のち
昨晩から台風の通過に伴い降り続く雨、だいぶ小降りにはなったものの、足元が悪いから入場者が少なくて展示物をよく見れるんじゃないか、と読んで出かけたものの、甘かったです
。同じことを考える人は、世の中にたくさんいるものですね。開館1時間でもうかなりの人出でした。
目玉はもちろん、写真の日光・月光菩薩像。金堂本尊・薬師如来像の両脇侍像です。1300年ぶりに光背
が外された状態でそのお背中を間近で見ることができる、またとない機会です
。先週金曜日、行きつけの美容院のスタイリスト・Uさんが力説していた、まるで女性を思わせるような美しい背中…じっくり拝見して納得しました。
まろやかなオーラを感じるお顔は、見る角度によって表情を変え、男女の性別を越えた美しい肢体は、まるで人肌のようになまめかしい。古(いにしえ)から、このお姿を拝むことによって、本当に病が治った人も多かったのではないしょうか。仏師も経験豊富な選りすぐりの人物だったのでしょうね。その引き締まった面構えや心栄えを想像しました。
「心が痛むようなニュースの多い昨今、少しでも心の潤いになれば…」という内容の展示趣旨。薬師寺の国宝の数々は、まさに少なからず現世に不安を抱くわたし達へ、遠い昔からの癒しのメッセージでした。
とにかく人が多くて…
、1点1点もっとじっくり見学したかったです。とくに日光・月光菩薩像は、もし1(あるいは2)対1になれたなら、飽くことなくいつまでも向き合っていることができそうでした。生後まもない赤ちゃんの顔を見飽きないように、見つめるほどに心が洗われていくような感覚かな。
そして、もう1点(正確には3点かな)、個人的には日光・月光菩薩像と同等か、ある意味それ以上に拝見できて嬉しかった国宝がありました。入場者多しといえ、それが見れて嬉しかったぁ
、と思った人はそうはいないんじゃないかな
。「薬師寺展ショップ」で写真付マグネットを買いそうになってしまった(実際買ったのは、クリアファイルダブル。今回の薬師寺展で見ることができた綺麗な写真満載でオススメです。520円也)。
話は戻って、その国宝については、いずれまた別の機会にアップしたいと思っています
「国宝 薬師寺展」は、東京国立博物館で6月8日(木)までです
夜、寝る前に目を瞑ると日光・月光菩薩像のお顔の残像が浮かびました