2001年2月24日(土)
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ハウリン・ウルフ「LIVE AND COOKIN' AT ALICE'S REVISITED」(Chess/MCA)
ハウリン・ウルフというひとは多作だったにもかかわらず、正規のライブ盤はごくわずかしか出ていない。
64年のヨーロッパ録音と、この72年のシカゴ録音の2枚だけのようである。
しかも、めったに実物を見かけない。今回、中古輸入盤で入荷されたものを発見、迷うことなく即ゲットした。
で、聴いてみると、スタジオ録音盤とはまた違った魅力にあふれている。
ウルフはスタジオ盤の場合、1曲2~3分のものがほとんどで、めったに3分を越えることがない。
たとえば、代表作ロッキン・チェア・アルバムこと「Howlin' Wolf」では3分を越えるのは「Going Down Slow」1曲のみという具合。
もともと、シングルで発売されたものをよせ集めたアルバムという性格もあって、どれもオンエア向きに極力コンパクトにまとめられている。
あのねちっこい「Spoonful」でさえ、実は2分45秒に過ぎない。
ところが、ライブでは5~8分くらいのロング・バージョンのものばかり。
彼本来の粘っこさがフルレングスで味わえるということだ。
ホームグラウンド、シカゴにある「ALICE'S REVISITED」というクラブにおける、72年1月26日の録音。
パーソネルは、ウルフ(vo,hca)のほか、テナーサックスのエディ・ショー、ギターのヒューバート・サムリンとL.V.ウィリアムス、ピアノのサニーランド・スリム、ベースのデイヴ・マイヤーズ、ドラムスのフレッド・ビロウといった面々。
ブルースにくわしい方なら、もう、お気づきかと思うが、リズムのふたりは、ロバート・ジュニア・ロックウッドのバッキングなどで評価の高いトリオ、「ジ・エイシズ」のメンバー。
だから、非常に安定感のあるビートで、全編、安心して聴くことができる。
あと、サニーランドは、ヒューバート・サムリンの近年亡くなられた奥さんの、おじにあたる人でもある。1907年生まれ、この中では最年長のベテラン・プレイヤーだ。
こういう実力派たちを従えて、のびのびと吼え、唸りまくるのが当時61才のウルフ。
とても還暦を過ぎたとは思えぬ、枯れることないパワフルな歌声を聴かせてくれる。
ステージはウルフ版「Rollin' And Tumblin'」とでもいうべき「When I Laid Down I Was Troubled」でスタート。
マディ・ウォーターズの「Mean Mistreater」を除いて、すべてウルフのオリジナル。有名曲は「Sittin' On Top Of The World」くらいしか収録されていないが、そこはブルース、どこかで聴いたことのあるようなメロばかり。
「Call Me The Wolf」などは自身の作品「Spoonful」をホウフツとさせるものがある。
私個人としては、当然、ギターのヒューバート・サムリンのプレイも気になる。
ウルフのライブ盤が稀少ということは、サムリンのライブ盤も極めて珍しいということにほかならないからである。
聴いてみると、噂にたがわず、かなりアヤしげな音を出している(笑)。
もう、スタジオ盤の比ではない(爆)。
単なるトチりなのか、確信犯的にやっているギミックなのか、さだかではないが、相当ユニークというかおかしな音を出す。ホント、仰天モノである。
この生のプレイを聴けただけでも、十分モトが取れたという気になってしまうのだから、サムリンというギタリスト、凡百の「ただ上手いだけの」ギタリストとは格が違うってことなんだろうな。
ジミヘンがアイドルとするだけのことはある。
もちろん、他のバック・ミュージシャンが実力派ぞろいで、「まとも」なプレイをしているという裏づけがあってこそのギミックなのだが。
ウルフのワイルドなパワー、サムリンのアイデア、リズム隊の手堅いテクニック、これらがあいまって強烈なインパクトを持ったサウンドを創りあげている。
一度聴いたらやみつきになりそうな、「濃い」味の一枚だ。
ハウリン・ウルフというひとは多作だったにもかかわらず、正規のライブ盤はごくわずかしか出ていない。
64年のヨーロッパ録音と、この72年のシカゴ録音の2枚だけのようである。
しかも、めったに実物を見かけない。今回、中古輸入盤で入荷されたものを発見、迷うことなく即ゲットした。
で、聴いてみると、スタジオ録音盤とはまた違った魅力にあふれている。
ウルフはスタジオ盤の場合、1曲2~3分のものがほとんどで、めったに3分を越えることがない。
たとえば、代表作ロッキン・チェア・アルバムこと「Howlin' Wolf」では3分を越えるのは「Going Down Slow」1曲のみという具合。
もともと、シングルで発売されたものをよせ集めたアルバムという性格もあって、どれもオンエア向きに極力コンパクトにまとめられている。
あのねちっこい「Spoonful」でさえ、実は2分45秒に過ぎない。
ところが、ライブでは5~8分くらいのロング・バージョンのものばかり。
彼本来の粘っこさがフルレングスで味わえるということだ。
ホームグラウンド、シカゴにある「ALICE'S REVISITED」というクラブにおける、72年1月26日の録音。
パーソネルは、ウルフ(vo,hca)のほか、テナーサックスのエディ・ショー、ギターのヒューバート・サムリンとL.V.ウィリアムス、ピアノのサニーランド・スリム、ベースのデイヴ・マイヤーズ、ドラムスのフレッド・ビロウといった面々。
ブルースにくわしい方なら、もう、お気づきかと思うが、リズムのふたりは、ロバート・ジュニア・ロックウッドのバッキングなどで評価の高いトリオ、「ジ・エイシズ」のメンバー。
だから、非常に安定感のあるビートで、全編、安心して聴くことができる。
あと、サニーランドは、ヒューバート・サムリンの近年亡くなられた奥さんの、おじにあたる人でもある。1907年生まれ、この中では最年長のベテラン・プレイヤーだ。
こういう実力派たちを従えて、のびのびと吼え、唸りまくるのが当時61才のウルフ。
とても還暦を過ぎたとは思えぬ、枯れることないパワフルな歌声を聴かせてくれる。
ステージはウルフ版「Rollin' And Tumblin'」とでもいうべき「When I Laid Down I Was Troubled」でスタート。
マディ・ウォーターズの「Mean Mistreater」を除いて、すべてウルフのオリジナル。有名曲は「Sittin' On Top Of The World」くらいしか収録されていないが、そこはブルース、どこかで聴いたことのあるようなメロばかり。
「Call Me The Wolf」などは自身の作品「Spoonful」をホウフツとさせるものがある。
私個人としては、当然、ギターのヒューバート・サムリンのプレイも気になる。
ウルフのライブ盤が稀少ということは、サムリンのライブ盤も極めて珍しいということにほかならないからである。
聴いてみると、噂にたがわず、かなりアヤしげな音を出している(笑)。
もう、スタジオ盤の比ではない(爆)。
単なるトチりなのか、確信犯的にやっているギミックなのか、さだかではないが、相当ユニークというかおかしな音を出す。ホント、仰天モノである。
この生のプレイを聴けただけでも、十分モトが取れたという気になってしまうのだから、サムリンというギタリスト、凡百の「ただ上手いだけの」ギタリストとは格が違うってことなんだろうな。
ジミヘンがアイドルとするだけのことはある。
もちろん、他のバック・ミュージシャンが実力派ぞろいで、「まとも」なプレイをしているという裏づけがあってこそのギミックなのだが。
ウルフのワイルドなパワー、サムリンのアイデア、リズム隊の手堅いテクニック、これらがあいまって強烈なインパクトを持ったサウンドを創りあげている。
一度聴いたらやみつきになりそうな、「濃い」味の一枚だ。