ウロコのつぶやき

昭和生まれの深海魚が海の底からお送りします。

(大阪への)王の帰還

2009-12-31 18:06:00 | 日記
あれは丁度2年前。12月のなみはやドームで、彼は圧倒的な存在感を示していました。SPではヒップホップで踊りまくり、FSでは2度の4回転を決めて圧勝。絶対王者とも言うべき彼の輝かしい未来を、私たちは信じて疑いませんでした。しかし翌年、銀盤に彼の姿はありませんでした。…
あの日から2年。「そこまでドラマティックにしなくていいから」と神様に文句を言いたくなるような、数多の運命の荒波を乗り越えて彼は還って来ました。奇しくも同じこのなみはやドームへ、王者として。

…のっけからポエム入っててごめんなさい。

***

そういう訳で、全日本選手権です。
今年は長野NHK杯、東京GPF、そして大阪全日本とチケットを取って、でも「3つ全部は行けないだろうなあ」と思ってたんですが、結局全部行っちゃったよ(笑)。
今回、MOIだけはどうやっても仕事が休めそうになくて泣く泣く諦めたので、そこだけが心残りなんですが、それはともかく全日本です。

大阪(梅田)から京橋へ出て、地下鉄で門真南へ。京橋へ来るのも2年ぶり。ここは比較的大きな町で、選手や関係者もなみはやでの試合ではここを拠点にしているようなんですが。

そんな京橋の駅前にひらかたパークがこんな看板出してます。
…そういう訳で、ひらパーではなく正真正銘、本物のバンクーバーオリンピックを目指す全日本での闘いです。とりあえず大ちゃん編。

***

■SP「Eye」
衣装はGPSの派手派手衣装マイナーチェンジ版。私の予想が当たりました。何か賭けておけば良かった。
おなか周りのダブダブ感もかなり解消されてましたね♪
このあざといまでに華々しい衣装を、最早なんの違和感もなく着こなしているのが素晴らしい。

前に滑った選手の点数待ちの時に、靴のヒモを結び直す。「大ちゃんそれやっちゃダメ!」2年前の仙台でのNHK杯のSPでもそうだったんですが、これはあんまり良くないサインらしく。そのせいか若干3Aが怪しかったものの、まずまずいい感じにジャンプをまとめてステップへ。
GPFのような、ガーーーーーーッと来るような、激しい勢いに任せたステップではありませんでした。ただ、あくまで「丁寧」であって「硬い」とは感じませんでした私は。
寧ろ、勢い任せでなかった分ちょっと余裕が出て来てたかも。華麗な舞でした。
ていうか、余裕がなかったのは見てる私たちだ(笑)。
何せNHK杯のトラウマがあるので、ジャンプを無事に飛び終わっても、最後の最後まで油断はできない。故に、「スピンもステップも最後のキメもコケずに決まった!!」→スタンディングオベーションです。
でも実際、最初から最後まで30人くらいの選手を見て、SPを目立つミスなく滑り切った選手ってほんの数人でしたよ。怪我の前、大ちゃんが当たり前にやってたのは、実は何気にすごかった。そして今の彼は、かつての「当たり前」を順調に取り戻しつつある。点数も景気良く90点越え。
国内の試合は点が高めに出るから…といいつつ、実はPCSはGPFの時と一緒なんですよね。サーキュラーステップでレベル4を取れたりその他で点数を上乗せ。
ここで取れたからと言って国際試合でもレベル4が取れるという訳ではないのかも知れませんが(よく分かりませんが)、でもSPでは最初からレベル4を目指してて、本当にそれが決して不可能ではないステップなんだなと再確認できたのは嬉しいですよね。

…で、今回私が一番感動したのは、6分間練習で最初に飛んだ3ルッツでした。
ジャンプの見分けの付かない私が、わざわざ「あのジャンプなんですか?」と詳しい人に聞きに行ってしまった。それくらいびっくりしたんですよ。
よく大ちゃんのジャンプのことを、「飛び上がってから回り始め、回り切ってから降りてくる」と言ってる人がいましたが、そんなこと素人の私にはわからん、と思ってました。あの時までは。
ポン☆と軽く飛び上がり、一瞬静止してからきゅるるっと回転し、またポン☆と降りて来る。そこだけ重力おかしくなってないか?と思ってしまうような物理法則を無視したジャンプでした。いいもの見せて貰いました。

そういう訳で2位以下を圧倒的に引き離した上でのFSですが、やはり油断はできない。如何せんGPFでのトラウマがありますからね(笑)。


■FS「道」
27日の朝は、早めに行くと男子最終グループの公式練習が見れました。
大ちゃんの4回転も、過去の安定感を取り戻すまであともう一歩という感じ。3回転になったり着氷で失敗したりもしていましたが、きれいに飛べてるジャンプもありましたよ。
大ちゃんは最終滑走なので、練習で曲がかかるのも最後です。でも他の選手の曲がかかってる時に「道」の2つのステップを確認してたので、もしかして自分の曲がかかるのを待たずに終わるのかな…と思ったらやっぱりそうでした。
最初のポーズだけ取って(そうしないと曲がかからないらしい)、後はいつもやってる、両腕を振りながらリンクの端を周回する動きをやってから、お辞儀をして去って行きました。

アイスダンス・ペア・女子SP(後で書くかも)を挟んで、男子シングルFS開始。最終滑走で大ちゃん登場。
6分間練習の感じはGPFより良さげ。4回転も1回くらい決まってたような気がするんですが何せ記憶が曖昧なので気のせいだったらすみません。

そして大ちゃんの演技が始まる。最初の4回転、辛うじて転倒を免れた所まではNHK杯と一緒。でもその後のジャンプはあの時より全然良かったです。その後もいくつか細かいミスはあったけど、GPFより断然良くなってました。何よりスピンが全部ちゃんとできてた(笑)。こうなるとステップはノリノリです。FSの日は席がかなり後ろの方だったんですが、活き活きと表情を作って『演じて』いるのが遠目にも分かりましたよ。
お花を渡す時の繊細なしぐさと表情。コインが目に見えるようなコイントス。軽やかな綱渡りでちょっとおどけて。そして最後はやり場のない悲しみが迸るストレートラインステップ。→これはスタンディングオベーションするしかないでしょう。
点数も気前良く。特にPCSが高いですが、試合の流れの中での相対評価としては、個人的にはこのくらい貰ってもバチは当たらん。と思いました。国内での試合だし。全日本なら07年にもALL8点代貰ってたし(なんかPCSって当時に比べると世界的に高騰して来てる気がするんですが)。
まあ、私には点数のことなんてよく分かりませんけどね(←無責任)。

とにかく本当におめでとう。
GPFから3週間。十分とは言えない時間の中で、よくぞここまで進化した所を見せてくれました。
思えば、今シーズン。深夜の特番でやっていましたが、9月にエッジのトラブルから来る思わぬ不調があり、十分に滑り込む余裕のないまま臨んだフィンランディア杯(FS通しで滑ったのが3回目って)。
2年振りの大きな試合でブランクの大きさを痛感したNHK杯。そこからGPFまで2週間おきに日本→カナダ→日本と移動しながらの連戦で、じっくり調整する時間もなく、戦いながら走りながら、実戦の中で一歩ずつ力を取り戻して来た、そんな感じのシーズン前半でした。
全日本の後、「やっと怪我前の状態に近づいて来た」と語ったように、彼は未だ力を取り戻して行っている、その途中の過程にあるんだと思います。
本人的には不満の残る演技だったと思いますが、私的にはここで(結果は出しつつも)『完成形』にならなかったことに実は安心しています。トリノからこっち漠然とフィギュアスケートを眺めてて思ったのは、簡単なプログラムなら完成するのも早いけど、そうやって一度完成したプログラムに更に何かを上乗せするのは、どうやらかなり無理があるっぽいなっていうこと。
NHK杯で大ちゃんが4位に終わった時、どなたかがこんな事を仰っていたのを思い出しました。
「大ちゃんは大丈夫。彼のプログラムはすごく高度なことをやっているから、ちゃんと滑りこなせれば高い点が取れるようになるよ」

ご本人が言うように「この演技ではメダルは取れない」のかも知れません。でも1ヶ月半後の彼の演技が、「この演技」のままだとも思いません。10月のフィンランディアから2ヶ月とちょっとで、彼は驚異的なスピードで進化を遂げて来ました。そして今もまだ、その進化の途中にあります。
ご本人が「あと1年欲しかった」とぼやくように、時間は決して十分ではないのかも知れませんが、ファンとしては間に合うのを信じて待つのみでしょう。
4回転も、練習ではGPFの時に比べると形になって来つつあるように見えたんですけどね。素人目ですけど。全日本にはあと一歩間に合わなかった。オリンピックには間に合いますように。

年明けにでもヒマがあればまた何かあるかも知れませんが、今年の所はひとまずこれで。
皆様どうぞよいお年を。

***

拍手コメントへのお返事

■2009/12/10 10:20
天才肌のアスリートって、いい意味でちょっとクレイジーな部分がある。彼は正しくそのタイプだと思いました。
こういう人を応援するファンも大変ですが、またこういう人だからこそ多くの人を惹き付けるのだと思います。ドキドキハラハラしつつ見守って行きたいものですね。

未来なんてわからないから

2009-12-10 00:31:00 | 日記
GPFを見終えて。

スポーツは結果が全てと申しますが、結果というのはイコール「過去」です。
未来に繋がっているのは、今は表に出てきていない裏の流れ。
故に、表層に現れた結果だけを見ていても未来を予想することはできません。
神ならぬ身に知る由もなし。

最初FSが終わった時には、私も何が起きたのか分からずパニくってましたが(…の割に仮面ライダーがどうとかアホなこと言うてましたが)、今は大分頭の整理が付いたかなという感じです(少しずつ情報も出て来ましたしね)。

そもそもこのGPFは、大ちゃんに取っては「出られるかどうかわからなかった試合」で、始めから「経験を積む場」だと位置づけられていました。勝負はさほど優先せず、「勝てたらラッキー(意訳)」みたいなコメント出してましたよね。

「フィギュアスケートで、同じ怪我から第一線に復帰した例がほとんどない(多分、探してみた限りで似た症例が見つからなかったのではないかと)」という怪我からの復帰で、どこまで戻せるのか当初は全く分からない状況。
「いつまでも『怪我明けだから』を言い訳にする訳にはいかない」という意見もありますが、精神論でどうにかなるほど甘い怪我やブランクではなかったと思います。
それでも、GPFに勝ち残るだけの成績を残せるまでになった。前のエントリーにも書きましたが、彼にとってはこの試合の場所にいることだけでも既に奇跡です。
その上、NHK杯・スケートカナダと2週間おきに続く3連戦は、普通の選手でもハードなスケジュールですよね。

そんな中で叩き出したSPの高得点。
報道によると、スケートカナダの後で宮本さんと振り付けを手直しして来たのだそうです。確かにスケートカナダでは、FSの高い評価に比べると(本人比で動きが硬かった&試合の流れにもよるとは言え)、SPの評価はちょっと物足りない数字に思えました。
そこで泣いたりせずにプログラムを見直し、対策を立てて来た。SP1位という結果は決して偶然ではなくて、経験を元に積み重ねてきたことの成果だったんですよね。
フィンランディア杯で復帰して以来、一試合ごとに一歩ずつ着実に進歩している大ちゃんですが、この試合でも間違いなく、一段高い階段を上がったのだと思います。

ただ、そこで思わぬ好結果が出てしまったことで、見ている私たちも欲が出ちゃいましたね(笑)。
でもきっと本人も同じだったんじゃないかなと思います。勝てるかも、と思った所で当初の目標から気持ちがブレてしまった所はあったのかも知れませんね(それもまた貴重な「経験」かとは思いますが)。
それに、スケートカナダからの短い期間でSPを手直ししたことで、FSの方は余り練習する時間がなかったとも考えられます。
よくメンタルのことが言われますが、本当の自信というものは「練習」という事実の裏づけによって得られるもの。十分な練習ができず、自信を持って臨むのが難しい状況だったのかなと推測します。

それでも、今回の演技にもちゃんと「進化」はありました。スポーツナビによると、「怪我をしてから一番気持ちよく演じることが出来た」というコメント。
そう言えばこの『道』は、2008年に曲名が発表された当初は、大ちゃんに取っては表現的な意味での「挑戦」になると言われてました。
基本的に大ちゃんの表現は、音楽が持つイメージをダイレクトに受信し、「音楽そのもの」を表現するもの(←これができるのが彼の非凡さだと思うんですけどね)。
その彼に初めて明確に、音楽ではなくストーリーやキャラクターを「演じる」ことを要求したのがこの『道』というプログラムだとカメレンゴさんは言っていたし、大ちゃん自身も「殻を破らなければいけない」「演じることに恥ずかしさがある」と発言していました。
いやー、すっかり忘れてましたよ。だってフィンランディア杯で見た最初から全然余裕で「演じてる」ように見えたんだもん(笑)。
でも独自のこだわりを持つ大ちゃんには、自分の「演技」に中々納得できないものがあったのかも知れないですね。
スケートカナダで初めて「アピールできたかな」と感じて、それが高い評価に繋がった。そして今回やっと、彼自身に納得の行く手応えを掴んだのかも知れません。
今回、技術的にはボロボロになっても演技構成点の方はスケートカナダに負けないような高得点でした。単に地元だからというだけではなくて、このプログラムを「演じる」ことを自分の中でものにした大ちゃんの表現がきちんと伝わったということなのかも知れません。

結果や順位がどうあれ、間違いなく前進はしているんじゃないでしょうか。
SPには大きな手応えがあっただろうし、FSの表現的な部分にも一つの答えが出せた。この上でやるべきことは…私なんかが口を出さずとも、ご本人たちには分かっていると思います。
(今回、試合の直前に靴を替えたという報道もありましたので、一緒に見た方の仰っていた「右足のエッジがひっかかっている感じがする」という部分は、靴がなじむことで解決することを期待しています)

ものごとが上手く運ばない時というのは、考えようによってはチャンスだとも言えます。
うまく行っている時に何かを変えるというのは難しいし、何か問題があっても中々見えて来ないもの。不調な時は問題が分かりやすく表に表れているということで、それは問題を解決する良い機会でもある訳なので。そして大ちゃんは過去もそうして、どんな経験も無駄にせずに自分の力に変えて来ました。
多くの課題を一度に全部は解決できないかも知れませんが、信じて見守って行くしかないかなと思っています。

4回転に関しては…私はNHK杯の6分間練習で、カンペキな4回転を飛ぶ大ちゃんを目の前で見ちゃってますからね(笑)。…というのはともかく。
試合前「この試合は経験を積む場」→試合後「GPFは守る試合ではない」
終始一貫しています。実に明確。「勝つ」ことが最優先ではないと、最初からそう言っていた。
「五輪に向けて経験を積むのが目的なのだから、五輪で飛ぶつもりの4回転を飛ぶのは当たり前」という感覚なのではないでしょうか☆

ここまで中々4回転が決まらないことで、見ている方にも焦りが出てきているのかも知れませんが、今年の4月まで氷に乗ることもできなかったし、6月まではジャンプも飛べなかった。
2回転のジャンプでさえ「感覚が全然わからない」と途方に暮れていた所から6種類の3回転ジャンプを取り戻して来たのですから、私はもう少し長い目で見守りたいなと思います。

ともあれ、「経験を積む」という当初の目的は、十分過ぎるくらい果たせた試合なんじゃないかなという気がします(笑)。
そして観に行った私自身も、今回は色々と今までになく濃い経験をさせて貰いました。
行って良かったと思います。ありがとう。

正直「あんまり無茶するなよー」と思うこともないではないですが、こういう人を応援するからには、振り回される事も覚悟の上。
…いや、振り回されることも幸せです。去年のことを思い起こせば。

***

拍手コメントへのお返事

■2009/12/7 14:01
情報ありがとうございます。実は既に別の方に教えて頂いていました。
大ちゃんの周辺には、プロ意識の高い、本質を語れる人が多いですね。
GPFでは相変わらずのジェットコースターっぷりを見せてくれた大ちゃんですが(笑)、全日本も安全ベルトを装着の上、腹を括って応援して参りたいと思います。

東京強行軍

2009-12-09 23:44:00 | 日記
念のため。今回は観光地へは行ってません。

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そういう訳で東京グランプリファイナルです。正直、チケットを取る時から行くか止めるか悩んでたんですが、大ちゃんの出場が決まった瞬間行く気満々になってしまい、うっかり東京まで遠征してしまいました(まあ、新横浜と大差ないっちゃないですしね)。4日から6日迄2泊3日の小旅行。行ってよかったです。

■4日
大ちゃんのSPの衣装がまた変わっていた。しかも、どうかしちゃってるくらいド派手になっていた。
でもライダー&戦隊のスーツに免疫ができてる私にとってはこれくらいは楽勝です。ていうか、こうなると逆に今迄の衣装が大人し過ぎるように思えて来るから不思議。「eye」の妖しい雰囲気にも似合ってるし、強そうだし。着るとテンション上がりそう。
お腹周りがだぶついてる(?)感じがするのは直して欲しい所ですが。

とは言え、練習時からあまりいい話が伝わって来ないのでちょっと、いやかなり心配でした。前日の練習を見ていた方によれば、4回転以外はいつも通りで決してマスコミが言うような不調ではないそうですが、思えばカナダから帰って来て2週間足らず。疲労も溜まる3連戦の3戦目ですから、中々万全の体勢とはいかないはず。

しかしそんな私の心配を余所に、ジャンプは三つともきれいに決まる。
そしてステップは…ポエムっぽく言ってしまうと、燃え盛る紅蓮の炎のような舞でした。
迸る情熱、醸し出す色香。盛り上がる観客。点数だって気前良く出ちゃう。
今回全体的に点数高めでしたが、それでも大ちゃんの点を上回る選手はなく(世界歴代2位だし)、SP1位で折り返し。
単に点数が高いだけではなくて、08年のDOI で最初に演じられた時の、滴り落ちるような激しさと妖しさが戻って来たみたいな演技でした。
これが生で拝めただけでも、東京まで来た甲斐はありました。


■5日
今から思えば、ちょっと私たちも期待し過ぎていたかも知れません。SP1位とは言え点差がほとんど無い事も分かっていましたが、SPのような演技が出来れば…と。とは言え、最終の目標は2ヶ月後にあるので、ここでピークが来るのもどうだろうという懸念は全くの杞憂に終わりました(笑)。

4回転で転ぶのは想定内だったんですが、その後のトリプルアクセルでショックを受ける。そこから何か動きが変になって、スピンがものすごくやりにくそう。私の目はフシアナなので、現地でご一緒させた方のお言葉を借りると「右足のエッジがずっとひっかかってるのが気になった。でも苦手なループとサルコウはちゃんと飛べてた」とのこと(ジャンプの種類等、うろ覚えにつき間違いがあったらご指摘下さい)。

終わった瞬間はショックというよりもみんな「なんで????」という感じ。
ご本人はカメラに手を合わせて「ごめんね」ポーズをやってるし、結構明るい感じなのは救いなんですが。さあ、そこからがもう大変というか、ファン同士が集合して「なんで?」「何がいけなかったの?」の大討論会状態というか。
まあ、私はひとりで「あのSPのキメポーズで何に変身できるのか」とか言ってた訳ですが。
(個人的には仮面ライダーカブト(水嶋ヒロ)とかお勧めです)

■6日
「EXはシニア3位までとジュニアの1位、地元枠はなし」という噂があったので大ちゃんは出ないのかと思ってたんですが、新聞のテレビ欄には名前があるしと思って会場に行ってみたらしっかり地元枠に入ってましたよ。そういうことはもっと早目に教えて下さい。もうちょっとでEX見るのやめてしながわ水族館に行く所でした。さようなら海中トンネル。

そんなこんなでLuv letter。
※以下は単なる私の妄想です。

天から降り注ぐ金色の光。舞い降りて来る一片の花弁。
そっと受け止める両の掌から、いつしかすり抜けて消えて行く。
幻に手を差し伸べても、腕は虚しく空を抱くばかり。
決意を込めて面を上げ、孤独な空へと舞い上がる。
花に舞い、風に舞い…
…トリプルアクセル飛びたいけど、ちょっと助走が短すぎる。
でもこれ以上振り付け削りたくないから、
このまま無理やり飛んでしまおう…ってやっぱり無理でした☆

…もうこの曲はこういう振り付けだと思うことに致します…。

フィナーレではいつものように、誰よりもノリノリで踊ってました。
2手に分かれて輪になって後ろ向きに滑ってる時に、バッククロスの足がちゃんとリズムに合ってて、「そこまでやるか」と思いました。
登場するときのジャンプがちょっと失敗しながらも沸いていたので、もしかして4回転に挑戦した?と思っていたら、4は4でもフリップの方だったらしい…。
多分『3回転を安定させるための4回転の練習』なんだと思いますが、相変わらずの火の玉っぷりに安心しとくべきなんでしょうかここは。

長くなったので総括は別エントリーで。
拍手へのお返事もそこで。

るぶれたーfromカナダ

2009-12-01 10:32:00 | 日記
※拍手のお返事1件追加

そんな訳でかれこれ1週間前のスケートカナダです。
いや私基本的にどんぶり勘定なもので、NHK杯で4位だった時点でGPFは難しいかなとか思い込んでいた訳です。そうしたら現地でお会いした方が、「まだチャンスはあるよ。スケートカナダで1位か2位になったら行けるよ」と。果たしてGPFに出るのが大ちゃんにとってお得なことなのかどうか分からなかったんですが、でもそう聞くと出て欲しくなりますよね。

今回は、(1)時差ぼけキツい(2)練習で追い込めてない(NHK杯の後の疲れ)(3)リンクが狭い(4)氷が滑り過ぎる…と中々ハードな状況だったみたいですが(3と4は他の選手も苦労してたっぽいですが)、そんな中でもミスを最小限に押さえてGPF出場を勝ち取れるなんて、怪我前の、アスリートとしての力強さみたいなものが確実に戻って来ているみたいで嬉しいですね。

演技の方も、フィンランディア杯からの3試合で、1回毎に確実に、前回の課題をひとつひとつクリアしながら前進して行っている感じで、頼もしい。
SPの「Eye」は多分「課題:コケないこと」をクリアした演技かと思います(笑)。ステップでコケるより、ジャンプの回転不足の方が点数的にはダメージが大きいのかも知れませんが、見る方としては演技に空白がないのは助かります(笑)。今回は最後のキメポーズまでバッチリでした!!
衣装が一周回ってDOIの時のに戻ってましたね。やっぱりこれが一番色っぽい。大分髪も伸びて来て衣装に似合う感じになってましたね。でも最終的にどれにするんだろう。

FSは良かったですね。4回転が3回転になってしまったのは残念ですが(EXの練習でタイミングを掴んだという発言に期待)、今迄で一番いい「道」でしたね。
私はまだ元ネタの映画を見ていないんですが、このプログラムは独特のじんわりした優しい雰囲気を感じます。元の映画が白黒だからかどうかは分からないけど、色は原色ではなく(衣装の色とは関係なく)グレイがかったパステル系の色彩で、だけど決して地味ではない感じ。
パントマイム風な動きのせいか、次から次へと場面が変わって行く感じで見ていて飽きないですよね。
それにパントマイムがちゃんと音楽に乗れてて、指先まで動きが美しい。それでクライマックスに向けてぐーっと盛り上がって行くんですね。
今回、審判の人たちからの評価も高くて嬉しかったです。

そしてEXるぶれたー。
何て言うか、切ない。ふっと顔を上げて、空から落ちて来た何かをそっと大切そうに手のひらで受けて、抱きしめる。それだけで何やらドラマを感じてしまう訳です。柔らかくて繊細な腕や手先の動きを袖口のちりめんヒラヒラが強調して、花びらが風に舞うような、鳥が羽ばたいているような感じに見えるのがすごく好き。そこへピアノの分散和音を聞くと、何故だか『雨』を連想して、妙に切なくなるんですよ。

それにしても、ファイナル出場を決めてくれたのは嬉しいですね。
テレビ朝日さんに取っても嬉しかったみたいですが(だからって演技3回も流すのはやり過ぎだと思います。「ファイナル出場決定!」のテロップの書体は昔のワイドショーみたいだし)。
でもともかく、ご出場おめでとうございます。
去年の今頃の事を思うと、殊更にそう思います。
どんな順位であれ点数であれ、試合に出なければ付きませんから。
試合のあの場所に立つことは、それだけで一つの勝利なのだと、去年しみじみ思いました。
特に大ちゃんに取っては、ファイナルの舞台に立つ事それ自体がひとつの勝負に勝ったという事だと思うので、勝者としての誇りを持って、胸を張って戦って欲しいと思います。
ここでまた一つ経験を積んで、次につなげられると良いですね。

***

チケットだけは一応押さえたものの、実際にファイナルに行くかどうかはかなり迷ってたんですが…いざ大ちゃんの出場が決まると、速攻でホテルの手配をしていた自分がいます(笑)。だって長野行くより東京の方が全然楽そうなんだもの…。
…という訳で、東京にも行って参りたいと思います。

***

拍手コメントへのお返事。毎度遅くなってすみません。

■2009/11/12 21:18
ありがとうございます。「道」はスケートカナダでは更に良くなっていましたね。
見ていて飽きない、4分半があっという間の凄くいいプログラムですよね。

■2009/11/13 23:15
スケートカナダでは転びませんでしたよ!(笑)
でも彼のこの演技が再び見れて、本当に良かったですね。ここまで来るのは大変だったと思いますが、帰って来てくれたことに何度でも感謝したいです。

■2009/11/14 12:08
こんにちは。こちらこそ現地ではお世話になりました。
3Aはスケートカナダでも飛んでたんですね。試合モードだと毎回あれが入るんでしょうか。
個人的には、あれはなくても十分魅せられると思うんですが、あれで次の試合に繋がる何かがあるというのならそれでいいです。

■2009/11/14 14:45
ご感想ありがとうございます。
SPの衣装、また変わりましたね(笑)。今度はおなじみの衣装でしたが…。
日本人は、外国人の長い手足に憧れますが、ヨーロッパの人たちからは、日本人の、アニメやマンガのキャラのようなスリムな体型が憧れだと言う話も聞いた事があります。大ちゃんの体型はまさにそれのような。
FSは本当に独特な世界ですね。センスがないと絶対に演じられないプログラムだと思います。
スケートカナダではまた一歩前進して、本当に着実にオリンピックへ向けて進んで行ってくれているのは嬉しいですね。

■11/14 1:26
地味に前の拍手ボタンを押して下さる方もまだいるんですよね。
現地で見るとやけにあの空白が長く感じられてドキドキしましたね(笑)。心臓に悪い経験ですが、それもまた生の醍醐味かも知れません(笑)。
カメレンゴさんの作るプログラムは素敵なものが多いですね。私は南里選手のプログラムもなにげに気に入ってます。
練習を重ねるよりも、一度の試合の方が実になる…ということもあるのかも知れないですね。大ちゃんも長光先生も、今回のファイナルは「実戦経験を積む場」と位置づけているみたいです。どんな結果であれ、次に繋がる何かを又ひとつ掴んでくれると良いですね。