宮島3日目帰路につく朝
来る時に乗ったのは宮島入り手段として一番オーソドックスな宮島口からのJRフェリー(と、同じ航路で広電グループの松大汽船もあり)でしたが、帰りはそのまま広島市街に行ける高速船に乗ります。
となりの桟橋にはなかなかイケメンなフネが係留されていました。
放水銃を2基装備したその姿を見つけ「消防艇だ!」と興奮していたところ高速船のスタッフさんがいろいろと説明をしてくれました。
初日呉でのひびきといいどうもオタクっぽさを隠さないんだよね。
消防艇であると同時に救急艇でもあるこの「もみじ」は19トンと小さな船体ながら船首にカーランプを装備しているのが特徴で、診療所が1件しかない宮島でそこでは手に負えない状態だったり、医師が不在時や夜間に急患等が発生した際には救急車ごとこのもみじに乗り込み対岸の街に直接揚陸する船だそうです。
そして2基の放水銃は宮島航路のフェリーはもちろん厳島神社が万一火災となった際にも出動し海から消火活動をするのでしょうね。
そのもみじを見ながら進路を右にとり船首を持ち上げどんどん加速していきます。
低速航走中のカーキャリアの前を横切る大迫力。
波間をジャンプするかのようなガックンガックンとした振動もなんのそのでかっ飛ばしあっという間に広島市街。
太田川に入ると今度は自転車並みの速度に落としデッキも開けられ川からじっくりと広島の街を眺めることができます。
元安川に入り原爆ドーム近くの桟橋に着岸。
宮島から45分の船旅でした。
紅葉に彩られ佇む原爆ドームは何も語らいけれど強烈にメッセージを発している。
広島イチの観光地……といっても自然と会話も押さえ気味の声となってしまいますね。
T字型という特異なカタチ故に原爆投下の目標点とされた相生橋を今も変わらずトラムが走り抜けていく。
爆心地。
300mほど逸れこの上空600mで炸裂しました。
ぼくはこんな趣味をしてはいますが、だからこそ戦争の恐ろしさを知っているつもりです。
そんな経験を自分の娘にさせないよう他国とも対等に外交ができる国であるべく守りは強固に。
そう願っています。
と、いうちょっとまじめな気分にもなってしまいましたが、とは言っても腹は減るし観光客としては行きたいところもある。
キャリーケースをガラガラ引っ張りながら広島市電の電停を4つほど、
15分くらい歩きお好み焼きの有名店「みっちゃん総本店」
開店時間から12分くらい過ぎているのですがすでに行列ができていました。
平日なのに。
20分ほど待ち香ばしい匂いが充満した店内に。
お好み焼きDXスペシャルに牡蠣焼き、そして麦汁で広島最後の一杯でプフアァァァァァァ……
さあ帰ろう。
空港行きバスが発着するターミナルはそごうの中。
なに!? このエスカレーターすごい!
市街からあまりに遠くしかもバスしか公共交通手段が無くとても不評な広島空港ですが、確かにこの立地は……
侵入灯がまるで旧餘部鉄橋かカサンドラクロスか……
ランウェイエンドなんてまるで旧帝国海軍の空母じゃん!?
帰りのANA680便は往路のSTARWARS JETに続きまたスペシャルマーキング機のANA HELLO 2020 JETでした。
でももう高揚する心もなくただただ帰りたくない。
帰りたくない!
大島が見えていよいよ帰りたくない!!
房総半島が見えてきちゃったよ帰りたくない!!!
…………すっかり夜になった羽田に降り、旅が終了しました。
肝心の沖縄修学旅行帰りの娘とはちょうどバゲッジクレームで会うことができました。