歌舞伎座さよなら公演「二月大歌舞伎」夜の部へ行ってきました。ひさびさに着物
着て(お太鼓結び忘れないようにしないと…
)。
蘭平物狂(らんぺいものぐるい)・勧進帳(かんじんちょう)・三人吉三巴白浪(さんにんきちさともえのしらなみ)大川端庚申塚(おおかわばたこうしんづか)の場 の三幕を観ました。「蘭平…」をナマで観るのは初めてで、第一場はなんだか話がややこしくてよくわからないままガマンして見てましたが、第二場では蘭平と総勢26人もの捕手との大立ち回りは十分楽しめました。捕手のみなさんが、宙返りしたり、高いところから落ちる場面では、「あ、あぁ…(大丈夫かしら)」という心配声が客席のあちこちから漏れるほど、アクロバティックな演技を披露していました。あと、よく時代劇で「御用だ
」「御用だ
」といいながら罪人を捕らえようとするように、捕手が口々に「○○
」「○○
」といってましたね。「○○」は名詞ではなく、掛け声みたいな感じです。思わず、子供の頃に見た仮面ライダーのショッカーを思い出しちゃいました
。
二幕目「勧進帳」、最初に観たのは2004(平成16)年の国立劇場で、弁慶は去年1000回上演を成し遂げた松本幸四郎さんでした。今日はその実弟・中村吉右衛門さんの弁慶、顔を作ると面立ちがちょっと似ているかな、と感じました。四天王のひとり・亀井六郎は甥の染五郎さん。「勧進帳」は、昨年末歌舞伎座さよなら公演を記念して行われた「好きな歌舞伎二十選」の第1位
に選ばれています。たまたまわたしの席の周りがそうだったのかもしれませんが、年配の男性客がいつもより多かったような…。勧進帳の読み上げと山伏問答、疑われた主君・義経を金剛杖で打つ
も逆に感謝されて泣く
、富樫(菊五郎さん)との酒宴で上戸(じょうご)を披露
、延年の舞…そして幕切れ、飛び六方では、夜の部最大の拍手
が送られ、歌舞伎座ならではの熱気
がありました。弁慶の豪放磊落なキャラ、いつの時代も万人(特に男性)ウケするのかもしれません。
三幕目「三人吉三…」は3回目だと思います。最初に「新春浅草歌舞伎」で観たため、とても親しみを感じるようになった演目。玉三郎さんのお嬢が麗しくて(舞台生写真のお嬢もすごく美しかった
)実は“男”に感じられないせいか、「こいつぁ春から縁起がいいわえ」がしっくりこず、若手(お坊・染五郎さん、和尚・松緑さん)とのバランスが整っていないと思いました
▼きゃっ
幕間に1階の売店でかわいい手ぬぐいを見つけました
「猫の勧進帳」1000円也、即買い。お家に帰ってさっそく広げてみました。
▼四天王のねこちゃん、ツボ
。
先月、新しい歌舞伎座の完成予想図が発表になりましたよね。
撮影方向が違うのですが、今日の歌舞伎座と比べてみます。
現在の歌舞伎座を知る者にとって、やはり後ろのビルにどうしても違和感を感じてしまいます。アメニティは数段良くなると思うので、“慣れ”たら平気になるのかもしれませんが、今はなんともいえない心境です