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企業収益が急減速 10~12月、新興国不振響く 通期では経常増益確保

2016年01月31日 | 経済
企業収益が急減速
10~12月、新興国不振響く 通期では経常増益確保
2016/1/31 3:30 日経朝刊

 上場企業の収益の伸びが減速している。29日までに発表になった決算を集計すると2015年10~12月期の経常利益は前年同期に比べ5%減になった。中国をはじめとした新興国経済の不振と資源安が逆風になっている。円安効果(総合・経済面きょうのことば)も薄れてきた。堅調な北米景気などに支えられ、16年3月期通期は増益を確保できる見通しだが、企業業績は踊り場に差し掛かっている。




 脱デフレを旗印とするアベノミクスの原動力は企業の業績拡大だ。日銀の大規模金融緩和で過度な円高が修正され、上場企業は15年3月期まで3期連続で増益となった。好調な業績を背景に賃上げや国内の設備投資を促してデフレ脱却につなげるシナリオだったが、企業業績が失速すると前提が崩れかねない。
 29日までに発表した438社の4~12月期決算を集計した。社数で全体の28%、株式時価総額で31%に相当する。10~12月の3カ月間の経常利益は前年同期比で5%減と14%増益だった7~9月期から大きく低下した。
 苦戦の主因は新興国の成長鈍化だ。コマツは10~12月期の税引き前利益(米国会計基準)が2%減った。インフラ投資の落ち込みで「新興国の建機市場は当面厳しい」(稲垣泰弘常務執行役員)という。ファナックは中国の工業生産が振るわず工作機械の数値制御(NC)装置の販売が落ち込んだ。「中国向けの低迷はしばらく続く」と稲葉善治社長は予想する。
 資源価格の下落も企業業績の重荷だ。JFEホールディングスは経常利益が8割減った。中国などの需要減少で鋼材市況が下がり、岡田伸一副社長は「かつてないスピードで事業環境が悪化している」と話す。日本郵船など海運大手も荷動きが鈍り収益が落ち込んだ。
 輸出企業の収益を押し上げてきた円安効果も薄れている。ホンダは10~12月期の税引き前利益が24%減になった。北米などで販売は伸びたが、ドルや新興国通貨を含めた為替変動が約190億円の減益要因になった。
 ただ、年間では増益を確保できそうだ。企業の業績計画を集計すると16年3月期の経常利益は前期比5%増になる。円安効果を享受できた上期に業績が大きく伸びたためだ。これから決算を発表する企業を含めても通期で増益になる見通しだ。
 業績が好調な企業は北米で利益を稼いでいる。内需企業も訪日外国人によるインバウンド消費が収益を下支えする。
 TDKは北米の自動車向けに電子部品の販売が伸びて大幅な増益になった。北米を収益源とするソニーは10~12月期の税引き前利益(米国会計基準)が15%増になった。米国でゲーム機「プレイステーション4」の販売を伸ばしている。
 コーセーは10~12月期に2割の経常増益になった。訪日客に人気の「雪肌精」など化粧品の主力ブランドが好調に推移している。阪急阪神ホールディングスはホテルの宿泊客が増え、年間の業績計画を引き上げた。