最近、状態の良いキレイな古絵葉書を数点入手しました。ひとつは「大日本製鉄所遠賀川水道水源地喞筒室」絵葉書セット、いわゆる明治日本の産業革命遺産のアレです。
もうひとつは「九州水力電気宇島火力発電所」、現在の九電・豊前発電所の前身で1925(大正15)年1月に竣工したようですね。場所は現在の発電所と違うのでしょうか。少し調べてみます。
さらに1915(大正4)年の物産共進会の際、松永安左エ門経営の九州電灯鉄道&福博電車の奉迎門、停車場前とあるので博多駅前(現在の地下鉄祇園駅付近)ですが、駅舎背景ではなく駅前の建物(のち九軌百貨店が建つ場所、現・西鉄博多駅前ビル付近)が見えている珍しいアングルです。発行は周水堂の記載あり。
次は「博多西中洲」と記載された絵葉書ですが、左に福岡市で最初にエレベータを設置した中村家具店(呉服町)の建物が見えているのでおそらく「西町」の間違いだと思います。西町から呉服町〜蓮池にかけての道路の起伏も現在の同じ場所から同様に確認できます。
最後は天拝山頂からの武蔵温泉(二日市温泉)全景ですが、状態の良いものを初入手で拡大すると色々見えてきます。
筑紫野市は本日4月29日は筑紫野市祭「二日市温泉 藤まつり」も開催。筑紫野市歴史博物館では先週22日から春季企画展「武蔵寺と二日市温泉~佛が心を癒やし、温泉が身を治す~」が開催中で、絵葉書や古写真にカラー彩色を施した写真パネル等も展示されているそうです。武蔵寺の再興と二日市温泉の近代化に尽力した「渡辺通り」渡辺與八郎氏に関する資料も展示されています。
企画展の開催を控えて、筑紫野・二日市の歴史生き字引で語り部だった久芳康紀氏が4月16日に亡くなられ、私もずいぶんとお世話になったので17日の告別式に参列させていただきました。渡辺與八郎氏の逸話や関わりも諸々ご教授いただき、まだまだ伺いたいこともたくさんあったので残念です。企画展の会場には、久芳さん提供の「薬師湯」浴場の遺品タイル(渡辺與八郎氏が開設)も展示されているとのこと。会期中、できるだけ早く観覧に伺いたいと思っています。
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