2009年12月6日(日)
#102 ブラインド・ボーイ・フラー「Georgia Ham Mama」(Remastered 1935-1938/JSP)
#102 ブラインド・ボーイ・フラー「Georgia Ham Mama」(Remastered 1935-1938/JSP)
戦前に活躍したシンガー/ギタリスト、ブラインド・ボーイ・フラーの30年代のレコーディングから。フラーの作品。
フラーは本名フルトン・アレン。1907年、ノース・キャロライナ州ウェイズボローの生まれだ。
ブラインド・ブレイク、ロニー・ジョンスンなどの影響でギターを始め、20代にはゲイリー・デイヴィス師について習う。
35年頃よりノース・キャロライナ州ダラムでプロとして活動、120曲ものレコーディングを残した。
だが、残念なことに、41年33才の若さで病死している。
そんな夭折のブルースマンだが、彼の影響をしっかりと受けている大物アーティストがいる。ブラウニー・マギーだ。
きょうの一曲を聴いていただくとよく判ると思うが、その特徴的な節回しは、クリソツといってもいい。
バックにはマギーの相方、サニー・テリーがハープで参加しており、知らずに聴くと一瞬、テリー=マギーと勘違いしそう。
その、いい感じに鄙びた味わいは、マギーに引き継がれたといっていい。
実際、フラーがなくなった時、マギーはそれを大いに悲しみ、一時はブラインド・ボーイ・フラーIIと名乗ったくらいだったという。
歌だけでなく、ギターでもフラーは後世に少なからぬ影響を残している。マギーとともにその代表格といえるのが、黒人女性ギタリストのエタ・ベイカー。さらには、シーファス&ウィギンスなどにもその強い影響が感じられる。
ラグタイムを基調としたそのプレイは、確かなリズム感とテクニックに裏打ちされたものだ。
ちょっと田舎くさい歌いぶりに、このリズミカルなギターが加わることで、なんとも魅力的なカントリー・ブルースに仕上がっている。
ハンチングなどかぶってリゾネーターをつまびく姿、実に粋なんである。
筆者にとっても、目標となるブルースマンのひとり。ホント、憧れちゃいます。