そういう訳で、色々とあった今年の世界選手権も(男子は)終わりましたね。
大ちゃんの結果、結論から言うと悔しかったですね!!!
…前にも書いたように、結果が不本意な時に悔しいと思えるのは、それだけ選手を好きだと思えてる証拠。時には思いっきり悔しがるのもスポーツの醍醐味だと私は思ってます。
とは言うものの、正直言うと実はそんなに凹んでもいない私がいます。
なんかね、今回は敗因がはっきりしてる上、本人にはどうにもならない不可抗力の部分が大きくて、それがより悔しいとも思えるかも知れないけど同時にあきらめが付きやすいっていうか(ていうかF1ではこんなのばっかりだ)。
それに彼が試合に出ていなかった時の事を思うと、どんな結果であれ、試合に出たからこそ結果が出たのだと思えばありがたい。戦わなければ負ける事もできないのだと、あのとき改めて思い知らされましたから。
それを考えれば、早々に飛び出た「ソチまで続行」宣言。嬉しかったと同時に、「やっぱりね」と思ってニヤリとしてしまいました。
***
最初に「ボクらの時代」に出た2008年。当時バンクーバーを最後に引退する、と言っていた大ちゃんは「体力的にはやれるだろうけど、精神的に持たないと思う」とその理由を語っていました。
今から思えば、きっとあの頃は精神的に疲れてたんだろうと思います。その後も色々あって、前十字靭帯断裂という大怪我を負ったのは、そんな精神の疲労がピークに達していた時ではなかったかと。
あの怪我がなければ迷わずバンクーバーでやめていただろうし、下手するとバンクーバーまでさえも持たなかったかも知れないな…と思わないでもないです。
でもその精神的な疲れが、怪我をきっかけにリセットされたように見えるんですね。
多分本人も、バンクーバーのシーズンが終わって「あれ?まだまだいける?」って何よりメンタルの面で感じたんじゃないでしょうか。
ちょうど一年後に自国開催の世界選手権がある、というのは、「もうちょっとだけ続けてみよう」と思うには良いきっかけだったのかも知れません。
それでも、「4年後を目指します」となかなか言えなかったのは、トリノからバンクーバーまでの波瀾万丈っぷりを思えば無理からぬことと思います。
それに4年後となると、今度は体力面で「持つ」だろうか?若手がどんどん上がって来るのに、彼らと戦っていけるだろうかっていう不安が出てくる。
そんなこんなで表面上は「一年一年」を口にしていたけど、本当はずっと4年後のソチに未練があったんじゃないかなーと思います。
北島選手との対談の時、「やっぱり金メダルが欲しい」って言ってましたもんね。
あの時、意味深に「僕もロンドンとは言いません」と言ってた北島さんは、見事に復帰してロンドン五輪へ一直線だし。
今シーズン予想外に苦戦したのは、メンタルというよりフィジカルの面が強いと私は思っています。
直前の特番では番組の都合で100%メンタルが原因みたいに言ってたけど、GPFでぶつけられたあの衝撃はちょっとした交通事故のレベルだと思う。気力でどうこうなる範囲を超えてると思います。
とは言うものの、迷わずソチを目指して戦っている若手との間には温度差があったんだろうし、どこかモチベーションの焦点を合わせるのに苦労していたのも確かなんだろうなと思いました。
自分が若手だった頃は周囲に勝手に気を遣って圧倒されてたみたいだけど、ベテランになったらなったで、自分は若手に道を譲るべきなんだろうかとか無意識に考えてしまうタイプのようにも見えるし。
マスコミはマスコミで「こっちにもソチに向けての予定ってもんがあるんだから、やめるんならやめるって早く言ってよ」みたいな圧力をかけてくる(ような気がする)し。
ソチを目指したい。でも、できるんだろうか。いいんだろうか。…っていうのが、今シーズンずっと彼の中でひっかかってた悩みだったのかな、と思いました。
それが、今回の試合がこういう結果に終わったことで、「いいや、やりたいんだからやっちゃえ」って自分の気持ちに正直になれたように感じられました。なんか、見てるこっちも胸の仕えが取れたような。
本当は、大ちゃんの中ではとっくに答えは出てたんじゃないのかなーと思います。
人一倍気にしいだから、色々気を遣って結論を出せなかった。でも、やって失敗するよりも、やらない方が後悔するのが大ちゃんですもんね。
それに熊川さんも、「ボルトを抜いたらもっと良くなるよ」って言ってましたもんね。だから私は、ボルトを抜いた大ちゃんが試合で戦うのを見たかった。
熊川さん、金スマの時とうってかわってえらいフレンドリーになってましたけど、すごく現役続行の方向へ肩を押してくれていたような気がする。
熊川さんも36歳にしてあんなに軽やかに飛び回ってるし、北島さんもあの通りの活躍っぷりだし、それだけストイックに体のメンテナンスには気を配ってるんだろうけど、大ちゃんにもやれる、と私は信じています。
(そもそもフィギュアの選手寿命が短いのは、他のスポーツに比べてフィジカルケアへの取り組みが遅れてたのも原因だと私は思ってます。「チーム高橋」を構築した大ちゃんはそういう意味では先駆者的存在じゃないかな?)
***
これからも現役を続けて行くなら、またきっと今回のように、ファンも悔しかったりしんどかったりいろんな事があるでしょう。
でもこれからも試合の度にドキドキできたり、今度はどんなプログラムをやるんだろう?って楽しみにできるのはやっぱり凄くうれしいです。
ありがとう大ちゃん。あなたがスケートを続ける限り、ずっと応援しています。
***
P.S.小塚選手は銀メダルおめでとう。もう一人の日本男子に関しては…「ほら。」としか言いようがない。ていうか、彼のスケートに関しては正直もうどうでもいいんだけど、一応ライトな歴史ファンとしては色々ツッコミたいことがあるので、その内何か書くかも知れません。
***
■拍手コメントへのお返事
2011/4/22 21:55
神戸チャリティー、すごく心の込もったいい雰囲気のショーでした。大ちゃんに関しては、理屈よりも自分の気持ちに忠実に従う方が、仮に上手くいかなくても後悔はしないんだと思うし、この時期にやってよかったと私は思います。大ちゃんは完璧ではないし聖人君子でもないけれど、そんな自分をいつも冷静に見つめている…というか、人も自分もよく観察している賢い人だと思います。私たちまだ試合で戦う彼を応援することができそうですね。私が大ちゃんの事を信じられるのは、いつも上手くいくからではなくて、例え上手くいかない事があっても、それを自分の成長のきっかけとして使うことのできる人だと思うからです。だからずっと応援できる。幸せなことだと思います。
大ちゃんの結果、結論から言うと悔しかったですね!!!
…前にも書いたように、結果が不本意な時に悔しいと思えるのは、それだけ選手を好きだと思えてる証拠。時には思いっきり悔しがるのもスポーツの醍醐味だと私は思ってます。
とは言うものの、正直言うと実はそんなに凹んでもいない私がいます。
なんかね、今回は敗因がはっきりしてる上、本人にはどうにもならない不可抗力の部分が大きくて、それがより悔しいとも思えるかも知れないけど同時にあきらめが付きやすいっていうか(ていうかF1ではこんなのばっかりだ)。
それに彼が試合に出ていなかった時の事を思うと、どんな結果であれ、試合に出たからこそ結果が出たのだと思えばありがたい。戦わなければ負ける事もできないのだと、あのとき改めて思い知らされましたから。
それを考えれば、早々に飛び出た「ソチまで続行」宣言。嬉しかったと同時に、「やっぱりね」と思ってニヤリとしてしまいました。
***
最初に「ボクらの時代」に出た2008年。当時バンクーバーを最後に引退する、と言っていた大ちゃんは「体力的にはやれるだろうけど、精神的に持たないと思う」とその理由を語っていました。
今から思えば、きっとあの頃は精神的に疲れてたんだろうと思います。その後も色々あって、前十字靭帯断裂という大怪我を負ったのは、そんな精神の疲労がピークに達していた時ではなかったかと。
あの怪我がなければ迷わずバンクーバーでやめていただろうし、下手するとバンクーバーまでさえも持たなかったかも知れないな…と思わないでもないです。
でもその精神的な疲れが、怪我をきっかけにリセットされたように見えるんですね。
多分本人も、バンクーバーのシーズンが終わって「あれ?まだまだいける?」って何よりメンタルの面で感じたんじゃないでしょうか。
ちょうど一年後に自国開催の世界選手権がある、というのは、「もうちょっとだけ続けてみよう」と思うには良いきっかけだったのかも知れません。
それでも、「4年後を目指します」となかなか言えなかったのは、トリノからバンクーバーまでの波瀾万丈っぷりを思えば無理からぬことと思います。
それに4年後となると、今度は体力面で「持つ」だろうか?若手がどんどん上がって来るのに、彼らと戦っていけるだろうかっていう不安が出てくる。
そんなこんなで表面上は「一年一年」を口にしていたけど、本当はずっと4年後のソチに未練があったんじゃないかなーと思います。
北島選手との対談の時、「やっぱり金メダルが欲しい」って言ってましたもんね。
あの時、意味深に「僕もロンドンとは言いません」と言ってた北島さんは、見事に復帰してロンドン五輪へ一直線だし。
今シーズン予想外に苦戦したのは、メンタルというよりフィジカルの面が強いと私は思っています。
直前の特番では番組の都合で100%メンタルが原因みたいに言ってたけど、GPFでぶつけられたあの衝撃はちょっとした交通事故のレベルだと思う。気力でどうこうなる範囲を超えてると思います。
とは言うものの、迷わずソチを目指して戦っている若手との間には温度差があったんだろうし、どこかモチベーションの焦点を合わせるのに苦労していたのも確かなんだろうなと思いました。
自分が若手だった頃は周囲に勝手に気を遣って圧倒されてたみたいだけど、ベテランになったらなったで、自分は若手に道を譲るべきなんだろうかとか無意識に考えてしまうタイプのようにも見えるし。
マスコミはマスコミで「こっちにもソチに向けての予定ってもんがあるんだから、やめるんならやめるって早く言ってよ」みたいな圧力をかけてくる(ような気がする)し。
ソチを目指したい。でも、できるんだろうか。いいんだろうか。…っていうのが、今シーズンずっと彼の中でひっかかってた悩みだったのかな、と思いました。
それが、今回の試合がこういう結果に終わったことで、「いいや、やりたいんだからやっちゃえ」って自分の気持ちに正直になれたように感じられました。なんか、見てるこっちも胸の仕えが取れたような。
本当は、大ちゃんの中ではとっくに答えは出てたんじゃないのかなーと思います。
人一倍気にしいだから、色々気を遣って結論を出せなかった。でも、やって失敗するよりも、やらない方が後悔するのが大ちゃんですもんね。
それに熊川さんも、「ボルトを抜いたらもっと良くなるよ」って言ってましたもんね。だから私は、ボルトを抜いた大ちゃんが試合で戦うのを見たかった。
熊川さん、金スマの時とうってかわってえらいフレンドリーになってましたけど、すごく現役続行の方向へ肩を押してくれていたような気がする。
熊川さんも36歳にしてあんなに軽やかに飛び回ってるし、北島さんもあの通りの活躍っぷりだし、それだけストイックに体のメンテナンスには気を配ってるんだろうけど、大ちゃんにもやれる、と私は信じています。
(そもそもフィギュアの選手寿命が短いのは、他のスポーツに比べてフィジカルケアへの取り組みが遅れてたのも原因だと私は思ってます。「チーム高橋」を構築した大ちゃんはそういう意味では先駆者的存在じゃないかな?)
***
これからも現役を続けて行くなら、またきっと今回のように、ファンも悔しかったりしんどかったりいろんな事があるでしょう。
でもこれからも試合の度にドキドキできたり、今度はどんなプログラムをやるんだろう?って楽しみにできるのはやっぱり凄くうれしいです。
ありがとう大ちゃん。あなたがスケートを続ける限り、ずっと応援しています。
***
P.S.小塚選手は銀メダルおめでとう。もう一人の日本男子に関しては…「ほら。」としか言いようがない。ていうか、彼のスケートに関しては正直もうどうでもいいんだけど、一応ライトな歴史ファンとしては色々ツッコミたいことがあるので、その内何か書くかも知れません。
***
■拍手コメントへのお返事
2011/4/22 21:55
神戸チャリティー、すごく心の込もったいい雰囲気のショーでした。大ちゃんに関しては、理屈よりも自分の気持ちに忠実に従う方が、仮に上手くいかなくても後悔はしないんだと思うし、この時期にやってよかったと私は思います。大ちゃんは完璧ではないし聖人君子でもないけれど、そんな自分をいつも冷静に見つめている…というか、人も自分もよく観察している賢い人だと思います。私たちまだ試合で戦う彼を応援することができそうですね。私が大ちゃんの事を信じられるのは、いつも上手くいくからではなくて、例え上手くいかない事があっても、それを自分の成長のきっかけとして使うことのできる人だと思うからです。だからずっと応援できる。幸せなことだと思います。