NEST OF BLUESMANIA

ミュージシャンMACが書く音楽ブログ「NEST OF BLUESMANIA」です。

音曲日誌「一日一曲」#102 ブラインド・ボーイ・フラー「Georgia Ham Mama」(Remastered 1935-1938/JSP)

2023-07-12 05:01:00 | Weblog
2009年12月6日(日)

#102 ブラインド・ボーイ・フラー「Georgia Ham Mama」(Remastered 1935-1938/JSP)





戦前に活躍したシンガー/ギタリスト、ブラインド・ボーイ・フラーの30年代のレコーディングから。フラーの作品。

フラーは本名フルトン・アレン。1907年、ノース・キャロライナ州ウェイズボローの生まれだ。

ブラインド・ブレイク、ロニー・ジョンスンなどの影響でギターを始め、20代にはゲイリー・デイヴィス師について習う。

35年頃よりノース・キャロライナ州ダラムでプロとして活動、120曲ものレコーディングを残した。

だが、残念なことに、41年33才の若さで病死している。

そんな夭折のブルースマンだが、彼の影響をしっかりと受けている大物アーティストがいる。ブラウニー・マギーだ。

きょうの一曲を聴いていただくとよく判ると思うが、その特徴的な節回しは、クリソツといってもいい。

バックにはマギーの相方、サニー・テリーがハープで参加しており、知らずに聴くと一瞬、テリー=マギーと勘違いしそう。

その、いい感じに鄙びた味わいは、マギーに引き継がれたといっていい。

実際、フラーがなくなった時、マギーはそれを大いに悲しみ、一時はブラインド・ボーイ・フラーIIと名乗ったくらいだったという。

歌だけでなく、ギターでもフラーは後世に少なからぬ影響を残している。マギーとともにその代表格といえるのが、黒人女性ギタリストのエタ・ベイカー。さらには、シーファス&ウィギンスなどにもその強い影響が感じられる。

ラグタイムを基調としたそのプレイは、確かなリズム感とテクニックに裏打ちされたものだ。

ちょっと田舎くさい歌いぶりに、このリズミカルなギターが加わることで、なんとも魅力的なカントリー・ブルースに仕上がっている。

ハンチングなどかぶってリゾネーターをつまびく姿、実に粋なんである。

筆者にとっても、目標となるブルースマンのひとり。ホント、憧れちゃいます。