるバレエやオペラが背景にあるから、今の流行の先端であるストリート系の音楽やダンスとは真反対で今イチ相性が良くない気がする。最近は黒人のスケーターも増えているから、彼らが多数メインストリームに出て来た時にまた変化しそうな予感もありますが。
閑話休題。
フィナーレの大ちゃん、単にリズム感がいい、踊りが上手いというだけじゃなくて、アドリブの入れ方や表情が完璧にストリートの人でした。
踊りの上手いスケーターは他にもいるけど、一番サマになってたのは大ちゃんだと(ヒイキ目かも知れないけど)思います。
でもこういうの見ちゃうと、つくづくSweatが惜しいですね。先シーズンは1回限りのはずのピアソラEXが余りに素敵過ぎて結局正式EXになってしまったっていう事だと思いますけど、Sweatをシーズン通してやってたら、あれはあれで大ちゃんにしか出来ないCoooooool!!なプログラムになってたかも知れない、と思ってしまうのです。
また機会があればぜひああいうのもまたやって欲しいですね。
***
それにしても、ユーモレスクのコミカルさ、Eyeの美しき野獣、ソナチネの意志、そしてフィナーレでのダンサーっぷり…と一体幾つの顔を持っているのかと思ってしまいます。
大ちゃん一人でも盛りだくさんに色んな顔が見れて、大満足のFOIでした。
※あと、3月24日の記事への拍手コメントへのお返事をこっちの記事の下に書いてます。大変遅くなって申し訳ありません。
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長くなったので前の続き。今年のフレンズの大ちゃんについて。
思えばバンクーバーの前、2009年のフレンズは、あの大怪我の後の初めての公の場での演技。
まだ無理のできない時期だった事もあり、どこか儚い空気感と柔らかい演技、そしてスケートが印象的でした。
4年後の今回は別物のようにエネルギッシュ。
田村岳斗氏&イリヤ・クーリック氏の長野イケメンコンビとの競演によるユーモレスクでは、3人ノリノリでコミカルな演技を披露。大ちゃんのオシャレな抜け感のある演技に改めてセンスの良さを感じたものですが。
オリンピックメドレーの「Eye」では、まるで獣のようにパワフルで思わず圧倒されました。エロ紳士どこ行った。
決して荒々しい訳ではないのですが、どこか人間ではない何かのような、野生的なパワーが凝縮されているような印象で。
痛いポエムで申し訳ないですが、神様の使いの神聖な獣が人の姿を借り出て来たらこんな感じなのかな、と思ってしまいます。
北海道合宿を取材した記者さんが、見出しに「精悍!」て書いちゃった理由がわかったような気がしました。
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そして、新プログラム。「ヴァイオリンのためのソナチネ 嬰ハ短調」
私が見に行ったのは土曜日の昼。初披露から2回目ということもあり、滑り慣れた旧プログラムやショー用のコラボプログラムに比べると、まだ若干の堅さや緊張感は感じられました。
それでも終わるとあっという間で、まだまだ見ていたいのに、と思ってしまいます。
今の時期、特にジャンプが万全でないのは、特に心配の必要はないと思います。
競技用のプログラムなのだから、出来てすぐに完璧な方が逆に、「簡単な事しかやってない=点の出ないプログラム」なのかな?と思って不安になってしまうので。
得点のためのわざわざ難しい事をやる必要のないショープログラムや、滑り慣れているはずの旧プログラムで調子悪いと、ジャンプそのものの調子を気にしなければなりませんが。
私が見た回は4T両着氷、3Aがすっぽ抜けてたかな?もう一つのジャンプ(多分3ルッツ…違ってたらすいません)はすごく丁寧に降りていた印象でした。
そして演技を見ている内に、ふと降りてきた言葉が「静かな怒り」でした。
はい、ここで再び痛ポエム入りますよ(笑)。
…その場で発散するのでなく、深く胸の内に秘めた怒り。人を攻撃する形には向かわず、けれど断固として何者にも屈しない、揺るぎない強い想い。
この曲の背景については、大ちゃんがこの曲を発表した時点で色々な所から情報が出てきたので、もちろん私も知っています。
耳の聞こえない作曲家が、義手のヴァイオリニストの少女のために創った「戦いの曲」。
ハンディキャップは生涯に渡って付いてくる。それに向き合い、これからもずっと戦って行くという決意の曲、なのかなと、大ちゃんの演技を見て改めて感じました。
毎回不思議に思うのですが、予め曲だけ聞いていた時よりも、大ちゃんの演技と共に聞く方が、その曲の持つメッセージを明確に感じられるんですよね。
今回も、曲の背景を知識として知って、理屈で「きっとこうなんだな」と漠然と考えていた事が、大ちゃんの演技を見た瞬間に実感を伴って迫ってきた、という感じです。
深く内に秘めた戦う意志が、やがて大きなうねりを持って大地を揺るがし、山を動かす。
そんなイメージが浮かんで来ます。
このプログラムが、このシーズンにどう成長し、ソチの舞台でどんな演技を見せてくれるのか、とても楽しみです。
それにしても、宮本さん濃いな、色々と…。
宮本さんの大ちゃんにかける想いって、私たちファンが思うよりきっとずっと濃いんだな、と思いました。
お互いにリスペクトし合ってるのを改めて感じます。
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そしてフィナーレ。
ノリノリの曲に合わせてノリノリで踊る大ちゃん。
カンペキなストリートのノリ。
ちょっと話は飛びますが、大ちゃんとも親しい森下雄一郎さんて、ストリート色の強いバスケ(元)選手ですよね。
私もちょっと色々あって実感したんですが、バスケットって単なる「スポーツ」の1分野じゃない。
多分バスケだけじゃないと思うけど、そこにはそのスポーツを育てた「文化」が付随してるんだなと。
バスケはアメリカの黒人によるストリートの文化が育てたスポーツなんですよね。
かのマイケル・ジョーダンがNBAに持ち込んだぶかぶかのユニフォームや、ダンスミュージックに合わせてボールを操るフリースタイルのパフォーマンスなど、ストリートの文化と切って切り離せない関係にある。
一方でフィギュアは完全に白人の文化ですよね。以前にも書いたけど、ヨーロッパの貴族の文化であるバレエやオペラが背景にあるから、今の流行の先端であるストリート系の音楽やダンスとは真反対で今イチ相性が良くない気がする。最近は黒人のスケーターも増えているから、彼らが多数メインストリームに出て来た時にまた変化しそうな予感もありますが。
閑話休題。
フィナーレの大ちゃん、単にリズム感がいい、踊りが上手いというだけじゃなくて、アドリブの入れ方や表情が完璧にストリートの人でした。
踊りの上手いスケーターは他にもいるけど、一番サマになってたのは大ちゃんだと(ヒイキ目かも知れないけど)思います。
でもこういうの見ちゃうと、つくづくSweatが惜しいですね。先シーズンは1回限りのはずのピアソラEXが余りに素敵過ぎて結局正式EXになってしまったっていう事だと思いますけど、Sweatをシーズン通してやってたら、あれはあれで大ちゃんにしか出来ないCoooooool!!なプログラムになってたかも知れない、と思ってしまうのです。
また機会があればぜひああいうのもまたやって欲しいですね。
***
それにしても、ユーモレスクのコミカルさ、Eyeの美しき野獣、ソナチネの意志、そしてフィナーレでのダンサーっぷり…と一体幾つの顔を持っているのかと思ってしまいます。
大ちゃん一人でも盛りだくさんに色んな顔が見れて、大満足のFOIでした。