大分前に書いたテキストを発見しました。「ブリザード」で検索してこのブログに来る人が意外といるみたいなので上げておきます。
それにしても、「プリザーブドフラワー」の事を「ブリザードフラワー」だと思ってる人結構多いんですね。
***
以前BeeTVでやってた、川中島学園の上杉さんこと與真司郎くん出演の雪山サスペンスドラマ「ブリザード」。
私AUユーザーなものでBeeTVを見る事ができず、YouTubeで無料公開されてた3話までとノベライズ版の感想を以前上げてたんですが(これ)。
あれから1年経ってようよう東映チャンネルで全部見れました。
今回はもう、配信もとっくに終わってDVDもレンタルされてるらしいし、東映チャンネルでの放送も終わってるので遠慮なくネタバレします。
以下、まだ見てない方でこれから見ようって人は読まない方が良いと思われます。
***
私は基本ネタバレ気にしない派なので迷わずノベライズ版の方を先に読んでしまったのですが、正直これに関しては、先に映像の方を見ておけばよかったなーというのが率直な感想でした。
それもできれば一気見じゃなく、1話ずつ小出しにして見ないと面白さ半減。
短編の連続ものを繋げれば2時間の長編が1本できるっていう単純なもんじゃないんだな、っていうのがこれ見てよく分かりました。短いスパンで大きく展開する流れがあって、その度に思わせぶりに「引き」を作って、っていうのを繰り返すから、続けてみてると結構疲れます。これはやっぱり「引き」が出た所で一旦終わって、次はどうなるんだろうとドキドキしながら待つのがベスト。
で、ノベライズ版はノベライズ版で、「映像」と「文章」の表現の特質は全く違うので、基本的な話の筋が同じで書いた人も同じだけど、全然違う印象だなとも思いました。
変な話、映像だと嘘を付きやすいというか、見方によって違う意味に見えて来る「絵」を見せてミスリードを誘い、「こうだと思ってたけど実はこうでした。びっくり!」というドキドキ感を楽しめるのですが、文章だとそう何でもかんでもぼかした書き方をする訳にも行かないので、一番の核心になる部分以外は結構早い段階でガンガンネタをばらして、その分、そこに至る心理的な背景をじっくりと…という感じ。
で、先にノベライズの方を読んでから映像を見ると、ネタの方はもうバレてるし、ノベライズのようにじっくりと登場人物の内面を掘り下げてもいないしで、正直物足りなさを感じてしまう。
これが逆なら、映像でハラハラドキドキを楽しんだ後、ノベライズでじっくり登場人物の心理描写を楽しむ…という美味しい楽しみ方ができたものを、と思ってしまいました。
そういう訳で、まだ見てない方でこれから見ようって人はここから下は読んではいけませんってば。
***
例えば、ドラマでは袴田吉彦演じる堂山がどういう人間かは全く分からず、もしかしたら犯人かも?!と視聴者に思わせ、泰介に近づいて行くシーンでは、怯える泰介の表情と合わせて「泰ちゃんが殺されちゃう?!」と思わせて引っ張る訳ですが、ノベライズ版では堂山は、山小屋に姿を現すより前に、善意の人だと分かってるので、泰ちゃんが怯えてても読者は別に心配しない。
堂山と言えば、初見では堂山を犯人扱いして結果的に死なせてしまう部長が悪人っぽくて、堂山を助けようとする純や泰介がいい子っぽく思えるけど、最後まで見ると逆の解釈ができるんですよね。
部長は事件の真相を(一部しか)知らないからこそ疑心暗鬼に陥っていた訳だし、純や泰介は事件の全貌を知っていた(=実は事件の黒幕だった)から、堂山が事件に無関係だと実は最初から分かっていたっていう。
謎解きの答え合わせ的に言うと、純や泰介が怪しいと思える場面は序盤からちらほらあるんですが、「動機」が見当たらなくて一旦外してたんですよねー。過去に山岳部で何かあったのが今回の事件の発端になっているというのは分かるから、過去の事件に無関係なはずの一年生コンビが事件を起こす訳がないって思い込んでた訳です。
それがノベライズ読んでみたら、いきなり人物紹介にドラマには出て来ないキャラがいて「そんなんありか!」と思いました(笑。ドラマでも最後の最後で名前だけ登場)。
純に関して言えば、序盤で九条が殺されていたり七瀬が姿を消したりした時の、「ショックを受けている」リアクションがなんか白々しいなあと思ってたんですが、あれわざとああいう風に演じてたんだとしたらあの女優さん中々の役者ですな。
泰介については、終盤のクライマックスの中で、絵面で驚かせる方が優先されて、純と泰介、それぞれの心情が整理し切れていないの感じがあってちょっと残念でした。
純の泰介への感情が、「薬をあげない→死んでも構わないと思っている→無関心」なのか、「ナイフで刺す→殺したい→憎んでいる」なのか、両方やってしまったのでどっちつかずな感じに。
ノベライズでは前者が採用されてて、純がもう幼なじみの生死にすら関心がなくなる程、恋人の死によって人間らしい感情が麻痺している感じが出ていてそれはそれでありな感じです。でも逆に、純が泰介を殺したい程憎んでいたとしても、それもありかなとも思えます。
純が真人を恨んでいたのは、透が純ではなく真人の言葉に従って、その結果命を落としたから。透の死の原因を真人に求めるのと同時に、透に自分より信頼されていた真人に対する嫉妬もあった訳で。
なのに、そんな純の気持ちを一番分かっていたはずの泰介までも真人を慕うようになっちゃったら、純にしてみれば裏切られたような気分になるんじゃなかろうかと思う訳です。
ただその場合、泰介の真人への気持ちをもっとはっきり描いて欲しかったです。後から純が台詞で説明するんじゃなくって。風邪が悪化して不可抗力で殺せなかった、ではなく、泰介自身の意志で殺さなかった、という描写が欲しい所でございます(真人は女運は悪いのに男には何故かモテモテだ)。
まあ、でも、いきなり刺されててびっくり!とか、純の本性が怖くてショック!とか、その辺の演出を優先したんでしょう多分。
この辺り、原作の泰介が実にけなげでいじらしいんですよねえ…モノローグの口調もちょっと子どもっぽかったりして。純が好きなんだけど、彼女が絶対に振り向いてくれない事も分かってて、でも彼女のためなら何でもしてあげたい、例え自分が悪になっても、犯罪に手を染めても構わない。
私、聖闘士星矢で一番お気に入りのキャラが一角獣座の聖闘士なんですよねえ…報われない恋にどこまでも一途になれる男、大好物でございます。故に泰ちゃんはど真ん中。
***
そしてドラマの泰ちゃんも、やっぱりなんていうか萌え系でした(笑)。
無料放送だった3話までは割と元気で、お調子者でちょっとうるさい感じだったのが、4話くらいからなんかいきなりショタっぽくなる。風邪が悪化してすっかり弱って雨の日に捨てられた子犬みたいになっちゃって、なんか無闇に可愛い、可哀想な、いたいけな感じで庇護欲をそそるというか、そら袴田吉彦もチョコレートあげたくなっちゃうよねみたいな。
『川中島学園』の時はあんなにクールかつ偉そうだったのにこんなに雰囲気かわるんだーと思って見てたら、本性表した瞬間さくっとカリスマヤンキー様が降臨なさいました。
そしてたまに出て来る意味ありげなアップ(オチを知ってから見返すとこのアップの意味も分かるんですが)が妙にきれいで人形のようです。画像の処理や照明のせいもあるんだろうけど、肌が白くて造り物みたいに見える。
このドラマ、登場人物がみんなダブダブの防寒着や大きな帽子で、せっかくの美男美女が目減りして見える感があるのですが、この人だけはやたらアップが美しかった印象。あと袴田吉彦は凍傷メイクしててもちゃんとイケメンに見えるんで、やっぱりこの人イケメンなんだなと思いました。
ちなみにこのドラマ、ディケイドやネクサスに加えて「フォーゼ」のゴスロリ娘友子ちゃんがヤンキー娘の役で出てます。メイクやキャラが180度違う感じだけど、あの特徴的な口元を見ると友子ちゃんだなあと思います。
***
例によってつらつらまとまり無く萌えと感想を綴って参りましたが、このドラマで何気に一番怖かったのは、「大学生の間で覚醒剤がやりとりされている」って話を見てもさして荒唐無稽に感じない事。最近の大学ではそういう事も実際あるだろうな…とナチュラルに思ってしまった、その現実が怖いです…。
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それにしても、「プリザーブドフラワー」の事を「ブリザードフラワー」だと思ってる人結構多いんですね。
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以前BeeTVでやってた、川中島学園の上杉さんこと與真司郎くん出演の雪山サスペンスドラマ「ブリザード」。
私AUユーザーなものでBeeTVを見る事ができず、YouTubeで無料公開されてた3話までとノベライズ版の感想を以前上げてたんですが(これ)。
あれから1年経ってようよう東映チャンネルで全部見れました。
今回はもう、配信もとっくに終わってDVDもレンタルされてるらしいし、東映チャンネルでの放送も終わってるので遠慮なくネタバレします。
以下、まだ見てない方でこれから見ようって人は読まない方が良いと思われます。
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私は基本ネタバレ気にしない派なので迷わずノベライズ版の方を先に読んでしまったのですが、正直これに関しては、先に映像の方を見ておけばよかったなーというのが率直な感想でした。
それもできれば一気見じゃなく、1話ずつ小出しにして見ないと面白さ半減。
短編の連続ものを繋げれば2時間の長編が1本できるっていう単純なもんじゃないんだな、っていうのがこれ見てよく分かりました。短いスパンで大きく展開する流れがあって、その度に思わせぶりに「引き」を作って、っていうのを繰り返すから、続けてみてると結構疲れます。これはやっぱり「引き」が出た所で一旦終わって、次はどうなるんだろうとドキドキしながら待つのがベスト。
で、ノベライズ版はノベライズ版で、「映像」と「文章」の表現の特質は全く違うので、基本的な話の筋が同じで書いた人も同じだけど、全然違う印象だなとも思いました。
変な話、映像だと嘘を付きやすいというか、見方によって違う意味に見えて来る「絵」を見せてミスリードを誘い、「こうだと思ってたけど実はこうでした。びっくり!」というドキドキ感を楽しめるのですが、文章だとそう何でもかんでもぼかした書き方をする訳にも行かないので、一番の核心になる部分以外は結構早い段階でガンガンネタをばらして、その分、そこに至る心理的な背景をじっくりと…という感じ。
で、先にノベライズの方を読んでから映像を見ると、ネタの方はもうバレてるし、ノベライズのようにじっくりと登場人物の内面を掘り下げてもいないしで、正直物足りなさを感じてしまう。
これが逆なら、映像でハラハラドキドキを楽しんだ後、ノベライズでじっくり登場人物の心理描写を楽しむ…という美味しい楽しみ方ができたものを、と思ってしまいました。
そういう訳で、まだ見てない方でこれから見ようって人はここから下は読んではいけませんってば。
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例えば、ドラマでは袴田吉彦演じる堂山がどういう人間かは全く分からず、もしかしたら犯人かも?!と視聴者に思わせ、泰介に近づいて行くシーンでは、怯える泰介の表情と合わせて「泰ちゃんが殺されちゃう?!」と思わせて引っ張る訳ですが、ノベライズ版では堂山は、山小屋に姿を現すより前に、善意の人だと分かってるので、泰ちゃんが怯えてても読者は別に心配しない。
堂山と言えば、初見では堂山を犯人扱いして結果的に死なせてしまう部長が悪人っぽくて、堂山を助けようとする純や泰介がいい子っぽく思えるけど、最後まで見ると逆の解釈ができるんですよね。
部長は事件の真相を(一部しか)知らないからこそ疑心暗鬼に陥っていた訳だし、純や泰介は事件の全貌を知っていた(=実は事件の黒幕だった)から、堂山が事件に無関係だと実は最初から分かっていたっていう。
謎解きの答え合わせ的に言うと、純や泰介が怪しいと思える場面は序盤からちらほらあるんですが、「動機」が見当たらなくて一旦外してたんですよねー。過去に山岳部で何かあったのが今回の事件の発端になっているというのは分かるから、過去の事件に無関係なはずの一年生コンビが事件を起こす訳がないって思い込んでた訳です。
それがノベライズ読んでみたら、いきなり人物紹介にドラマには出て来ないキャラがいて「そんなんありか!」と思いました(笑。ドラマでも最後の最後で名前だけ登場)。
純に関して言えば、序盤で九条が殺されていたり七瀬が姿を消したりした時の、「ショックを受けている」リアクションがなんか白々しいなあと思ってたんですが、あれわざとああいう風に演じてたんだとしたらあの女優さん中々の役者ですな。
泰介については、終盤のクライマックスの中で、絵面で驚かせる方が優先されて、純と泰介、それぞれの心情が整理し切れていないの感じがあってちょっと残念でした。
純の泰介への感情が、「薬をあげない→死んでも構わないと思っている→無関心」なのか、「ナイフで刺す→殺したい→憎んでいる」なのか、両方やってしまったのでどっちつかずな感じに。
ノベライズでは前者が採用されてて、純がもう幼なじみの生死にすら関心がなくなる程、恋人の死によって人間らしい感情が麻痺している感じが出ていてそれはそれでありな感じです。でも逆に、純が泰介を殺したい程憎んでいたとしても、それもありかなとも思えます。
純が真人を恨んでいたのは、透が純ではなく真人の言葉に従って、その結果命を落としたから。透の死の原因を真人に求めるのと同時に、透に自分より信頼されていた真人に対する嫉妬もあった訳で。
なのに、そんな純の気持ちを一番分かっていたはずの泰介までも真人を慕うようになっちゃったら、純にしてみれば裏切られたような気分になるんじゃなかろうかと思う訳です。
ただその場合、泰介の真人への気持ちをもっとはっきり描いて欲しかったです。後から純が台詞で説明するんじゃなくって。風邪が悪化して不可抗力で殺せなかった、ではなく、泰介自身の意志で殺さなかった、という描写が欲しい所でございます(真人は女運は悪いのに男には何故かモテモテだ)。
まあ、でも、いきなり刺されててびっくり!とか、純の本性が怖くてショック!とか、その辺の演出を優先したんでしょう多分。
この辺り、原作の泰介が実にけなげでいじらしいんですよねえ…モノローグの口調もちょっと子どもっぽかったりして。純が好きなんだけど、彼女が絶対に振り向いてくれない事も分かってて、でも彼女のためなら何でもしてあげたい、例え自分が悪になっても、犯罪に手を染めても構わない。
私、聖闘士星矢で一番お気に入りのキャラが一角獣座の聖闘士なんですよねえ…報われない恋にどこまでも一途になれる男、大好物でございます。故に泰ちゃんはど真ん中。
***
そしてドラマの泰ちゃんも、やっぱりなんていうか萌え系でした(笑)。
無料放送だった3話までは割と元気で、お調子者でちょっとうるさい感じだったのが、4話くらいからなんかいきなりショタっぽくなる。風邪が悪化してすっかり弱って雨の日に捨てられた子犬みたいになっちゃって、なんか無闇に可愛い、可哀想な、いたいけな感じで庇護欲をそそるというか、そら袴田吉彦もチョコレートあげたくなっちゃうよねみたいな。
『川中島学園』の時はあんなにクールかつ偉そうだったのにこんなに雰囲気かわるんだーと思って見てたら、本性表した瞬間さくっとカリスマヤンキー様が降臨なさいました。
そしてたまに出て来る意味ありげなアップ(オチを知ってから見返すとこのアップの意味も分かるんですが)が妙にきれいで人形のようです。画像の処理や照明のせいもあるんだろうけど、肌が白くて造り物みたいに見える。
このドラマ、登場人物がみんなダブダブの防寒着や大きな帽子で、せっかくの美男美女が目減りして見える感があるのですが、この人だけはやたらアップが美しかった印象。あと袴田吉彦は凍傷メイクしててもちゃんとイケメンに見えるんで、やっぱりこの人イケメンなんだなと思いました。
ちなみにこのドラマ、ディケイドやネクサスに加えて「フォーゼ」のゴスロリ娘友子ちゃんがヤンキー娘の役で出てます。メイクやキャラが180度違う感じだけど、あの特徴的な口元を見ると友子ちゃんだなあと思います。
***
例によってつらつらまとまり無く萌えと感想を綴って参りましたが、このドラマで何気に一番怖かったのは、「大学生の間で覚醒剤がやりとりされている」って話を見てもさして荒唐無稽に感じない事。最近の大学ではそういう事も実際あるだろうな…とナチュラルに思ってしまった、その現実が怖いです…。
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