NEST OF BLUESMANIA

ミュージシャンMACが書く音楽ブログ「NEST OF BLUESMANIA」です。

音盤日誌「一日一枚」#4 ウィリー・ディクスン「ビッグ・スリー・トリオ」(SME)

2021-11-15 05:53:00 | Weblog

2001年1月12日(金)



ウィリー・ディクスン「ビッグ・スリー・トリオ」(SME)

身も心も疲れはてて家にたどりついたとき、一杯の酒を掌中に耳を傾ければ、「まあ、気分をかえて、明日もがんばろうか」という気にさせてくれるのが、このアルバムである。

シカゴ・ブルース界の名プロデューサー、ウィリー・ディクスンにも現役プレイヤーだった時代があり、数々のレコーディングを残している。

それが、この「ビッグ・スリー・トリオ」である。

ピアノと歌のレナード・”ベイビー・ドゥ”・キャストン、ギターとコーラスのバナード・デニス(のちにオリー・クロフォードに代わる)、そしてベースとコーラスのウィリー・ディクスンの3人組は、1946年から52年にかけて、レコードそして巡演で大人気を博していた。

そのサウンドはブルースとジャズがまだ完全に分化しておらず、けっこうポップスっぽい要素もあり、後年のディクスンが生み出したハードなシカゴ・ブルースを期待して聴くと見事にズッコケるが、それはそれでなかなか聴きごたえがある。

特にキャストンの気合いの入ったスウィンギーなブギウギ・ピアノと、ディクスンのパーカッシヴなスラップ・ベース(パチンパチンとスナップをきかせた奏法)のかけ合いはなかなかカッコいい。

バラードあり、コミカルなノヴェルティ・ソングあり、もちろん、ディープなブルース曲もある。三人の息の合ったコーラスもまた、このグループのウリだ。美しいメロディ、生き生きとしたリズム、豊かなハーモニーがこの一枚につまっている。

いい音楽にジャンルわけなんて不要、このアルバムを聴くとそう思う。


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