その⑧からの続きだよー
3日目の朝。
京阪コラボ電車の撮影と宇治聖地巡礼というふたつの目的を達したのであとはその時次第でゆっくりと京都市街東側を巡るつもりです。
2日間精力的に回ったので朝もどれくらいに起きれるかもわからず、遅く起きてもいいやと予定はまったく立てていません。
もちろん行きたいところはピックアップしてはいるのですが、それに縛られるつもりもなく…………のつもりだったのですが、やっぱり早朝日の出前に目が覚めてしまうお年頃。
まぁ平日早朝であれば人も少ないのでそれはそれで良しというのもあるのですが、16時から18時まで付いていた雨マークが14時からに拡がってしまったのです。
こうしてはいられません。
朝食もすっ飛ばして烏丸御池駅内でカスクートを買い出かけます。
下調べは十分。
それを頼りにせっかくの初めての街なのにスマホをずっと見ていたってことにはならないよう、この2枚のフリーチケットカードを使って思う存分知らない街を彷徨いたいと思うます。
まずは市営地下鉄の蹴上駅で下車。
駅近くにあるインクライン下をくぐる蹴上トンネルですが、「ねじりまんぽ」という名で呼ばれているそうです。
この「ねじりぱんぽ」はなにもここだけの名前ではなく、
内部のレンガが渦を巻くように積まれている構造に付けられた言葉で、特に関西地方での鉄道線をくぐる歩行者道に多いそうですね。
ねじりまんぽをくぐりぬけ、朝の冷たい空気を感じながら静かな街を通り抜けると、
南禅寺の三門に到着しました。
石川五右衛門が「絶景かな絶景かな」と言ったのはこの門の上から桜を見た時の言葉だそうです。
ああ、ヒーローインタビューで「絶景です!」と言ったM12石川歩投手もとうとう戦力外となってしまったなー
なんてことくらいしか感想を持ちえない自分にとっての興味は別にあり、
それは南禅寺境内にあるこの「水路閣」です。
琵琶湖疎水の支流のひとつのこの水路橋ですが、その橋脚の向こうでは榊マリコ法医官と土門薫刑事が会話をしていそうです。
「科捜研の女」シリーズや2時間ワイドドラマのロケ地として良く見るこの光景。
ぼくは神社仏閣よりもこういった近代の産業史跡により惹かれるのです。
まだ平日の朝7時前では人がおらずM.O.M.Oちゃんの写真も撮って撮って撮りまくりです。
今日は「M.O.M.Oちゃんとデート」デーなのです。
まぁドール者以外の人には言いにくいわねw
リュックに押し込まれ背負われていて禰豆子のようですが…………(見ていないのでよく知らないで言ってる)
目線の高さを合わせて撮った写真をツイートすると「等身大みたい」とのリプも頂きました。
ここは多くのミステリードラマの舞台だけではなく、
アニメ「けいおん!」OPのカットにもある聖地のひとつです。
♪ガチでスバラシ Never Ending Girl´s Song♪
というより「私M.O.M.O、あなたの近くにいるの」みたいな感じでなんだか怖いよ。
坂を上るとこの水道橋の上を見ることができます。
さすがに柵に阻まれ橋を渡ることはできませんが……
琵琶湖から山を越えて導かれてきたこの水が全部昔の人によるものだなんてスゲーな。
琵琶湖と京都市街は標高差があり、大津閘門で1.5m下げられた疎水は3つのトンネルで山を越えここ蹴上で一気に36mを下ります。
それを舟に乗せてきた貨物を荷車等に載せかえるのではなく、舟ごと車両に乗せこの坂を上げ下げして鴨川に繋げようというのがこのインクライン。
旅客用がケーブルカーで貨物用がインクラインと言葉を使い分けているようですね。
大抵の人がこうして真ん中で写真を撮るためにこの2本のレールで上げ下げしていた……と見えがちだけど、ここは複線となっていて草や砂利の中にもう片方のレールが隠れています。
ケーブルカーは複線にして2両の車両をワイヤーロープに繋ぎ上下線でバランスを取った方が上げ下げにかかるエネルギーは少なくて済みますからね。
平日早朝とはいえまったく人がいませんね。
やっぱりここに人が多く集まるのは桜が満開となる時期だけなんですかね。
過去の人たちの叡智を感じられるこの史跡もただの桜の名所のひとつとしか認識されていないのであれば残念ではあります。
疎水に出入りする箇所に分かりやすく車両と上に載せられた舟が形態保存されています。
右にあるローラーはワイヤーの巻き上げや減速をしていた物なんですかね?
貨物ごと舟を載せる車両だけあってかなり頑丈そうな作りをしていますね。
台車もボギー式なんですね。
サスペンションは無く直接ボルト止めされていて旋回すらしなさそうですが、直線のみのこのインクラインを走行するだけならこれで充分ということなのでしょうか。
ここのみに特化した割り切った技術に痺れます。
全長850mのあの第三トンネルで日ノ岡山を越えているようです。
右にあるポンプ室や大津の閘門など数多くの産業史跡が残されているのに見て回る時間が足りません。
宇治発電所も含めてそれを目的にしてまた訪れたいですね。
ってか来る!
蹴上から20分弱歩いて着いたのは「ロームシアター京都」
響け!ユーフォニアムで吹奏楽コンクール関西大会の会場となった場所です。
生まれ変わった新星の龍聖学院の部員たちの到着で印象深い神社仏閣のような建物に地面のタイルも劇中と一緒ですね。
滝先生の言葉では「音楽は本来他人と優劣を競う物では無い」としながらもコンクールという形式であるからには彼らは”敵”となる。
それが強く浮彫りとなるシーンでした。
やーん 香織先輩マジ天使~
結果はゴールド金賞。
だけれど全国大会には進めない”ダメ金”
北宇治の夏はここで終わったけれど、優子先輩たちにはもう次は無いけれど、この敗北を糧に成長するであろう北宇治吹奏楽部の未来を感じさせる優子部長の言葉を思い出し涙がこみあげてきます。
その⑩に続きます