うちの娘は吹奏楽をやっていて楽器はアルトサックス。
だからアニメ「響け!ユーフォニアム」唯一の不満はアルトサックスパートがモブキャラなところだそうです。
ぼくなんかは全くの音楽素人なので「サックスなら部長の晴香さんがそうじゃん」って言うとはぁぁぁ~……っとため息をつきながら「わかっちゃいねー」と白い目で見てきやがります。
なんでも部長の小笠原晴香さんはバリトンサックスだそうで、ここで「でも同じサックスだから……」なんて言うともうこの話題では口をきいてくれなくなりそうなのでそれは飲み込みました。
でも、そんなモブキャラでも京アニにかかると只のモブではなく魅力があるんだよなぁ。
いくつものアニメ制作会社がありぼくもひとつやふたつはお気に入りのプロダクションもあるのですがやはりこの京都アニメーションの凄さは別格だと感じますね。
この秋から始まったアニメも中盤に差し掛かり期待以上だった作品、そして視聴リストから切る作品と出て来る時期ではありますがその流れから取り残されているひとつがありますね。
「ろんぐらいだぁす!」はスケジュールが初っ端から破綻してしまったのか3週目で第1話のリピートとなり6週目ではダイジェストとなかなか進んで行きません。
1週待たされ放映された第3話は特に後半Bパートの作画が酷かったですし、第4話もかなり怪しいカットがちらほら。
でもここまで極端な例はそうそう無くとも週イチ放送のアニメはどれも似たような問題は抱えており、キャンペーン展開からするとそこそこ注力もされているであろう「終末のイゼッタ」なんかでもやはり作画が可怪しいところも見え始めました。
能力があるスタッフなんて限られているだろうに今や深夜アニメの制作本数は年間200タイトル近くありますからそれは仕方がないことなんでしょうね。
自分の仕事でもやはり迫りくる制限時間の中で限られたリソースでやれるだけのことはやったからと言い訳にして決して満足がいく仕上がりでは無いにもかかわらず送り出してしまう物のなんと多いことか。
そして、そんな状況に慣れきってしまっているぼくの頭を思いっきりぶん殴るものを見てしまったんです。
それが今期放送中のアニメ「響け!ユーフォニアム2」の第5話です。
吹奏楽県大会での演奏が前半のクライマックスとなる大事なこの第5話。
その演奏シーンがとんでもなかったのです。
曲途中を端折ったり回想シーンや静止画によるイメージ画の使用は最小限にとどめほぼ全編楽器を演奏する動きで6分51秒もの長時間を見事描ききったのです。
もう何度も何度も見返しているのですが未だに涙がこみ上げてきてしまいます。
ただただ感動した……そんな単純なものではなく色々な感情がないまぜになって溢れてきてしまうんです。
それは映像を扱う仕事故に驚き憧れてしまう思い。
CGを専門とする自分にとって未だあれだけのことをするためには手描きでないと表現できないことに対する絶望感や嫉妬。
それらが怒涛のように自分を揺さぶり止まらないんです。
でもそんな負の感情すら心地良いんです。
すごいものを見てしまった。
とんでもないものを見てしまった。
それを映画ではなく週イチのテレビアニメでやってしまう京アニの凄まじさはいったい何なんだ!?
自分オタクでよかった。
だってこんなスゴイものを見ることができたのだから。
深夜アニメを見る習慣がなかったらこんなにも素晴らしい体験をすることは無かったでしょうから。
こんな出会いがあるからこの趣味は辞められません。
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