ウロコのつぶやき

昭和生まれの深海魚が海の底からお送りします。

ゾイドジェネシス・最終回

2006-03-26 22:48:18 | アニメ
手に汗握った最終回。
人間も三十を過ぎれば、大概のもんには「どうせ最後はラスボス倒してハッピーエンドでしょ?」と気楽に構えてるもんなんですが。

行けっそこだっ……あー、ダメだったか……よし、今度こそ行ける……うーん、あともうちょい!……うわっ押されてるヤバイ……おし、何とか凌いだ!……反撃、行けるか?……うーん、厳しい。他なんか手があったっけ? まだ行ける? よし、もうちょい頑張れ、行け、行け、よし、行ったー!

みたいな。この臨場感は一体。朝から疲れましたよ何だか。
バイオティラノ……手強い奴だった……。

これまでゾイドバトルより人間ドラマを重視して来た「ジェネシス」の最終回がまるごとゾイドバトルだった、というのは意外ではありますが、でも、よく考えたら納得でもあります。
これまでキャラクターたちの人間性、彼らとの出会い、ルージの考えに共感して共闘するようになるまでの過程を丁寧に描いて来たからこそ、そんな彼ら全員が力を合わせて最後の敵を倒す、そんなラストが相応しかったのかも知れません。

ルージが勝つかジーンが勝つか。大陸の多くの人々の未来を決める最後の決戦。
けれど、決してルージ一人でジーンを倒した訳ではない。
後方で援護する者、偵察を担当する者、遠距離から弾幕を張る者、ケントロ軍団&トリケラ軍団の侵攻を食い止める者。
またバイオティラノへの仲間たちの攻撃も決してムダではなく、攻撃力を削ぎ、装甲を弱体化させて最後の一撃へと繋げた。
ジーン/ティラノVSザイリン/ヴォルケーノのバイオ粒子砲対決もカッコいい。
レ・ミィが一貫して「守られる女」ではなく「守る女」として描かれていたのも好感度。

そして最後に明かされるムラサメとエヴォルトの秘密。
元々ムラサメ自体が、ルージの望みによって生み出された存在だった、というオチ(そりゃ他の人には乗れない訳だ)。

それにしてもルージくん、大きくなりましたね。
本来なら一生村から出ることもなく過ごす筈だった田舎の少年が、偶然の積み重ねから村を出て世界を知り、己の小ささを知り、世界を大きく動かすまでに成長して行った。

スタッフの皆様、1年間ありがとうお疲れさまでした、と素直に言える作品でした。

エピローグ(それぞれのその後)がないことは、実はあんまり不満じゃないです。
寧ろ、変にオフィシャル見解での「その後」を決められなくて良かったかも、と思います。ディガルドが消えた後、激動する大陸の勢力図は、それはそれで様々なドラマを産み出すこととは思うのですが、そういうのも自由に想像して楽しみたい、と思いました。
ザイリンさんはザルツ村に帰ったんだろうなあ……。

今週のスーパーヒーロータイム

2006-03-26 22:46:49 | 特撮
■ボウケンジャー

恐がりな男が、恐がりなことを指摘され、恥に感じてつい意地になり、「こっ、恐くなんかないやい!」……というありがちなネタではなく、「何もなければ墓荒らしも平気、しかしだからこそ、本当にヤバイ所には絶対に近付かない」という黒のアプローチは中々興味深かったのですが。

なんだか有耶無耶になった挙げ句に、唐突に女の友情話に。桃と黄色っていつ見ても「男が考えた女」感が拭えない……。

ガジャ様がチョロチョロ小細工してたとはいえ、あんな激強な「番人」がいたってことは、つまり「呪い」と呼んでもそうおかしくないものは実在していたということになるんじゃないかと思うんですけど(ていうかガジャ様の存在自体が呪いなような)。
所であの番人、昨日はセイザーXに出てませんでしたか。

小ダメージを与えておいて、ショートソードを打ち込んでハンマーでぱっかーん!とやるのが楽しかったです。

■カブト

「選ばれし者」というのは、カブト&ハチに「選ばれし」者のことだったようです。
しかもそれは、一度選ばれたら安泰ってもんでもない。「カブトを倒す」ことに固執する余り(何か理由でもあるんでしょうか)、「仲間を守る」という最も大切なことを忘れた矢車さんはその資格を失い、力がないなりに精一杯の力で仲間を守ろうとした加賀美くんが選ばれる……んですが。

そして少しずつ明らかになるひよりの過去。「ベルトとは長い付き合いだ」という天道、七年前にはもうベルトをしてた?
そう言えば、勝手にベルトが直ってましたが。よく考えたら一話で加賀美くんが巻いてた(そしてスカった)ベルトがありませんでしたっけ。

やられた?!→死んだフリだよーん→でもやっぱり倒れるのね。
念の入った天道の倒れ方。

今週のセイザーX

2006-03-25 22:45:26 | 特撮
拓人、ブレアード、サンダーラ。三人それぞれの想いが交錯する切ない幕切れ。
普通サンダーラって新人の美少女アイドル使いそうな役なのに、頑に着ぐるみ。
ラスト近く、サンシンを手にしたブレアードさんと並ぶたっくん。しみじみ。

そして生身のレミーちゃんは、たっくんに代わって思いっきり主役のポジションで戦っておりました。
レミーちゃん強ーい! かっこいー!
イーグルにリフトされながらのキックに燃え&萌え。
あと、なにげにたっくんはレミーが好きっぽい感じがした。最終的にこの二人はくっつきそうな気がします……。
恋愛描写はやっぱり戦隊より超星神の方が上手いと感じます。

そんな中、話も急展開。グロ姐さんもまさかの退場。
待て次号。

今週のゾイドジェネシス

2006-03-22 22:33:41 | アニメ
終回まであと1週!
ていねいに伏線を積み重ねた、本当の意味で最終回が楽しみな物語は久しぶりです。

食事係の無敵団から兵站担当のヤクゥ&ドクゥまで、今までの出会いを通して集まった仲間たちを、効果的に配しての布陣。
決して精神論だけに頼らず出来得る限りの準備を整え、しかし同時に味方の士気を鼓舞することも疎かにしない。

偵察(コトナ)→長距離射撃(ロン)→中・短距離射撃(ダンブル・無敵団・ガボール&ティ・ゼのWサーミックバースト他)→格闘戦(ルージ・ガラガ・師匠・その他&ミィはソウタとランスタッグ部隊(多分キダ藩旧臣)率いての戦闘)
……実に合理的ですね。

一方ジーンは、味方を道具扱いしていたがために、誰も周りに残っていない(それを又、本人問題にしてない辺りがなんとも)。
今では敵と言えなくなった「ディガルド」とジーン個人を切り離し、ジーン一人を敵とすることで構図の単純化に成功しています。
そして同時に、「敵国」であった「ディガルド」と対話することの重要性も表現できています。

あとはジーンを倒すだけ……なんですが、そう簡単には行きそうもない。

次週最終回、固唾を飲んで待て!

スーパーヒーローと組織

2006-03-22 22:31:40 | 特撮
ピンクの話を、「女の子なんだからもっと愛想よくしなくっちゃあ」というオヤジの視点ではなく、「真面目過ぎるのも考えもん」という観点で語ったのはいいんですが。

自分では対処できない事態になりつつあるのに、応援を要請するどころか連絡も入れず、自分一人で何とかしようとしたけど結局できずに事態を悪化させた…ってこれ、仕事をやる上でやっちゃいけないことのかなり上位に位置するような。
こういう場合、性質の悪いことには、今回の話みたいに「真面目で一生懸命やっていたから(いいことなんだ)」だと本人思い込んでるし、周囲もそう思いがちな所なんですよね。
ホント言うと、本当に真面目なら、「自分一人では任務遂行は困難だ」と判断段階で他の人に助けを求めるのが正しいのです。それができないのは、「自分一人の手柄にしたい」というエゴか、「自分一人ではできない」という判断ができない=能力がないから。

……なんて、お子様番組相手にホンキになり過ぎですか、そうですか。
でもこの人(ピンク)、元警察官なんですよね……。それ考えるとちょっと恐い。

ボウケンジャーに関しては、先週も組織としての描き方が「?」だったんですよね。

ミスターボイスの命令が普通なら、「我が命我がものと思わず」な非情な組織なのか?と思っちゃうし。でもそれが組織の基本方針にしては、赤があっさり命令違反してるし。赤って一応役職付きだし(なにげによく考えてみると、レッドにはっきり管理職の肩書きが付いた戦隊って今まであんまりなかった気がする)、組織の基本方針は本来了解してるはずなんでは、と謎に思ったんですが。

ボウケンジャー、話自体は面白いと思うんですが、組織の描き方として見ると、ちょっと甘いのが気になりますね。
……まーこれが超星神だったらこんなことは気にならないって言うか、気にしようって気にもならないって言うか。


■今週のカブト

翻ってカブトの方なんですが。
先週の感想で「構図が見えない」と書いたんですが、今週になって見えて来た構図はどう見ても、「個人 VS 組織」の対立の構図。
それってとっても「ZECT VS 天道」。
あれ? ワームはどうなってるの? 敵そっちのけで、味方同士の内輪もめこそが話の本筋だった(それはそれで面白かったけど)アギトパターンの再来か。

聞いた話ですが、「ドラゴン桜」によりますと、「自由な奴とは、自分自身のルールで生きる奴のこと」なんだそうですよ。
天の道を行く天道くんは、人の道には従いません。自由に生きる、それは、たった一人で集団の力に立ち向かうこと。自分の「強さ」に絶対の自信がなければ選べない道。
その「強さ」がないものは「集団」の中に取り込まれるしかないし、そうなってたら当然、集団のルールに従わなければならない。
それが調和。パーフェクトハーモニー。

「集団」の力を全面的に肯定して受け入れる矢車と、「個」であることを貫こうとする天道。そして、「力」がないために「集団」に属していながら、微妙に集団からドロップアウト気味の加賀美。……という構図。

それにしても、天道は強烈なキャラクターですね。他人から誤解されても憎まれても、それでも自分自身を貫く「強さ」が今年のヒーローなのかも知れません。
なんの前置きもなく神父に変装して出て来る、あのハッタリ具合がたまらない。
天道役の役者さんも上手くなりましたね。声も良いし。最初はちょっとぎこちなかった俺様台詞を、今では堂々とノリノリでしゃべってる……。