2022年12月22日(木)
#403 OTIS REDDING「ヨーロッパのオーティス・レディング」(MMG 20P2-2363)
米国のソウル・シンガー、オーティス・レディング、67年録音・リリースのライブ盤。ジム・スチュワートによるプロデュース。
オーティス・レディングは67年3月から4月にかけてヨーロッパ・ツアーを行なったが、これはその模様を伝える一枚だ。コンサートの場所は不詳である。
MCの挑発的なイントロダクションに続いて、大歓声に包まれて登場するオーティス。オープニング曲は「リスペクト」。
65年に彼がヒットさせ、後にアレサ・フランクリンがカバーしてオリジナル以上にヒットさせた、あの名曲である。
トレードマークの「ガッタ、ガッタ」の繰り返しで、さっそくオーディエンスを煽りまくるオーティス。
名刺代わりの一曲に続くのは「お前をはなさない」。これまた65年の、スマッシュ・ヒット。
若い皆さんには、ブルース・ブラザーズのライブ盤でのバンド演奏の方がなじみが深いかな。快調なジャンプ・ナンバーで、会場はすでに興奮度MAXだ。
曲調は一転、ディープなバラードへ。「愛しすぎて」である。
オーティスを代表するエモーショナルなナンバーだが、早くもこのエロい曲を投入してくるとは。
アイク・アンド・ティナ・ターナーのちょっとアブない(笑)バージョンもいいのだが、やはり本家本元の迫力はハンパないのう。泣き節が、なんとも切ない。
強力なオリジナルが続いたところで、箸休めといったところか、他のアーティストのカバーもはさんで来る。
テンプテーションズ64年末リリースの大ヒット曲、「マイ・ガール」である。ハッピー・チューンを朗らかに、高らかに歌い上げるオーティス。
ほぼ全員、白人のオーディエンスということも意識しての、超メジャーな曲を選んだんだろうな。
カバー・コーナーが続く。お次はサム・クックの「シェイク」。
64年12月に亡くなった大先輩の曲を、渾身のリスペクトで歌うオーティス。
カバーといっても、歌い始めて何年も経っていて、ほぼオーティス自身の曲と言ってかまわないくらい。
「シェイク!」の煽るようなシャウトが、ホントにキマっている。
カバー曲のラストは「サティスファクション」。いうまでもなく、ローリング・ストーンズ65年の大ヒット、そして代表曲だ。
もともとソウル・ナンバーだったんじゃないかと錯覚してしまうくらい、この曲はオーティスの歌声になじんでいる。
そして後半のアジテーションの過激さは、本家のミック・ジャガーを超えたかも。
再び、オリジナルに戻って「ファ・ファ・ファ」を。
このユーモラスなビート・ナンバーでは、オーティスは会場のオーディエンスと一緒になって楽しげに歌う。
「ジーズ・アーム・オブ・マイン」は、チーク・ダンスの定番曲とも言える、しみじみ、しっとりとしたバラード。
まったりとした和やかな雰囲気が、コンサート会場全体を包む。
再度のテンポ・アップ。先ほどストーンズを取り上げたことも関係あるのか、今度はビートルズの65〜66年のヒット曲、「デイ・トリッパー」を歌う。もちろん、オーティス流のソウルフルなアレンジで。
バックをつとめるのは、オーティス・レディングのレコーディングに欠かせない、ブッカー・T&ザ・MGズ、そしてホーン・セクションのふたり。
彼らの生み出すシンプルにして強力なビートあってこそ、オーティスの実力は最大限に発揮されるというものだろう。
この神コンビネーションによって、オーティス・ライブは最高の出来映えとなった。
ラストは、当然といえば当然の選曲。オーティス・レディング至高のバラード、「トライ・ア・リトル・テンダネス」である。
もう、最初の一声で、鳥肌が立ちましたわ。
精魂尽き果てるまで歌い叫ぶさまが、まざまざと目に浮かぶ熱唱ぶり。これで胸アツにならないヤツは、ソウルを聴かんでヨシ!である。
終盤、MCが再び登場して、大興奮するオーディエンスにさらに煽りを入れる。もう、ヤバ過ぎ。
これはJBをはじめとする、ソウル・ショーのお約束ごと。
とはいえ、「これこれ、これがなくちゃ!」と感じてしまう(笑)。
全編、一分の隙もない。ソウルの精髄が味わえる一枚。聴くべし。
<独断評価>★★★★
米国のソウル・シンガー、オーティス・レディング、67年録音・リリースのライブ盤。ジム・スチュワートによるプロデュース。
オーティス・レディングは67年3月から4月にかけてヨーロッパ・ツアーを行なったが、これはその模様を伝える一枚だ。コンサートの場所は不詳である。
MCの挑発的なイントロダクションに続いて、大歓声に包まれて登場するオーティス。オープニング曲は「リスペクト」。
65年に彼がヒットさせ、後にアレサ・フランクリンがカバーしてオリジナル以上にヒットさせた、あの名曲である。
トレードマークの「ガッタ、ガッタ」の繰り返しで、さっそくオーディエンスを煽りまくるオーティス。
名刺代わりの一曲に続くのは「お前をはなさない」。これまた65年の、スマッシュ・ヒット。
若い皆さんには、ブルース・ブラザーズのライブ盤でのバンド演奏の方がなじみが深いかな。快調なジャンプ・ナンバーで、会場はすでに興奮度MAXだ。
曲調は一転、ディープなバラードへ。「愛しすぎて」である。
オーティスを代表するエモーショナルなナンバーだが、早くもこのエロい曲を投入してくるとは。
アイク・アンド・ティナ・ターナーのちょっとアブない(笑)バージョンもいいのだが、やはり本家本元の迫力はハンパないのう。泣き節が、なんとも切ない。
強力なオリジナルが続いたところで、箸休めといったところか、他のアーティストのカバーもはさんで来る。
テンプテーションズ64年末リリースの大ヒット曲、「マイ・ガール」である。ハッピー・チューンを朗らかに、高らかに歌い上げるオーティス。
ほぼ全員、白人のオーディエンスということも意識しての、超メジャーな曲を選んだんだろうな。
カバー・コーナーが続く。お次はサム・クックの「シェイク」。
64年12月に亡くなった大先輩の曲を、渾身のリスペクトで歌うオーティス。
カバーといっても、歌い始めて何年も経っていて、ほぼオーティス自身の曲と言ってかまわないくらい。
「シェイク!」の煽るようなシャウトが、ホントにキマっている。
カバー曲のラストは「サティスファクション」。いうまでもなく、ローリング・ストーンズ65年の大ヒット、そして代表曲だ。
もともとソウル・ナンバーだったんじゃないかと錯覚してしまうくらい、この曲はオーティスの歌声になじんでいる。
そして後半のアジテーションの過激さは、本家のミック・ジャガーを超えたかも。
再び、オリジナルに戻って「ファ・ファ・ファ」を。
このユーモラスなビート・ナンバーでは、オーティスは会場のオーディエンスと一緒になって楽しげに歌う。
「ジーズ・アーム・オブ・マイン」は、チーク・ダンスの定番曲とも言える、しみじみ、しっとりとしたバラード。
まったりとした和やかな雰囲気が、コンサート会場全体を包む。
再度のテンポ・アップ。先ほどストーンズを取り上げたことも関係あるのか、今度はビートルズの65〜66年のヒット曲、「デイ・トリッパー」を歌う。もちろん、オーティス流のソウルフルなアレンジで。
バックをつとめるのは、オーティス・レディングのレコーディングに欠かせない、ブッカー・T&ザ・MGズ、そしてホーン・セクションのふたり。
彼らの生み出すシンプルにして強力なビートあってこそ、オーティスの実力は最大限に発揮されるというものだろう。
この神コンビネーションによって、オーティス・ライブは最高の出来映えとなった。
ラストは、当然といえば当然の選曲。オーティス・レディング至高のバラード、「トライ・ア・リトル・テンダネス」である。
もう、最初の一声で、鳥肌が立ちましたわ。
精魂尽き果てるまで歌い叫ぶさまが、まざまざと目に浮かぶ熱唱ぶり。これで胸アツにならないヤツは、ソウルを聴かんでヨシ!である。
終盤、MCが再び登場して、大興奮するオーディエンスにさらに煽りを入れる。もう、ヤバ過ぎ。
これはJBをはじめとする、ソウル・ショーのお約束ごと。
とはいえ、「これこれ、これがなくちゃ!」と感じてしまう(笑)。
全編、一分の隙もない。ソウルの精髄が味わえる一枚。聴くべし。
<独断評価>★★★★