NEST OF BLUESMANIA

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音曲日誌「一日一曲」#113 fripSide「only my railgun」(RONDO ROBE)

2023-07-23 05:10:00 | Weblog
2010年3月7日(日)

#113 fripSide「only my railgun」(RONDO ROBE)





二人組ユニット、fripSideの再メジャーデビュー・シングル。sat(八木沼悟志)プロデュース。TVアニメ「とある科学の超電磁砲(レールガン)」のオープニング曲。

fripSideは女性シンガーのnaoとプロデューサー/キーボーディストsatにより2002年結成され、おもにゲームやアニメの分野で活動していた、知る人ぞ知るユニットだった。

どちらかといえば業界の裏方的存在だった彼らが、昨年秋、一躍表舞台に飛び出してきた。この「only my railgun」のスマッシュ・ヒット(オリコン総合チャート3位)によって。

昨年3月脱退したnaoに代わりボーカルとして参加したのは、声優の南條愛乃(25)。

彼女の抜擢が成功し、再デビュー曲は、深夜アニメという枠を越えて、全国区的人気を獲得したのだ。

彼らはアニメ/ゲーム系のアーティストとしては珍しく、ロックというよりは、ユーロビート/トランス系の音楽をおもに手がけている。

わが国でその手の音楽の先駆者といえば、いうまでもなく、小室哲哉だ。satももちろん、小室の絶大なる影響下にある。そのサウンドを一聴すれば、誰にでも判るぐらいの、ベタなコムロ・フォロワーだ。

しかしながらその曲作りのレベルは非常に高い。緩急自在の曲の流れ、ブレイクから間奏へとなだれ込む間合い、押さえるべきツボはすべて押さえたソツのないアレンジだ。なにより、打ち込みのサウンドと、南條の無機質なハイトーン・ボイスのマッチングが最高にいい。

こりゃあヒットしないわけがない。アニメファンに限らず、一般リスナーをも巻き込んでブレイクしたのも、むべなるかな、である。

きょうはこの曲を、彼らのPVで聴いていただくが、このPVも実によく出来ている。演出のコンセプトは、「とある科学の超電磁砲」の作品世界に連なる「魔術(マジック)」だが、単にシリアスに演出するだけでなく、息抜きの「笑い」の要素もうまく折り込んでいる。とある有名マジシャンがゲスト出演して、お茶目な芸を披露しているので、こちらにもご注目。

fripSideはこの曲のヒットの勢いに乗って、第2弾シングル「LEVEL5-judgelight-」も立て続けにヒットさせている。

このパワーで今後もトランス、レイヴ系の急先鋒としての活躍が期待できそうだ。要チェキ!ですぞ。

南條愛乃は、過去アニメのキャラクターソングを歌った経験はあるものの、これが実質的なメジャーデビューといっていい。が、とてもそうは思えないくらい、卓越したリズム感を持っており、satが作っためまぐるしく転調する難曲を、さらりと歌いこなしている。J-POP界に現れた、ひさびさの逸材といえるだろう。

その才能を見抜いたプロデューサー、八木沼悟志の炯眼もまたスゴい!ということでもありますな。

帝王コムロはいまだ復活せず。でも、そのDNAを受け継いだトランスの超新星satがいれば、全然いいんジャマイカ。そう思います、ハイ。