NEST OF BLUESMANIA

ミュージシャンMACが書く音楽ブログ「NEST OF BLUESMANIA」です。

音盤日誌「一日一枚」#15 ブッカー・T&MG'S「ザ・ベスト・オブ・ブッカー・T&MG'S」(Stax)

2021-11-26 05:32:00 | Weblog
2001年2月12日(月)


ブッカー・T&MG'S「ザ・ベスト・オブ・ブッカー・T&MG'S」(Stax)

ブッカー・T&MG'Sのベスト盤のうちのひとつ。アトランティックからも、初期のヒット「グリーン・オニオン」を含む同題のアルバムが出ている。

彼らについて説明なんて不要とは思うが、野暮を承知でいっておくと、オーティス・レディング、サム&デイヴをはじめとするアトランティック/スタックスの幾多のソウル・シンガーたちのバックをつとめ、単独でも多くのインスト曲でヒットを持つ、R&B/ソウル界のトップ・グループである。

日本でも60年代から70年代にかけてよく聴かれていた。猪俣猛さんやリッキー中山さんといった和製R&Bの先駆者たちの、よきお手本にもなったバンドである。アトランティック盤のベストに入っている「ソウル・ドレッシング」のイントロなぞは、そのまま辺見マリのデビュー曲「経験」にパクられていたりする。

また、彼らはオリジナルだけでなく、さまざまなアーティストのカバーをしていることでも知られる。

このベストでも、ビートルズの「エリナー・リグビー」「サムシング」、サイモン&ガーファンクルの「ミセス・ロビンソン」、ドアーズの「ハートに火をつけて」等のヒットが、オリジナルとはまったく違った、ファンキーでアグレッシブなアレンジで演奏されていて、なかなかに面白い。

tbの重要なレパートリーのひとつ、アルバート・キングの「悪い星の下に生まれて」も収録されている(作曲はブッカー・T自身)。

当時は、ヴァニラ・ファッジなどもそうだったが、ヒット曲を別の味に料理したカバーが結構はやっていたのである。

もちろんカバーだけでなく、ラジオの深夜番組「パック・イン・ミュージック」のテーマで有名になった「タイム・イズ・タイト」や、「メルティング・ポット」ほかのオリジナルも、実にヒップで、イカしている。

映画「ブルース・ブラザーズ」でもおなじみになった、あのスタックス・サウンドである。

リーダー、ブッカー・T・ジョーンズのハモンド・オルガン+レスリー・スピーカーのサウンドは、後続のロック・オルガン・プレイヤーすべてに影響を及ぼしたといってもいい。

また、スティーブ・クロッパーの特徴的なテレキャス・サウンドも一世を風靡したものだ。

私としては、きょうびのクラブ・ミュージックなんぞより、よほど気が利いていると思う。

一度、「HMV」や「タワレコ」でチェックしてみて欲しい。

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