NEST OF BLUESMANIA

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音曲日誌「一日一曲」#100 バイザー・スミス「So Mean To Me」(Hold That Train/Delmark)

2023-07-10 05:00:00 | Weblog
2009年11月22日(日)

#100 バイザー・スミス「So Mean To Me」(Hold That Train/Delmark)





このコーナーも、ついに100番台に突入した。これからも頑張って更新しますんで、よろしく。

1933年ミシシッピ州生まれのベテラン・ブルースマン、バイザー・スミス2004年のアルバムより、リトル・ミルトン=オリバー・セインの作品を。

これは81年のデビュー・アルバム「Tell Me How You Like It」(Grits)にも収録されている一曲だ。

オーティス・ラッシュ、フレディ・キングらとほぼ同世代にあたるスミスは、シカゴに移住してプロとなったものの、ラッシュらのようにはスポットライトが当たらず、60~70年代を地味にシングルのみリリースして過ごしている。

でも、日本でもシングル「Money Tree」あたりをきっかけに、輸入盤でブルースを聴いているようなコアなファンがついてきたという。

そんな彼にやっと日の目があたり、日本でも容易にその音を聴けるようになったのが、80年代。以来、2、3年おきにコンスタントにアルバムを発表し続け、その名前も定着するようになってきた。

今日の一曲は、リトル・ミルトン・マナーの、ミディアムスローなブルーズン・ソウル。

ここで彼は、歌とギターともに達者なところを見せている。

彼の歌声はオーティス・ラッシュにも似て、少しハスキーで泥臭く、塩辛い味わい。思い切りのいいシャウトが実にさまになっている。

また、ギター・プレイのほうも文句なしに素晴らしい。ヘヴィーさと鋭い切れ味を兼ね備え、絶妙なタメ、間で聴かせる、これぞブルース・ギターといえるような名演だ。

愛器ストラトキャスターから繰り出す音の、なんとも官能的なこと。

ストラトもさまざまな雰囲気の音を出せる名器だが、スミスにかかれば、きわめて艶っぽい響きを奏でるのである。これぞ名人芸なり。

そのテンションの高さ、表現の深さは、ラッシュ、キング、バディ・ガイといった同じ30年代生まれのスターたちにも、決してひけをとっていない。

これは聴かないと絶対損しまっせ、お客さん