5日、話の中で遠江さんが出してきたのは話題のフリーペーパー「福岡美少女
図鑑」。どうしてもこの類の写真誌が、フリーペーパーとして経済的に成り立つ
ことが理解できないそうで、私に説明を求めてきた。元々は新潟で地元のファッ
ション業界や美容業界などを盛り上げようと、地元の普通の女の子たちをモデル
にして始まったものだが、ここ数年で全国に広がり、福岡でも昨年末発売。この
数日だけでもニュースやネット記事などで続々話題となっている。
福岡美少女図鑑
私的に解釈、福岡版を例にとれば、従来の意義以上に利点がある訳で、作り手
側のメリットは地元のカメラマンや編集者・デザイナーに仕事ややり甲斐を与え
るツールに育っていくこと。メイクやヘアデザイン、ファッションに加え、制作
に携わった人々の作品でもあるのだ。さらに、ドレスを来て柳橋市場の通路で撮
影をしてみたり「ここはどこ?」と唸りたくなる素晴らしいロケーションで撮影
された魅力的な写真が多い。私の場合、モデルよりもそこへ目が行く。
また、ロケーションとモデル配置の視点がしっかりしていて、まさに映画やド
ラマのワンシーンのよう。これは映像関係者が観れば、ロケハンの手間が省けて
ロケ地候補の有力資料になり得るだろうと思う。ちょうど6日夜のNHK「クロー
ズアップ現代」で地方発「美少女図鑑」を取り上げていたが、少女だけでなく、
子供や老人など、様々な年代別(対象別)バリエーションも可能だろう。
この本はデフレが進む今、職人技や地元商店の可能性を最大限に引き出す究極
の「地産地消マガジン」なのだ。地方でも東京に負けないクオリティの高い表現
ができる。地元の魅力を若者が見つめ直すことにもつながり、若者の地元志向化
へも影響を与えているという。「地元のお店も捨てたものじゃない!」という訳。
この手法、福岡では7年以上前にフリーペーパー「Fd(エフ・ディー)」が既
にやって成功していたが、本を販売向けに切り替えボリューム感を出したところ、
残念がなら長続きせず、数号で消えた。私はこの雑誌の視点が大好きだったため
記憶に遺っている。「美少女図鑑」創刊と同時期に福岡でも同視点の本があった
のだ。
中でも、この誌面で素人モデルが訪ねる魅力的な福岡・北九州の銭湯特集号は
秀逸。私が好きな吉塚の若桜湯も登場しているが、「Fd」を知ったきっかけは若
桜湯のおばあちゃんから「うちがこんなキレイに映っとるんよ」と見本紙をもら
ったからである。その若桜湯も今はもう無い。
発行していた石川博巳さんの事務所では、すでに昨年末から「Fd」の進化系と
いえる「tenran(てんらん)」や「紅絹(もみ)キモノガールズグラフティ」と
いう売本を続々発売!「美少女図鑑」との差別化を図っているようで、とても興
味深い。調べると、最新刊はまさに昨日1月6日に発売したばかり。
エフ・ディー
この「FD」の手法と「美少女図鑑」の手法は、基本的に同じである。一過性の
ブームに終わるのかどうかは、作り手側が色気を出しすぎないことだろうと思う。
本来の制作意図を継承し、飽きられない工夫を加え、地元表現者の受け皿になっ
て続いてほしい。私自身、これから季刊本を創ろうとする身であり、とても注視
して両誌の成り行きを観ている。
今日の写真は、開店30年を迎えたGSパブ「Windy」のネオン看板。夜はもっと
いい感じ!70s、80sの邦洋名曲を生演奏でやってくれる。
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図鑑」。どうしてもこの類の写真誌が、フリーペーパーとして経済的に成り立つ
ことが理解できないそうで、私に説明を求めてきた。元々は新潟で地元のファッ
ション業界や美容業界などを盛り上げようと、地元の普通の女の子たちをモデル
にして始まったものだが、ここ数年で全国に広がり、福岡でも昨年末発売。この
数日だけでもニュースやネット記事などで続々話題となっている。
福岡美少女図鑑
私的に解釈、福岡版を例にとれば、従来の意義以上に利点がある訳で、作り手
側のメリットは地元のカメラマンや編集者・デザイナーに仕事ややり甲斐を与え
るツールに育っていくこと。メイクやヘアデザイン、ファッションに加え、制作
に携わった人々の作品でもあるのだ。さらに、ドレスを来て柳橋市場の通路で撮
影をしてみたり「ここはどこ?」と唸りたくなる素晴らしいロケーションで撮影
された魅力的な写真が多い。私の場合、モデルよりもそこへ目が行く。
また、ロケーションとモデル配置の視点がしっかりしていて、まさに映画やド
ラマのワンシーンのよう。これは映像関係者が観れば、ロケハンの手間が省けて
ロケ地候補の有力資料になり得るだろうと思う。ちょうど6日夜のNHK「クロー
ズアップ現代」で地方発「美少女図鑑」を取り上げていたが、少女だけでなく、
子供や老人など、様々な年代別(対象別)バリエーションも可能だろう。
この本はデフレが進む今、職人技や地元商店の可能性を最大限に引き出す究極
の「地産地消マガジン」なのだ。地方でも東京に負けないクオリティの高い表現
ができる。地元の魅力を若者が見つめ直すことにもつながり、若者の地元志向化
へも影響を与えているという。「地元のお店も捨てたものじゃない!」という訳。
この手法、福岡では7年以上前にフリーペーパー「Fd(エフ・ディー)」が既
にやって成功していたが、本を販売向けに切り替えボリューム感を出したところ、
残念がなら長続きせず、数号で消えた。私はこの雑誌の視点が大好きだったため
記憶に遺っている。「美少女図鑑」創刊と同時期に福岡でも同視点の本があった
のだ。
中でも、この誌面で素人モデルが訪ねる魅力的な福岡・北九州の銭湯特集号は
秀逸。私が好きな吉塚の若桜湯も登場しているが、「Fd」を知ったきっかけは若
桜湯のおばあちゃんから「うちがこんなキレイに映っとるんよ」と見本紙をもら
ったからである。その若桜湯も今はもう無い。
発行していた石川博巳さんの事務所では、すでに昨年末から「Fd」の進化系と
いえる「tenran(てんらん)」や「紅絹(もみ)キモノガールズグラフティ」と
いう売本を続々発売!「美少女図鑑」との差別化を図っているようで、とても興
味深い。調べると、最新刊はまさに昨日1月6日に発売したばかり。
エフ・ディー
この「FD」の手法と「美少女図鑑」の手法は、基本的に同じである。一過性の
ブームに終わるのかどうかは、作り手側が色気を出しすぎないことだろうと思う。
本来の制作意図を継承し、飽きられない工夫を加え、地元表現者の受け皿になっ
て続いてほしい。私自身、これから季刊本を創ろうとする身であり、とても注視
して両誌の成り行きを観ている。
今日の写真は、開店30年を迎えたGSパブ「Windy」のネオン看板。夜はもっと
いい感じ!70s、80sの邦洋名曲を生演奏でやってくれる。
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